SCP-2645
評価: +9+x

アイテム番号: SCP-2645

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-2645は標準Euclidオブジェクト封じ込めチャンバーに収容されます。事件2645-2以降、チャンバーの照明はバックアップ発電機に接続されています。他の変更点としては、封じ込めを損なわずに自然光を取り込むための採光システムや、予期せぬ活動を検出するための動体センサーの設置などが含まれます。

説明: SCP-2645は1枚の全身鏡で、そのフレームは鳥、花、スイレンの葉などを象った塗装された木製彫刻で飾られています。SCP-2645の表面に接触したあらゆる物体は、ガラスではなく未知の場所から投影されたそれ自体の正確な複製と接触します。例えば、SCP-2645の表面に触れることを試みた人物は、自分の手の正確な複製物の感触を感じることになります。このためSCP-2645の表面の素材について何らかの結論を得ることは不可能だと判明しました。

気体物質はSCP-2645の表面を透過することが可能です。この際、SCP-2645は正確な反射が維持されるような形で、透過した物質と同量の物質を生成して放出します。

ここから、SCP-2645は鏡の性質を模倣した何らかの異次元空間への窓または開口部だと仮定されています。気体がSCP-2645を透過できることは、少なくともこの模倣が原子レベルでは完全に正確ではないことの証明となっています。光、音、熱などの物理的実体を持たない現象に対して、SCP-2645の作用に関するさらなる実験を行うことが計画されています。

補遺: 事件2645-1と関連する実験記録

実験2645-4C:

SCP-2645の正面に熱電対が配置されました。被験者D-5461はプロパンを燃料とする火炎放射器を与えられ、SCP-2645から1メートルの地点に立った状態で鏡の中心に炎を放射するよう指示されました。消火器を携えた警備員が壁際に待機し、実験の間は鏡を避けるよう指示されていました。コックス博士はカメラ経由で観察を行っていました。

火炎放射はSCP-2645を透過することができ、別の火炎放射がその表面から放出されました。放出された炎は鏡に映るものと同一であるように見えましたが、その温度は予想よりも遥かに低いものでした。D-5461の服に炎が燃え移った時点で彼女は警備員に駆け寄りましたが、彼女の火傷の大部分はそれほど重いものではありませんでした。

映像の分析から、熱電対の複製は予測された温度に達していましたが、この温度は実際の熱電対とは一致していなかったことが判明しました。

事件記録2645-1

████年10月25日、SCP-2645はチャンバーA12に移動されることになっていました。しかし作業中、職員は鏡の中のチャンバーの東側の壁に、黒焦げの死体があることを発見しました。死体の位置と状態から、実験2645-4Cとの関連が推定されました。

SCP-2645は当初の位置に戻され、コックス博士はこの発見を通知されました。コックス博士はD-5461を用いた実験の継続を許可されました。注目すべきことに、D-5461の姿はSCP-2645に映りませんでした。

D-5461はSCP-2645に触れるよう指示されましたが、彼女の手は障害物に触れることなくその表面を通り抜けました。命令を無視し、D-5461はSCP-2645の中に入り込みました。この時点で警備員はD-5461を終了するよう命令されましたが、SCP-2645に発射された弾丸はその複製に阻まれました。

コックス博士はSCP-2645内部でも同様の事象が発生するという仮定の下で、SCP-2645封じ込めチャンバーの封鎖を始めました。しかしD-5461は作業の完了前にコックス博士の複製の下に辿り着き、彼を床に押し倒しました。これは実際のコックス博士に目に見える影響を及ぼしませんでした。

この時、ウィリアムス警備員の複製は発砲を止め、この時点でチャンバーから脱出しかけていたD-5461に彼女のライフルを向けました。結果としてウィリアムス警備員の弾丸はSCP-2645を透過するようになり、チャンバーの壁と扉に命中しました。ジェンクス警備員の複製は右肩に弾丸を受け、彼がよろめいてライフルを取り落としたことでさらなる弾丸がSCP-2645を透過するようになりました。この時点で警備員は発砲中止を命じられました。

ウィリアムス警備員の複製は不自然な速さで元の位置に戻りました。コックス博士とジェンクス警備員の複製も同様の行動を取りました。双方の複製は実物を非常によく模倣していましたが、前者は髪が乱れた状態で、後者は腕を庇っていました。コックス博士の立ち位置は僅かにずれており、両者の表情も実物と完全には一致していませんでした。

直後、SCP-2645の表面は鉄のような性質と外見に変化しました。この状態が10分ほど続いた後、SCP-2645は当初の状態に戻りました。目に見える事件の痕跡は見られませんでしたが、ジェンクス警備員の複製は彼と同一ではなく、似た体格と顔立ちを持つ未知の人物に入れ替わっていました。

4週間後、SCP-2645の振る舞いは不一致の全く存在しない通常のものに戻りました。

補遺: 事件2645-2

SCP-███の封じ込め違反により、サイト-███で停電が発生しました。これによりSCP-2645チャンバー内の照明は3時間に渡って消えた状態にありました。電源復旧後、D-5461の焼死体がチャンバーの東側の壁で発見されました。SCP-2645内には未だ死体の複製が存在し、実際の死体と同一の位置と外見を有していました。職員は肉の焼ける強い臭いを報告しました。

事件の状況のため、監視カメラ映像は利用できませんでした。音声記録にはおよそ3分間の囁き声に続く長い叫び声が記録されていました。

この事件の後、SCP-2645の封じ込め手順は現在のものに更新されました。

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