SCP-263-JP
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アイテム番号: SCP-263-JP

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: SCP-263-JPの存在する██神社は現在財団の管理下に置かれ、封鎖されています。常時警備員一名が監視し、侵入者が発見された場合はカバーストーリー"環境保護区"を理由に即座に立ち退きを勧告してください。従わない場合は確保し、クラスC記憶処理を施した上で解放します。

説明: SCP-263-JPは██県██市にある██神社(19██年に廃社となっている)の境内内に植えられているアカマツ(学名:Pinus densiflora)です。通常のアカマツと比較して遺伝子的な違いなどはなく、なぜSCP-263-JPが異常性を持つのかは不明です。SCP-263-JPの高さはおよそ20m、胸高直径はおよそ0.7mです。かつては神木として扱われており、現在でもSCP-263-JPの幹にはしめ縄が巻かれています。██神社の活動や廃社となった経緯には異常性が無いことから██神社が廃社となった以降にSCP-263-JPの異常性が発現したと考えられます。手入れされない状況でも、SCP-263-JPが枯れたり害虫が付くことなどはありません。

SCP-263-JPに人間が触れると異常性が発露します。SCP-263-JPに接触した者は、その性別や年齢、国籍などに関係なく必ず年齢不詳の男性の声を聞きます。この声は接触者以外からは聞こえず、録音機器などによる観測もされません。その内容は「小さくてかわいい」と接触者を褒めそやす物であり、接触者の母語を用いて発話されます。この声を聞いた人間をSCP-263-JP-1として指定します。

SCP-263-JPから離れたあと、SCP-263-JP-1は幻覚を訴えます。その内容はSCP-263-JP-1が認識可能な文章を視認すると、その一部もSCP-263-JP-1を「小さい」「かわいい」などと言った言葉で評したり、あるいはSCP-263-JP-1に対して好意を示す内容に置き換わるというものです。また、同内容の幻聴を頻繁に聴くという症状も報告されています。この時の声はSCP-263-JP接触時に聞いたものと同じです。この影響は記憶処理を行っても失われることはありません。SCP-263-JP-1は初めはこの症状に対して恐怖感や嫌悪感を覚えますが次第にその言葉を好意的に受け止めるようになります。この段階に至るまでの期間は個人差がありますが、およそ1~2週間ほどでSCP-263-JPに対して愛情と依存心を抱くようになります。

SCP-263-JP-1はこの段階に至ると、自らの体を小さくしたいという強い欲求を抱き、多くの場合それを実行に移します。この際に用いられる手段は非現実的かつ自傷的なものであり、SCP-263-JP-1の多くは死に至ります。SCP-263-JP-1の痛覚などは正常に作動しているにもかかわらず、苦痛を理由にその動作を中断することはありません。SCP-263-JP-1がとった手段の例は以下の通りです。

  • 自分の足をのこぎりで切り落とす。検死の結果SCP-263-JP-1は出血多量で死亡したと判明。
  • 車を自らの上に落下させ圧死。自分を圧縮しようとしたと推測される。このためにブレーキに細工を施すなど計画性が見受けられる。
  • 線路へと飛び込み自殺。
  • 全身の骨を折り死亡。直接の死因は頸椎の骨折だと思われる。SCP-263-JP-1の死体の一部は20cm×20cm×20cmのプラスチックケースに入れられており、全身をおさめようとしていたものと推測される。

その他異なる行動をとるSCP-263-JP-1が報告されています。

20██/██/██ ██大学に通う大学生四人が立て続けに不可解な自殺をした事件が財団の目に止まりました。その後の調査により、その四人が██神社を訪れていたことが判明し、SCP-263-JPの存在が判明しました。周辺人物への聞き取り調査から、██神社から帰還後、四人の仲が以前と比べて険悪になっていたことが判明しています。

補遺: Dクラス職員をSCP-263-JPに暴露させ実験を行いました。対象は暴露から二週間後に自らの肉を噛みちぎるという行動を起こしたため、即座に拘束し治療しました。その後聞き取り調査を行ったところ、幻覚の内容が変化していることが判明しました。その内容は以下の通りです。

ちょっと重いな。君はもういいや。

この文書を視認した被験者はこれ以降幻覚や幻聴といった症状が消えたことを報告しました。被験者は喪失感を訴え、カウンセリングを複数回にわたり行いましたが心理状態が回復することはありませんでした。被験者は視認から数日後に舌を噛み切り自殺を試みました。

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