SCP-266-JP
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SCP-266-JPの民家のひとつ。保存状態は極めて良い。

アイテム番号: SCP-266-JP

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-266-JPはサイト-109によって管理されています。発見時の異常な点を除いて、SCP-266-JPで継続して発生する異常性は確認されておらず、現在はSCP-266-JPの保全および起源の調査に焦点が置かれています。SCP-266-JPを構成する家屋や施設の詳細な情報はサイト-109に問い合わせてください。

説明: SCP-266-JPはアメリカ合衆国███████州の[編集済]に位置する町で、地図上では「████」として記載されており、同州からも19██年から公式的に住宅地として定められています。面積は約██平方kmで、中央の道路を中心に██棟の現代的な民家が密集しています。しかしSCP-266-JPに住民はおらず、入居したという記録は一切ありません。またSCP-266-JPの出身者も確認されていません。

SCP-266-JP内ではガス・水道・電気等が過不足無く供給されており、各会社はSCP-266-JPにガス・水道・電気を通すことに対して一切疑問を抱いていませんでした。各民家の建築会社への確認も取れていますが、同様にSCP-266-JP内での建築に対して疑問を抱かなかったと供述しています。これらの会社に対する報酬は正当な手続きによって支払われていたことが確認されていますが、支払い主は不明です。

また、SCP-266-JPには小学校、病院、教会、スーパー、ドラッグストア、複数のファストフード店等の施設を含みますが、これらの施設に従業員が勤務した記録は無く、経営的には破綻しているにも関わらず商品の納入および消費が継続的に行われ、設備はオブジェクト発見時まで稼働を続けていた痕跡が見られます。SCP-266-JP外の関係者はこれらの事実を認知しておらず、財団のインタビューによって初めて発覚しました。

SCP-266-JPは2015/3/2、該当区域の住宅すべてが電気料金の支払いを滞納していることに気付いた電力会社の社員によって発見されました。同社員によるSNSの投稿を通じて財団の監視網が捕捉し、カバーストーリー「釣り」の適用および関係者へのインタビューと記憶処理が行われました。

補遺1: インタビュー記録266-JP抜粋

対象: ビリー・オールダム(55歳・[編集済]社勤務)

インタビュアー: エージェント・ロング

付記: インタビュー対象の勤務する[編集済]社はSCP-266-JP内の住宅のうち40%の建設に携わっており、同氏はその設計を担当していました。

<録音開始, [2015/3/15]>

エージェント・ロング: では、住宅内にあった家具については不明だと?

対象者: (資料に添付された写真を見ながら)ウチは設計と建設で家具は専門外だし、テレビやキッチンなんて言われてもな。そもそもこのソファ、イケアじゃないか。

エージェント・ロング: この近くにイケアはありませんよね?

対象者: 通販しかないな、誰が注文したんだか……頭がおかしくなりそうだ。あの町は──

エージェント・ロング: 貴方は設計者として現地に何度も足を運んでいる、そうですね?

対象者: ああ。当時はまだリーマンショックが来る前だったから、ウチはとにかくガンガン建ててしまおうって方針で──いや、関係ない話だな。あそこには何度も行っている、車でそう時間もかからなかったしな。

エージェント・ロング: 住民と会った記憶は?

対象者: ……無い。そういうものかとも当時は考えた──考えたと信じたいんだが、今思えば誰かの姿を見た覚えもない。随分と静かだった、はずだ。

エージェント・ロング: はず、とは?

対象者: ……わからない。私はあの町での出来事がわからないんだ。私は、(沈黙)

エージェント・ロング: ミスター?

対象者: ドラッグストアで包帯を買ったんだ。部下が怪我をして、それで……誰もいないレジで、私は1ドル札を出して、お釣りを財布に入れたんだ。

対象者: 私達は昼時になるとマクドナルドに行ったんだ……何度もだ。店員がいないのに、私はチーズバーガーとコーラを毎日のように注文して……あのチーズバーガーはどこから出てきたんだ?

<録音終了>

終了報告書: 各インタビュー記録や発見された痕跡から、SCP-266-JPの異常性は反ミーム、または過去改変によって町の住人の記録・情報が消失したという仮説が有力です。しかし原因は未だ不明であり、新たな発見や調査の発展が無い限りは、オブジェクトクラスはEuclidのまま保留とします。 ──ランド博士

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SCP-266-JP内に存在するカトリック教会。神父が赴任した記録は無い。

補遺2: SCP-266-JP内で発見された中で、特に注目すべきとされる物品の抜粋リスト
各種家具(机・椅子・ソファ・キッチン・テレビ等) 住宅全てに共通。一般的なもので異常性は無い。SCP-266-JPの発見時まで使用されていた形跡がある。
子供用の玩具 所有者不明。一部は子供が噛んだ跡も見られるが、一致する歯形は確認されていない。
新聞 2015/2/26までのもの。それ以降の日付は確認されていない。
写真 人間が撮影された写真はSCP-266-JP外で撮影されたもののみで、それ以外はSCP-266-JPの風景や民家の内装を写している。撮影者は不明。
デジタルカメラ 2015/2/26以降に撮影されたデータは発見されていない。また、人物を撮影したデータは無く、動画も存在しない。
カセットテープ 民家から発見された。内容は無音だが、何度も再生された痕跡がある。
人間以外の動物 イエネコ(Felis silvestris catus)やイエイヌ(Canis lupus familiaris)を始めとしたペットとして一般的なもので、異常性は無い。飼育されていた形跡があり栄養状態は良いが、数日間の栄養失調状態にあった。
カイコガ(Bombyx mori)の幼虫の死骸 小学校で███個発見された。由来は不明。
手帳 民家から計██冊ほど発見されたが、そのほぼ全てのページが破損していた。野生動物に噛み千切られたような跡があるが、発見場所から何らかの野生動物の痕跡は発見されていない。
州版の列車時刻表 各民家につき最低3冊は存在していた。一般に販売されているもので異常性は無い。最も近い駅はSCP-266-JPから10km以上離れている。
スプレーによる落書き 幾つかの民家の壁に描かれていた。発見した職員による私見では「芋虫かミミズ、もしくは歪んだ線路のように見える」とのこと。文字のようなものも発見されているが、判別できず。
クレヨンで描かれたイラスト 複数の民家から発見。蒸気機関車をデフォルメしたように見える怪物が描かれている。描かれた画用紙からは[削除済]
油絵 作者不明。教会から発見された。笑顔の人々を客車に乗せた蒸気機関車が描かれているが、全体的な色彩は非常に暗い。特に客車の内装は赤黒く塗られており、この箇所に使用された絵の具から未知の生物の血液が検出されている。
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