実験記録261-JP-3 - 日付20██/██/██
対象: SCP-261-JP
目的: SCP-261-JP内において対面通行を行い、衝突を確認する。同様の手順で行った前二回の実験の偶然性を排するため、三回目のこの実験を行う。
実施方法: SCP-261-JPの両端入り口A、BよりDクラス職員二名、D-261-JP-5、D-261-JP-6を進入させた。二名には反対側へ通り抜けるよう指示した。SCP-261-JPに関する事前説明は行わなかった。
結果: D-261-JP-5、D-261-JP-6の二名がSCP-261-JP内中央にて衝突。互いに頭部を強打し、意識不明になる。財団医療部門施設への搬送後、脳震盪と診断された。
分析: オブジェクトの特異性による衝突を確認。3回にわたる実験で偶然性は排せた。実験に用いたDクラス職員は全員重傷を負っている。
これ以降の実験は、Dクラス職員への身体被害を最小限に食い止めるために、財団標準の耐衝撃装備を装着させ、通路内全面に衝撃吸収マットレスを敷設して行ないました。
実験記録261-JP-4 - 日付20██/██/██
対象: SCP-261-JP
目的: SCP-261-JP内において対面通行を行い、衝突を回避する。
実施方法: SCP-261-JPの両端入り口A、Bより耐衝撃装備をしたDクラス職員二名、D-261-JP-7、D-261-JP-8を進入させた。Aより進入した職員にはAから見て左へ、Bより進入した職員はBから見て左へ寄り、向こう側へ通り抜けるよう指示した。SCP-261-JPに関する事前説明は行わなかった。
結果: D-261-JP-7、D-261-JP-8の二名がSCP-261-JP内中央にて衝突。暴力を用いた闘争を開始。待機していた警備員により制止された。
分析: カメラによる記録ではD-261-JP-8は対面通行の際にBから見て右へ移動。指示違反であることを詰問したところ、「だから俺は言われたとおり左へ避けただろ!指示違反したのは向こうの方じゃねぇか!」と証言。D-261-JP-8に左右盲のテストを行ったところ、不合格。しかし実験より数時間後に左右盲の回復が見られた。
左右の感覚に対する認識災害を発生させている可能性がありますね。-神宮寺博士
実験記録261-JP-5 - 日付20██/██/██
対象: SCP-261-JP
目的: SCP-261-JP内において対面通行を行い、衝突を回避する。
実施方法: SCP-261-JPの両端入り口A、Bより耐衝撃装備をしたDクラス職員二名、D-261-JP-7、D-261-JP-8を進入させた。その際、あらかじめAではAから見て右の壁に、BではBから見て右の壁に手を付けさせ、壁伝いに進むように指示した。
結果: 両者は衝突することなく反対側へと無事通過した。
分析: 通路内において通行者が正対しない限り、対面通行であっても衝突は発生しない模様である。
実験記録261-JP-6 - 日付20██/██/██
対象: SCP-261-JP
目的: SCP-261-JP内において対面通行を行い、衝突を回避する。
実施方法: SCP-261-JPの両端入り口A、Bより耐衝撃装備をしたDクラス職員二名、D-261-JP-7、D-261-JP-8を始めに正対した状態で進入させた。その際、進入直後にAではAから見て右の壁に、BではBから見て右の壁に手を付け、壁伝いに進むように指示した。
結果: D-261-JP-7がAから見て左の壁に避けてしまい、中央に至るまで両者回避を繰り返した結果、よけきれず衝突。D-261-JP-7は転倒し、右小指を骨折。D-261-JP-8は耐衝撃装備とマットレスにより無傷。しかし、両者の耐衝撃装備は、ヘルメット及びシールドにおいて破棄せざるを得ないほどに破損していた。
分析: やはり一度でも正対すると衝突してしまう模様。左右に対する認識災害が発生している。
実験記録261-JP-7 - 日付20██/██/██
対象: SCP-261-JP
目的: SCP-261-JP内において対面通行を行い、衝突を回避する。
実施方法: SCP-261-JPの両端入り口A、Bより耐衝撃装備をしたDクラス職員二名、D-261-JP-8、D-261-JP-9を始めに正対した状態で進入させた。その際、ゆっくりと歩行しながらお互いに避ける方向を相談しあい、衝突を回避に努めるように指示した。
結果: 最初は落ち着きながら相談しあい歩行していたものの、徐々に両者の表情に焦りが見られ歩行速度が早まり、中央にて衝突。D-261JP-8とD-261-JP-9は衝突時の衝撃により[編集済み]となり、一つの肉体に形成された。耐衝撃装備の効果は見られなかった。
分析: 左右の認識を用いて回避方法を相談したものの、やはり認識災害が発生した模様。「そっちは右じゃないだろ!馬鹿!」という音声も記録。また、今回のみ異常な衝突が発生した。D-261-JP-8とD-261-JP-9の二名は、実験終了後、終了された。現在も原因は不明。
片方の壁を赤、もう片方を青で塗って壁の色でどちらに避けるか呼びかけ合えば衝突は回避できるんじゃないでしょうか。-神宮寺博士
実験記録261-JP-8 - 日付20██/██/██
対象: SCP-261-JP
目的: SCP-261-JP内において対面通行を行い、衝突を回避する。
実施方法: SCP-261-JP内の片方の壁を赤く塗り、反対側の壁を青く塗った。SCP-261-JPの両端入り口A、Bより耐衝撃装備をしたDクラス職員二名、D-261-JP-3、D-261-JP-10を始めに正対した状態で進入させた。その際、どちらの色の壁に避けるかを呼びかけ合いながら通行するように指示した。
結果: D-261-JP-3は赤の壁に、D-261-JP-10は青の壁に避けることに成功し、両者は無事反対側へ到達した。
分析: SCP-261-JPは、通行する人間の左右の感覚に対する認識災害を引き起こすことが、これにより明らかになった。