アイテム番号: SCP-2626
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: 使用していない際、SCP-2626はサイト19にある施錠したクッション張り保管コンテナの内部に保ちます。スタッフはレベル3監督者に提案書を提出することによって研究のためのSCP-2626使用許可を要求することができ、当該監督者は全ての使用を実際に立ち会って監督しなければなりません。
SCP-2626が生成した未知の効果を持つネガや写真プリントは、潜在的なイプシロン-クラス認識災害として扱われるべきであり、制御下にある環境でDクラス職員による徹底的な実験が行われるまでは、いかなる状況でも視認してはいけません。SCP-2626が 生成した効果判明済のネガや写真プリントは、適切なクリアランスを持つ職員であれば研究目的の利用が可能です。
SCP-2626に関連する全ての既知のネガと写真プリントは、数値IDの接頭辞で整理された19-2626文書保管アーカイブに格納されます。アルファまたはベータ-クラス認識災害を示す素材は、明確に表記された不透明な封筒に密封され、レベル2クリアランスの職員によって制御された環境で持ちだす事が出来ます。ガンマまたはデルタ-クラス認識災害を示す素材は、明確に表記された鋼鉄製の引出し内部に施錠し、レベル3クリアランスの職員によって制御された環境で持ちだす事が出来ます。イプシロン-クラス認識災害を示す素材は、二重の鋼鉄製コンテナ内部に施錠し、監督者のいない状況、ならびにレベル4管理者2名からの書面による事前承認がない場合は、どのような状況であっても職員による持ち出しは許可されません。
説明: SCP-2626は、改造された、1966年頃のグラフレックス社ペースメーカー・スピードグラフィック大判カメラです。アイテムの異常効果は、カメラのべローズ内部に取り付けられた、”████████社・催眠パターンジェネレータ”と表記されている装置によって引き起こされます。研究スタッフは、光がこの装置に入ると、装置は微妙に個々の光子の波長と強度を変化させ、動的に生成された回折配列によって最終的な画像に異常認知トリガーを埋め込むと結論付けました。“████████社”は記録されている全ての事業体や子会社の名前と一致しない為、装置の起源は現在のところ不明です。装置が正しく機能するには、完全に充電済みの単三電池6本が必要です。
SCP-2626は商業写真家の█████ █████████が2004年に死亡した後、カリフォルニア州サンフランシスコのオークションで彼女の所有下から落札されました。購入者は撮影した写真を見て制御不能の嘔吐をもよおし、地元警察にカメラを引き渡しました。彼によると、カメラは█████████の知人と思しき人物のメモが付随した元々の箱に入って届けられたものでした。メモの内容は以下になります: ”貴方の75歳の誕生日に特別なカメラを。最も美しき被写体のみを撮りましょう。クールな結果に感謝すること請け合いです。常に全力を尽くして、T.M.”。
SCP-2626が生成したネガまたは写真プリントを見る事によって、写真で示されている被写体に関連する知覚された象徴性・機能・あるいはその他の特性に依存する異常効果が発生します。また、特定の画像の効果は、閲覧者の間で異なる場合があります。既知の写真とその効果の完全なリストについては文書2626-L-01を参照してください。Dクラス被験者による実験の抜粋例が、以下の補遺に記載されています。
補遺A: SCP-2626が生成した写真の抜粋例
各試験で、1名以上のDクラス被験者が、SCP-2626で撮影した写真を10秒間見るように指示された。全ての場合において、効果は写真が視界から隠された直後に発現した。
アルファ-クラス認識災害は、曝露した人物の一部または全員に対し、感覚や信念を穏やかに麻痺させる効果を誘発する。
被写体: グラニー・スミス品種のリンゴ
効果: 無神論者である最初の被験者は、彼女の口の中に明確な酸味を報告した。キリスト教徒である事を公言している2番目の被験者は、彼が"知識"や”知恵”を授けられたと主張したものの、何を学んだのか明確に述べることはできなかった。
認識災害クラス: アルファ
ベータ-クラス認識災害は、曝露した人物の一部または全員に対し、感覚・信念・経験を適度に麻痺させる効果を誘発する。
被写体: 一時停止標識
効果: 全ての閲覧者に一時的な麻痺(約10分間)が観察された。
被写体: ブラウン管テレビ(オフ)
効果: 視覚・聴覚的な幻覚が報告された。被験者は自分たちがテレビ番組の一エピソードを見たと信じていた。
注記: 番組の詳細は、閲覧者の間で様々に分かれた(ある男性被験者は奇妙なルームメイトのコンビが登場するシチュエーション・コメディを見たと信じ、別の女性被験者はミシガン州デトロイトの警察官が登場する事件解決物のドラマを見たと信じていた)。いずれの場合も、視聴内容は特定の既知のテレビ番組と一致せず、むしろ複数の番組からの雑多な要素を含んでいた。数名の閲覧者は他の番組よりも面白かったと述べた。
被写体: 無表情のD-2626-14
効果: 本名を含むD-2626-14の詳細について何も知らないにも拘らず、閲覧者は彼を非常によく知っていると信じ込んだ。自分の写真を見たD-2626-14は、彼自身とその知覚できる欠点に対して非常に批判的になり、重い鬱病の症状を呈した。
注記: 以前からD-2626-14を知っていたと感じるにも拘らず、被験者たちは彼に対する好悪の意見を表明しなかった。
被写体: 歩行者がいる通り
効果: 被験者の25%は、激しい不安の発作を経験した。55%は、実験室の周囲を歩き回る必要性を特色とする長期的な落ち着きのなさを経験した。30%は、写っている人物の1名以上をよく知っていると信じ込んだ。
ガンマ-クラス認識災害は、曝露した人物の一部または全員に対し、感覚・信念・経験を激しく麻痺させる、あるいは苦痛を感じさせる効果を誘発する。
被写体: 威嚇的な表情のD-2626-08
効果: 閲覧者は激しい興奮状態に入って身体的に敵意を示し、D-2626-08の居場所を教えるように要求した。別室で自分の写真を見たD-2626-08は、やり場のない敵意を激しく示した。
被写体: ブックマッチ
効果: 煙草を吸う被験者は、喫煙への強い意欲を表明した。煙草を吸わない被験者は、絶え間なく叫びながら地面に倒れて転げ回り、間もなく急性ショック症状を起こした。
被写体: デジタル時計
効果: 閲覧者は1名を除き、緊張病性を呈して刺激に反応しなくなった。反応を返した被験者は、約1時間に亘ってヒステリックに泣いた後、椅子に拘束されて10年間身動きがとれなかったと主張した。経過した正確な時間を彼女が知る事が出来た理由は、”時計が1秒1秒刻むのを見る事しかできなかったから”というものであった。
注記: ”写真の時計は午前10時に設定されていた。だが、関連性を確認するために更なる実験を実施するのは、不必要に残酷というものだろう。” – ローチ博士
被写体: 鶏の手羽先が乗った皿
効果: 最初の被験者は、単純に空腹を報告した。菜食主義者である2番目の被験者は、自身の手の肉に噛みつき、引き剥がして食べ始めた。
デルタ-クラス認識災害は、曝露した人物の一部または全員に、死を引き起こす。
被写体: 海に沈む太陽
効果: 閲覧者の25%が脳卒中で死亡。20%は不可逆性の昏睡状態に陥り、15%は”平和で落ち着く”感覚を経験した。残る40%は溺れているかのように呼吸困難になったが、医療スタッフによる挿管後に回復した。
被写体: 人間の頭蓋骨
効果: 約15秒後に脳動脈瘤による死が観察された。
注記: ”人間の頭蓋骨は一般的には死のイメージだが、例外は存在するものだ。更なる研究が望ましい…余分なDクラスがいれば、の話だが。” – ローチ博士
被写体: メキシコの”死者の日”に関連する、砂糖菓子の頭蓋骨。
効果: 閲覧者は1名を除き、約15秒後に心停止によって死亡。例外となった女性被験者は負の影響を受けておらず、単に”ご先祖様への感謝の念でいっぱい”だと述べた。
注記: 影響を受けなかった被験者はメキシコ系であった。
被写体: 崩壊が進んだ状態の廃屋
効果: 全閲覧者の、身体の様々な部位に癌の塊が発生。さらにD-2626-19はD-2626-34に体当たりして押さえ付け、D-2626-34は撃退しようと[データ削除]、保安職員によって終了させられた。
イプシロン-クラス認識災害は、曝露した人物の一部または全員に、異常能力を付与する。
詳細は補遺Bを参照のこと。
補遺B: インシデント2626-03
2006年9月14日(木)、研究スタッフは遠隔シャッターを使用して鏡に映るSCP-2626を撮影した。撮影の際、大音量のクリック音がカメラのべローズ内にある異常装置から発せられた。スタッフは当初、何らかの形で装置を損傷したのではないかと不安視したが、その後の実験で装置が悪影響を受けてはいないと実証された。
結果としての写真は、予想通りSCP-2626を写したものではなかった。Dクラス被験者は写真を、張り布の裂けた肘掛椅子に座るボロボロの服を着た高齢女性が、直接カメラを指差し叫ぶように口を大きく開けているものと描写。老女の膝には、SCP-2626と物理的に同型と思われるカメラが乗っていた。
この実験で生成された写真を見たDクラス職員は、イプシロン-クラス認識災害に曝露。写真を見た約1時間後、被験者は声の抑揚や顔の表情で認識災害効果を誘発する能力を獲得した。██名の財団職員が死亡し、その後の闘争で更に██名が負傷、あるいは心理的ダメージを負った。2名のDクラス被験者、D-2626-44とD-2626-21は財団の勾留下から脱走に成功し、未だ逃亡中である。
ページリビジョン: 6, 最終更新: 29 Aug 2021 16:44