SCP-2624
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スプートニク2号カプセルの実寸大模型内に収まった打ち上げ前のライカ。

アイテム番号: SCP-2624

オブジェクトクラス: Keter

特別収容プロトコル: SCP-2624は民間情報ソースに対しては一塊のスペースデブリとして指定されています。地球低軌道上を旅した全ての民間人には、SCP-2624-1、SCP-2624-2、SCP-2624-3を経験/目撃した証拠を確認するため、着陸に際してインタビューを実施し、必要に応じて選択的な記憶処理治療を施します。

宇宙船からの映像や音声の生放送を伴う宇宙飛行計画のために、財団はコンピュータで作成した画像や防音スタジオにおける俳優・モデルの再現演技による当該任務の代替版記録を作成し、SCP-2624-3によって本来の任務が妨害された場合にはそちらを放送します。

説明: SCP-2624は地球軌道上の人工衛星であり、スプートニク2号の残骸を取り巻いていると思われる半径5mの大雑把な球体を形作る、約60匹の生きた犬で構成されています。SCP-2624を構成するそれぞれの犬は成熟した雑種の雌であるように思われ、地球周回軌道に入った最初の動物であるスプートニク2号の被験体、ライカと視覚的に同一です。

SCP-2624は、1957年11月3日、ソビエト社会主義共和国連邦によるスプートニク2号の打ち上げ直後にオブジェクト指定されました。軌道上に到達したスプートニク2号は深刻な過熱の問題を起こし、ライカの時ならぬ死を齎しました。この時点で、宇宙船の外層部に異常な犬たちが実体化し、数時間かけて球体を形作りました。僅か数日後には回転楕円体が完全な形で形成され、財団はソビエト宇宙計画の指導者たちから状況の異常性に関する通知を受けました。

SCP-2624は、スプートニク2号計画中にソビエトの超常科学研究者たちが秘密裏に試験を画策していた、超常技術に基づくコミュニケーション・システムの誤作動で誕生したものだと考えられています。この誤作動がソビエト側のミスか、アメリカ側の諜報部門による妨害工作が原因かは不明確です。

SCP-2624を構成する犬は生存しているようであり、身動き・喘ぎ・呼吸を行う様子が観察されています。しかし一方で、SCP-2624の表面を離れる様子は見せません。SCP-2624は秒速10kmを上回る速度で犬を発射することにより、自らの軌道を変える/軌道減衰を打ち消すことが可能です。SCP-2624はこの推進手法に続き、失われた犬の数を異常な形式で補充していると考えられます。如何なる形式であれSCP-2624と物理的に接触する試みは全て、SCP-2624が接触前に上記手段を用いて対象から遠ざかる結果に終わっています。

SCP-2624の発現に続いて、SCP-2624-1から-3と指定された、以下の関連する異常効果が注目されています。

  • SCP-2624-1: SCP-2624以降に宇宙空間を飛行した人々の約80%は、犬の吠える声に似た微かな音を断続的に聞いたと報告しています。
  • SCP-2624-2: SCP-2624以降に宇宙空間を飛行した人々の約40%は、外見的にライカに似ている1匹の犬、もしくは同じような犬の群れが、正体不明の複雑な機械の操作方法を自分に教えようと試みる鮮明な夢を見たと報告しています。人間らしい発声器官や対向性母指が欠如しているため、この夢に出てくる犬は概ね問題の機械に噛み付いて破壊しつつ、絶え間なく吠え続けます。
  • SCP-2624-3: 少なくとも3回、別々の機会に、完全に身動き可能なライカと同一の姿の犬が、宇宙空間や天体上に出現しています。これらの事案については下記の補遺2624-1に列挙されています。

このように、SCP-2624は宇宙旅行がより一般的になるにつれて、正常性への脅威を増大させつつあります。SCP-2624の処分に関する提案が検討中です。

補遺: 注目すべきSCP-2624-3出現例

SCP-2624-3の既知の最初の顕現は、1961年4月12日、ユーリィ・ガガーリンを乗組員とするソビエト初の軌道上有人宇宙船、ボストーク1号の飛行中に発生しました。軌道上に到達したガガーリンは、ボストーク号の舷窓のすぐ外に1匹の犬が浮いているのが見えると報告しました。ガガーリンは後日この出来事を振り返り、問題の犬は舷窓に肉球を押し付け、中を覗き込みながら数分間リズミカルに窓を叩き続けた後、漂いながら離れていったと述べました。

特に顕著なSCP-2624-3顕在化事案は、1965年6月3日にNASAが打ち上げたジェミニ4号のミッション中に起こりました。エドワード・ホワイトの宇宙遊泳中、ホワイトは手持ち噴射ユニットの誤作動によって予期せず宇宙船の外周部から投げ出され、自身と宇宙船を繋ぐ命綱が張りつめた状態になりました。乗組員仲間が彼をエアロックまで引き戻そうとしている間に、ホワイトはライカのそれと一致する姿をした犬が目の前に現れ、続けて彼をエアロックに向かって押し戻す感覚をはっきり感じたと報告しました。SCP-2624-3個体はホワイト以外の乗組員からは目撃されていません。これはSCP-2624-3個体が人間と接触した唯一既知の事例です。

次にSCP-2624-3は、アポロ12号ミッションが行われていた1969年11月20日、月面上でアラン・ビーンによって記録上に残されました。月面探査中、ビーンは、ライカと一致する姿の犬が離れた場所で円を描くように走り回っているのに気付きました。やがて犬はビーンの下に走り寄ると、数メートル離れた場所に座って彼を見上げました。ビーンは乗組員仲間であるチャールズ・コンラッドの位置を確認するために振り返りましたが、視線を戻した時には犬の姿は無く、痕跡も残っていませんでした。

SCP-2624-3は、2000年2月20日に地球上に出現した可能性があります。当日、モスクワ市警察は、ドンスコイ墓地にて、スプートニク2号計画を主導したソビエトの科学者ウラジミール・ヤズドフスキーの墓の前に、外見上ライカに似ている1匹の犬が横たわって大声で泣いているのを発見したと報告しています。警官は犬を追い払おうとしましたが、墓地の何処かから走り寄ってきた同じ姿の犬の群れによって取り囲まれました。各々の犬は警官に向かって吠えながら宙に浮かび上がり、数秒後に眩い閃光を伴って全個体が消失しました。この事件は財団によって抑制される前に、地元報道機関の数社からニュースとして取り上げられました。

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