SCP-2661-JP
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アイテム番号: SCP-2661-JP

オブジェクトクラス: Euclid Safe

特別収容プロトコル: 回収された全てのSCP-2661-JPはサイト-8148の低危険物収容ロッカーにて収容されます。実験の過程などで発生した全てのSCP-2661-JP-1実例は、プロトコル"ジェニタルライツ"に基づき、対象との関係性を考慮し標準財団忠誠度テストおよび財団業務適合学術試験を実施させます。試験成績/忠誠度テストの点数が平均75点以上を獲得した場合のみ、必要に応じたセキュリティクリアランスレベルを付与して雇用し、SCP-2661-JP-1を有するDクラス職員はEクラス/セキュリティクリアランスレベル0の職員として再雇用されます。上記テストに合格しなかったSCP-2661-JP-1実例については引き続きSCPオブジェクトとして管理下に置かれます。財団への反抗的態度が見られるなどの財団の運営上障害となり得る事由が確認された場合のみ、財団倫理委員3名の事前同意を得た上で終了処理を実行してください。

プロトコル"ジェニタルライツ": 財団に雇用されたSCP-2661-JP-1の取り扱いは、プロトコル"ジェニタルライツ"に基づき以下の規則が設けられています。以下の規則に反する職員が確認された場合は即時のハラスメント事案として対処されます。

  1. SCP-2661-JP-1の雇用の可否判断は客観的な職務遂行能力の評価で判断され、SCP-2661-JP-1という理由による可否判断は禁じられる。
  2. 財団が許可する区域内に限り、SCP-2661-JP-1を露出する必要がある場合は如何なる状況であっても露出が許可される。
  3. 不用意なSCP-2661-JP-1への接触は、SCP-2661-JP-1所有者であっても禁じられる。

SCP-2661-JPを用いた実験は2013年のインシデント以降全て凍結されています。

説明: SCP-2661-JPはGoI-1844("AKI玩具")によって開発・販売されていると目されているアダルトグッズです。SCP-2661-JPは男性用・女性用の2種類があり、それぞれ女性器・男性器を模した形状もしくは構造を有しています。SCP-2661-JPは至って簡素かつ一般的なアダルトグッズに使用されるシリコン素材と同形質を有していますが、性器と直接接触する部分にのみ一部未知の軟質素材が使用されています。SCP-2661-JPの特筆すべき主な異常性は、SCP-2661-JPを使用した人物(以下、"対象"と呼称)に対しSCP-2661-JP-1を発生させる点にあります。

SCP-2661-JP-1は、SCP-2661-JPを使用した対象の局部1に発生する知能存在です。SCP-2661-JP-1の発生はSCP-2661-JPによって対象が性的絶頂に達した瞬間から開始し、およそ3時間程度で未知の方法を用いて対象および周囲の人物に対して発話する能力を獲得します。SCP-2661-JP-1はこれまでの検証によって、男性器であれば性自認は男性に、女性器であれば性自認は女性になる傾向を示し、性格や知能についてはSCP-2661-JP-1ごとに個体差が存在します。SCP-2661-JP-1は往々にして対象との関係は良好であり、対象の心理状況によっては叱責や激励などを行うことがあります。

SCP-2661-JP-1の声紋は対象の声紋と同等かやや高音であり、眼に相当する部位がないにも関わらず周囲の景色を認識可能です。またSCP-2661-JP-1は(特に男性器に発生した場合は)ある程度対象の股間部で自由な動きが可能であるほか、対象との関係性や心理状況によっては勃起や性的快楽の程度を自発的に操作することも可能と考えられています。

対象およびSCP-2661-JP-1へのインタビューの結果、対象はSCP-2661-JP-1を自身の「息子」「娘」「兄弟姉妹」のような存在であると説明する傾向があり、SCP-2661-JP-1もまたそれに一致する認識を対象に示します。また対象によってはSCP-2661-JP-1に固有の名称を付ける場合もあり、SCP-2661-JP-1は名付けられることに関しては概ね感謝の意を示しています。

SCP-2661-JP-1は対象の性器を切除することで無力化が可能ですが、概ね対象およびSCP-2661-JP-1は無力化を強く拒絶します。SCP-2661-JP-1を一時的に無力化する際はモルヒネなどの麻酔剤を使用することで可能となります。

回収経緯記録: 最初に確認されたSCP-2661-JPは、2012年10月12日にサイト-8148に在籍していた篝根研究員の自宅から発見されました。当時非番であった篝根研究員が自宅でSCP-2661-JPを使用したところ、自身の陰茎がSCP-2661-JP-1へと変化したことでSCP-2661-JPの異常性が判明しましたが、篝根研究員はSCP-2661-JPによるこの一連の経緯を1ヶ月ほど秘匿していました。実際に財団がSCP-2661-JPを発見するに至ったのは篝根研究員に発生したSCP-2661-JP-1が周囲の財団職員に話しかけ続けたことを契機となっています。

SCP-2661-JPの取得経路については篝根研究員は長らく黙秘していましたが、SCP-2661-JP-1へのインタビューによってGoI-1844との個人的なやりとりの末に取得していたことが判明しました。篝根研究員には未発見アノマリーを個人的理由により保有していたこと、および要注意団体への許可の無い接触を行ったことに対する懲戒処分が下されました。なお、篝根研究員に発生したSCP-2661-JP-1実例はSCP-2661-JP-1-01に指定されました。

その後の調査により、GoI-1844の所在が疑われる長野県軽井沢町[編集済]の倉庫内から多数のSCP-2661-JPが発見されました。これらは全て財団により回収されましたが、一連の回収作業が完了した後、宛名不明の郵便封筒がサイト-8148のエントランスホールに出現しました。

財団の皆様へ

先日は、財団の方々に当社製品を受け取っていただき、誠にありがとうございます。
当社は宇宙最高の頂を目指す製品を開発することをモットーとしております。人類の理を遙かに超えた喜びを体感していただけるものをご提供するのが、我々の喜びです。

つきましては、財団での仕事は大変苦しく、つらいものであるとうかがっております。ですので、皆様には是非我が社の製品をどうかご活用いただき、少しでも業務に対する苦痛やストレスの解消となれば幸いに思います。
使用に際しては少しも心配することはございません。本当の快楽は常にあなたの身体が教えてくれます。

今後ともAKI製品をよろしくお願いいたします。

AKI玩具代表取締役
[未知の言語のものと思われる文字]

上記メッセージが封入されていた封筒の出現経路は不明です。




補遺-インシデント2661-JP.01: 2013年4月10日、財団倫理委員会匿名窓口に対して匿名による通報・告発5が行われたことを契機として、サイト-8148に対して適切にサイトが運営されているかの調査が実施されました。その結果、SCP-2661-JPの収容・実験担当責任者であった張博士が複数回にわたる倫理上問題のある判断と実験を繰り返していたことが判明しました。本報告書に公式に記録されている実験以外において、対象およびSCP-2661-JP-1に対する実験として有用ではない、張博士の個人的趣向に基づいた実験が繰り返し行われていた可能性が疑われます。また、張博士の実施した実験に参加したDクラス職員およびSCP-2661-JP-1実例に対するインタビューを含めた各種調査の結果、張博士から実験に際して自身の個人的趣向に基づいた指示を強制されていたことが判明しました。

上記一連の問題行動について張博士に財団倫理委員会が詰問を行ったところ、張博士は全ての嫌疑を否認しており、「全ての実験は適切な行動である」ことを一貫して主張していました。しかし、その後の篝根研究員およびSCP-2661-JP-1-01による告発により、初期のインタビューとそれ以降において、篝根研究員は張博士からSCP-2661-JP-1-01に関する件で多数のハラスメント的言動を繰り返されていたことが判明したこと、それに関して張博士が各種証拠を隠滅するような行動をとったことにより、張博士の問題行動が認められました。

これをもって張博士は財団人事部門の判断により、SCP-2661-JPの実験・収容担当責任者から解任の上、セキュリティクリアランスレベルの降格とサイトの異動が実施されました。職員およびSCP-2661-JP-1への不適切な対応に対する対処は現在、財団倫理委員会の回答待ちです。

補遺-報告2661-JP.02: 篝根研究員により、SCP-2661-JP-1-01の財団職員としての雇用の可否が提案されました。当初、財団人事部門はSCP-2661-JP-1-01の雇用には消極的であり、SCP-2661-JP-1-01の財団職員としての雇用は却下される見通しでした。しかし、SCP-2661-JP-1-01により策定されたSCP-████-JPの再収容計画が実施された際、篝根研究員の提案したものよりも効率的かつ有効にSCP-████-JPの完全な再収容が実施できたことから、SCP-2661-JP-1-01の能力が財団に有用なものであると認められました。

その後、SCP-2661-JP-1-01は財団人事部門の指示により標準財団忠誠度テストおよび財団業務適合学術試験が実施された際、平均75点以上の点数を獲得したことにより、2013年12月21日より正式に"エージェント・ぎん太"として雇用されることが決定しました。

補遺-報告2661-JP.03: 実験の過程で発生した、現在財団の管理下にあるSCP-2661-JP-1実例に対する標準財団忠誠度テストおよび財団業務適合学術試験が実施されました。テストは対象が認知できないようにした上でSCP-2661-JP-1実例のみに対して実施されました。その結果、全ての財団の管理下にあるSCP-2661-JP-1実例が当該試験に合格したことにより、SCP-2661-JP-1実例が財団に対して有用な存在であることが認められました。この結果を受け、全SCP-2661-JP-1実例に対しコードネームが与えられ、2014年1月6日以降、31個体のSCP-2661-JP-1実例が正式に財団職員として雇用されました。

20██年██月█日に財団人事部門により提言された、SCP-2661-JP-1の雇用に関する一連のプロトコル"ジェニタルライツ"が財団日本支部理事会の承認を得たことにより、雇用されたSCP-2661-JP-1実例に対するあらゆる実験も全て凍結されます。新たなSCP-2661-JP-1実例が発生した場合は、特別収容プロトコルおよび、プロトコル"ジェニタルライツ"に基づき財団人事部門による雇用の可否が判断されます。

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