SCP-264-FR
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SCP-264-FR実例(プロトコル・ピューヴルを通して収容、撮影されたもの)。

アイテム番号: SCP-264-FR

脅威レベル:

オブジェクトクラス: Keter

特別収容プロトコル: あらゆる形態のソーシャルネットワークまたはインスタントメッセージ上において、同一投稿中で「クジラ」(および「鯨類」とその亜種の、実在する全ての同義語)というキーワードが、「空」という語(および実在する全ての同義語)に関連付けられているものは、機動部隊Delta-0("メン・イン・ブラック")の自動警報システムに基づき記録する必要があります。明らかにSCP-264-FRが関わる事案は、即座に三角測量を行いその位置を特定します。あらゆるSCP-264-FRへの曝露原因(写真、投稿、etc)は可及的速やかに検閲を行います。いかなる手段(直接の視覚的接触、写真、投稿、口伝え、etc)によってであれ、SCP-264-FRに曝露した民間人はその全員を隔離し、Aクラス記憶処理薬を彼らに対して投与します。EKクラスシナリオ1の可能性がある場合、更なる民間人へのSCP-264-FRの曝露を制限すべく、現地で招集した介入部隊の裁量により、その他のあらゆる手段が適用されることがあります。

明らかにSCP-264-FRが関わる事案の中でも、SCP-264-FRがインシデントの現場に未だ留まっていると思われるものは、総じてクリアランス"ピューヴル大ダコ"を保有するレベル4職員への即座の連絡の対象となります。その後、当該職員は適切な措置を取り、機動部隊通称"FIM"を出動させ、プロトコル・ピューヴルの実施を開始するものとします。

内部通達(10/08/10): プロトコル・ピューヴルおよび関連クリアランスによっては、民間人の間から即席の機動部隊通称"FIM"を「募集する」ことが可能な特別措置の利用が認められます。この措置によって「募集された」被験者らは、彼らが準じることになる特定の任務(概して異常物品の回収、操作、移動および収容)のための、精神影響型の指令を受けます。「募集された」被験者らは、それら特定の任務が達成されると、この措置に則り、それについての記憶を保持しない状態で解放されます。要注意団体「ネモ・アンド・ノーチラス」は多くの場合、事情に通じた上でSCP財団の為に働いている人物には取り扱い不可能であるか、もしくはそれが推奨されない異常物品を構想しているため、プロトコル・ピューヴルは、この要注意団体が作成したオブジェクトの収容に殆ど限定される形で展開されています。

プロトコル・ピューヴルは、「募集された」被験者らに強力な強制力を植え付け、使用後には概して彼らの脳に後遺症を残すミーム的措置を基盤としています。補足情報の全体はクリアランス"ピューヴル"を保有するレベル4職員のみアクセス可能です。

説明: SCP-264-FRは非異常性の金属で構成された、機械仕掛けの一羽の鳥です。高さ十センチメートル、重量はおよそ150グラムであり、また固有の異常特性として、三次元的投影の震央として機能する能力を有します。
プロトコル・ピューヴルを通じて回収された実例のうち一体の分解および分析により、複雑な時計仕掛けの存在が明らかになっています。これにより羽ばたきと方向転換を行うことが可能となっていますが、三次元的投影の機材の用をなすものではなく、またエネルギー供給を可能にする視認可能な動力源も一切有していません。機構自体は異常性を持たないものの、このオブジェクトが何らかの損傷や分解を被ると、被った損傷の規模に比例した期間内に、自動的に修復が為されます(例として、完全に分解された場合は、24時間かけての自己修復が行われます)。

SCP-264-FRは、財団を害することをただ一つ自明の目的とする要注意団体「ネモ・アンド・ノーチラス」の製造した異常物品として、慣用的な収容手段を通じて収容されることのないように、その作者らによって構想されたものです。このオブジェクトに「財団の従業員」と見做された全ての個人(実際には、事情に通じた上で財団の利益になる行動をしている全ての人間)は、いかなる手段(視覚的、聴覚的、触覚的、etc)を以てしてもSCP-264-FRを知覚することが不可能です。ただし例外として、このオブジェクトに「財団の従業員」と見做されなかった民間人の行った記録を目にする場合には、その限りではありません。この性質は、オブジェクトが生成する全ての三次元的投影にも及んでいます。

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SCP-264-FRが放出した投影、2016/05/21に民間人が撮影を行ったもの。

SCP-264-FRは視覚的な情報災害および認識災害の震央として機能します。これは三次元空間の大気中に、複雑な動作を行う投影の形で出現し、一般的には様々な種のクジラの外観を取るものです(ネズミイルカやシャチ、イッカクなども確認されています)。この投影は、問題の動物種の遊泳動作を模倣しながら空中を動き回り、およそ二時間後に消滅します。

おしなべて民間人(当オブジェクトに「財団の従業員」と見做されなかった者)は、直接・間接を問わずSCP-264-FRを観察するか、他者や文書や記録された言葉によって2分以上SCP-264-FRの説明を受けると、激しい頭痛や閃光感の発生、呼吸困難と動悸のような感覚の発現に襲われることとなります。これらの症状は10分後には完全に治まるものの、その後被験者は、実際には「海洋生物アノマリーの専門家であり、SCP財団で働いているP. アロナックス研究員」であるという全き確信を抱くことになります。
この時、影響を受けた被験者は皆、「記憶を取り戻した」ものと考え、自身の本当の身元は「記憶処理」により一切が偽造されたものと判断します。この確信には、ジェンダーや元々の性別によらず、全ての被験者に対し、39歳で茶色い短髪の、白人の人間男性であるという印象を与える執拗な錯覚(自身の肉体についての直接ないし間接的な幻覚を伴うもの)が付随します。
SCP-264-FRの影響を受けた民間人は総じて、各々を「P. アロナックス研究員」であると信じるようになり、その結果として、互いに他の被影響者が詐称をしていると考え、被験者の間で乱闘が勃発するような事態になります。

さらに、影響を受けた被験者の10%近くは、不明な手段によって即座に、SCP-264-FR出現地点の最も近傍に位置する財団サイトの場所を知るに至り、その全員が自分の身に起こったことを説明するため、至急「彼らのサイト」に帰らねばならないと信じるようになります。この知識はまた、問題のサイトに存在している複数の従業員の氏名や、その場所の地形、および実施されている保安措置にまで及ぶものです。

SCP-264-FRによる影響の総体は、Aクラス記憶処理によって無効化することが可能です。その実際の適用に関して更なる情報を必要とする場合は、資料264-FR-AA-medを参照して下さい。

2010/08/06の最初の出現から現在まで、SCP-264-FRはその立案者らによって14回使用されており、無作為に決まると思しきフランス主要都市の中心部の上空に、不定期的な間隔を置いて出現しています。プロトコル・ピューヴルによって、12体の実例の無力化および収容が為されています。どれだけの数の当オブジェクトの実例が、未だ要注意団体「ネモ・アンド・ノーチラス」の所有下にあるのか、またこの団体が新たにそれを製造する手段を有しているか否かについては、現在のところ不明です。

補遺1 - インタビュー記録 (被影響者)

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SCP-264-FRの推定的プロトタイプ。

補遺2 - 16/04/19付探査記録より抜粋

16/04/19、機動部隊Lambda-4("鳥類学者")が、アマチュアの都市探索らのウェブサイト(2010年1月に撮影され、2016年になって投稿された複数枚の写真。様々な形状をした金属製の鳥型実体を明瞭に示している)を通して財団の注意を引いた、████████(フランス)にある旧工業地帯を探索していた所、要注意団体「ネモ・アンド・ノーチラス」のメンバー一人または複数の所有であった可能性が極めて高い、15メートル平方の打ち捨てられた地下作業場が発見されました。複数の工具のほかに、元々は非異常性でありながら異常性を帯びた物品が数点、クジラのデッサン、SCP-264-FRの推定的プロトタイプ、および破り取られた肉筆の覚え書き(「作り直させること : 鴎が最も相応しいと思われる」との内容)が現場で押収されました。
以後この場所は監視が行われているにも拘らず、現在まで一件の通報も行われていません。

現場で押収されたSCP-264-FRの推定的プロトタイプは可動部を有しておらず、また自己修復機能を除き、SCP-264-FRの持つ異常効果を一切示していません(この修復期間はしかし、SCP-264-FRのそれを大幅に超過しており、完全に分解された際の修復は120時間にも及びました)。当該オブジェクトはAnomalousオブジェクトn°2016-811に分類され、現在サイトKybianに保管されています。

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SCP-264-FRが放出した投影、2017/09/13にルーアン大聖堂の上空にて民間人が撮影したもの。

補遺3 - 2017/09/13のインシデント

2017/09/13、ルーアン(フランス)にて、SCP-264-FRによる三次元的投影の一実例が、普段と異なるクジラの骨格の外形でルーアン大聖堂上空に出現し、1200人以上の観光客および市民の目に留まりました。このインシデントは機動部隊Delta-0("メン・イン・ブラック")およびプロトコル・ピューヴルの展開により、滞りなく抑制、囲繞が為されました。プロトコル・ピューヴルを介して回収および収容が為されたSCP-264-FR実例は、以前に回収された別の実例とは何ら異なる点がないように見受けられました。しかしながら、特筆すべきこととして、影響を受け自らを「P. アロナックス研究員」だと信じるに至った民間人は、通常時よりも遥かに高い攻撃性を示しました。彼らの内の50分の1は、サイト████(インシデント地点から約2キロメートル離れた建造物内に存在していた、移動不可能な一件のSafeクラスSCPの周囲に建造された重要度の低いサイト)に到達し、「お前たちがやったことを知っている」「お前たちは俺の研究を盗んだ」と頻りに叫びながら、警備員に対して様々な脅迫を並べつつ不法侵入を試みました。影響を受けた民間人は、それ以上の問題もなく拘留され、記憶処理を施されました。

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