SCP-267
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アイテム番号: SCP-267

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-267の巣の移動できない性質のため、生息する洞窟の周囲一帯をSite-37と指定してこれをもって収容とします。実体の餓死を防止するために生きた動物を供給する必要があり、家畜群がこの目的のためにSiteで維持されます。SCP-267実体と接触する職員は、第四等級耐毒装備1と護身用鎮静螺旋小銃及び電撃銃を携行する必要があります。

SCP-267の野生個体は、迅速に見つけ出し根絶されなければなりません。また、発見された人間の生存者を回復することは出来ませんが、SCP-267の生成する毒が持つと考えられる抗老化効果の研究のために回収隔離します。

説明: SCP-267は真社会性集団を形成して地下生活することに特化した無毛盲目の肉食齧歯類です。ただ1つの生息集落が現在█████████ █████████の███████████洞窟で維持されています。SCP-267実体は生物学的にはHeterocephalus glaberに酷似していますが、分類学的には同種ではないことが判明しています。

SCP-267集団の構成員は、自分たちの生活の大半を地下での活動に費やしています。彼らは完全に目を欠いており、聴覚及び触覚も委縮しています。また彼らは痛みあるいは自己保存の感覚を有していません。彼らは案内、狩猟、および通信に用いる化学的刺激や匂いを嗅ぎ分ける能力に非常に優れています。真社会性節足動物とは異なり、女王階級が存在しません。しかし階級部門として労働階級、兵士階級、繁殖階級、そして保育階級が集団内に存在しています。

SCP-267は鋭い爪と歯を持っていますが、最も主要な武器は体内で生成する強毒です。この毒はたったのμg単位から有効であり、攻撃的な麻痺性及び発癌性を持ちます。狩猟は兵士階級数十匹で行い、発見した獲物を無力化するために互いに協力します。彼らは同時にとびかかることで、ものの数秒で咬傷を数十負わせて獲物を無力化し、そしてそのまま巣へ帰還します。

入れ違いに巣からは、労働階級のSCP-267の群れが巣内部へ獲物を運搬するために出てきます。労働階級個体は慎重に外の匂いを排除し寄生虫の審査を行った後、獲物の運動能力を削ぐために一部を解体します。この時点で、直接毒に曝された組織は異常な細胞分裂を開始しています。24時間以内に組織の未分化塊が全ての咬傷位置に発生します。重要な臓器を脅かすことが無いように腫瘍は成長し、自然発生的には皮膚や脂肪組織を中心に現れます。これは得られる精力が豊富な脂質を高濃度で生産するというSCP-267にとって有意な利点を付加しています。腫瘍は"貯蔵食料(larder)"となった動物の死後数日間まで継続的に成長します。

これによって迅速な腫瘍を形成する獲物は、大きなエネルギーニーズを持ちます。労働階級個体は吐き戻しを行うことで貯蔵食料に養分を与えます。彼らは香りによって健康な組織と腫瘍を区別し、それらが一定の大きさに「熟成」した後で消費のために腫瘍を切除しているようです。労働階級個体は貯蔵食料を丁寧に舐め、清潔かつ健康に保つ傾向にあります。貯蔵食料は元となった動物に応じて12週間から██年間の間、集団へ食料を提供し続けることとなります。多くの月は一般的に、地上方向へのSCP-267の侵略行動に費やされます2

SCP-267の縄張り意識は非常に強く、巣への侵入者に対しては暴力的に対応します。十分な食料がある場合、彼らは非常に速やかな繁殖速度を持つため、一次捕食対象――特に███████████████████を絶滅に追いやる危険性があります。

補遺 267-1: 数千年前の人骨が、洞窟内に複数存在する廃棄区域で発見されています。前述の性質により巣内部の調査は非常に困難であり、これら残滓の完全な調査は不可能です。封じ込めが最初に確立してから19か月後、larder A-26と指定された――恐らく19██に家族旅行中に両親と共に行方不明となった当時█歳の█████████████であると推測される――人物が発見されました。横行する腫瘍の増殖とあるべき付属器官の欠如が同定を遅らせました。遺伝子検査の結果は、大規模な有害な変異が見られるもののおおよそヒトDNAと一致しています。対象(SCP-267-A26と再指定)への対話調査の試みにより、彼の言語野は長い拘束の過程で想定される程度委縮しているだけであることが判明しました。

補遺 267-2: SCP-267は、他の捕食対象哺乳類に比較して人間を捕食することへの顕著な好みを示しています。これは恐らく他の対象に比べた場合の人間の長い寿命と高速代謝によるものです。人間の被捕食者は同等規模のブタよりも33%多い腫瘍を提供し、彼らが自然に寿命が尽きるまで貯蔵食料として保持することが出来ます3。これにより、かつてのSCP-267生息地への人類の進出が避けられていたことへの法医学的な説明が付きます。

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