SCP-267-JP
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実験267-2c時のSCP-267-JP-1

アイテム番号: SCP-267-JP

オブジェクトクラス: Euclid Neutralized

特別収容プロトコル: SCP-267-JPは少なくとも縦6m、横6m、高さ8mの収容セル内に格納してください。収容室内には直径2cm程度の軟質ゴム製ボールを150〜182個収容し、SCP-267-JPの実体形成を促す事でSCP-267-JPの現在位置と状態を常に把握出来るようにしてください。
現在、SCP-267-JP領域の断続的な縮小が継続しています。SCP-267-JPの縮小、または将来に於ける消滅の可能性に対抗する方法は調査中です。

SCP-267-JPは無力化されました。現在、他のSCP-267-JP個体の存在の可能性に基づき調査を継続中です。

説明: 複数の観察と実験から、SCP-267-JPは知性と感覚能力を持った移動性の空間領域であることが判明しています。SCP-267-JPは収容時縦1.3m、横1.4m、高さ2.1mであった空間そのものです。当該オブジェクトに指定された空間領域は、知性を有し、固有の異常性質を発現させる事以外の物理的、力学的な異常を示しません。

SCP-267-JPは2km/hの速度で移動し、その空間領域内に何らかの物体を積極的に取り込もうとします。空間領域内に対象の物体を取り込む事に成功した場合、SCP-267-JPはその物体と形状、質量が82%以上近似である他の物体を更に空間領域内に取り込もうとします。
この移動時に、空間領域内の対象の物体はSCP-267-JPごと移動させられ、常にSCP-267-JP内部に存在し続けます。SCP-267-JPは十分な体積量を得られたと当オブジェクト自身が判断する時まで、対象の物体の集積を継続します。
物体の集積が完了し、同スケールの物体を十分に空間領域内に収集すると、SCP-267-JPは物体を集合させ、人型(SCP-267-JP-1と呼称)を形成します。この人型はSCP-267-JPの知性によって完全に制御され、SCP-267-JPの移動または変化に合わせて、その必要が無いにも関わらず歩行等の動物的な動作を行います。
SCP-267-JP-1の形成の結果生み出される形状は不定であり、腕部が4本あるもの、頭部が2つあるもの、前頭部に突起があるもの、二つの人型が背中合わせになっているようなもの等、通常の人類とは異なった形状を高頻度で形成します。

SCP-267-JPはSCP-267-JP-1を通じてコミュニケーションをとることが可能です。しかしSCP-267-JP-1を発声能力のある物体で構築した場合でも発話などは行えず、主に筆談と情動的な反応によって対話と表現を行います。
SCP-267-JP-1は常にSCP-267-JP内に存在し続けますが、物体の収集の過程もしくはSCP-267-JP-1構築完了後であっても、空間領域内の物体は容易に除去可能です。その場合収集中であった物体の塊もしくはSCP-267-JP-1は即座に崩壊し、以後SCP-267-JPは8時間SCP-267-JP-1再構築の意欲を失います。またSCP-267-JP-1構築が完遂された場合でも、18時間以内にSCP-267-JP-1は自然崩壊し、同様に8時間再構築の意欲を失います。

インタビュー記録267-1a

対象: SCP-267-JP 直径2cmの軟質ゴムボール161個でSCP-267-JP-1を形成させ筆談を行わせる。

インタビュアー: 小清水博士

<記録開始>

小清水博士: おはようSCP-267-JP。私の声が聞こえるか?

SCP-267-JP: キコエル

小清水博士: どうやって聞いている?

SCP-267-JP: キコエル カラ キコエル オカシイ?

小清水博士: いや、気にしないでくれ。本題の一つに入ろう。君は、いったいどういう存在なんだ?

SCP-267-JP: ワスレタ

小清水博士: 訊ね方を変えよう。君は、自分がどういう存在だと思う?

SCP-267-JP: ダカラ ワスレタ

小清水博士: どういうことだ?

SCP-267-JP-1の頭部が小刻みに震え始め、まるでうなだれているかのような形状へと変化。以後3分間筆談を中断させた。

小清水博士: 次の質問へ行こう。我々の仮説では、君のその姿は君の本体ではない。思うに、君は容易に我々の収容から脱する事が可能なはずだ。非実体空間や概念的存在の外部との断絶による収容技術は・・・まだ試験段階だ。だというのに、何故君は一度も脱走を試みてすらいないのかね?

SCP-267-JP: イミ ナイ

小清水博士: 逃げ切れないということか?

SCP-267-JP: ソウ カモシレナイ

小清水博士: かもしれない、とは?

SCP-267-JP: シニタク ナイ

これ以降SCP-267-JPは20分間小清水博士の質問に答えず、うなだれたままだった。

<記録終了>

終了報告書: 有用な情報はほぼ得られなかったが、SCP-267-JPが全ての筆記をカタカナで行った点は興味深い。SCP-267-JPはカタカナが公的な言語表記であった時代または文化または集団に起源が存在する可能性がある。

神山博士による評価: インタビュー終了後SCP-267-JPは17時間に渡ってSCP-267-JP-1構築の意欲を失いました。インタビューはSCP-267-JPの知性に損害を与え、性質の変容を促す恐れがあります。以降のインタビューは、計画性を重視した上でSCP-267-JPへのメンタルケアを考慮する事が可能な人材と手順によって実行することを進言します。

補遺1: 20██年██月██日のSCP-267-JP-1形成実験の際、SCP-267-JP空間領域がおよそ8%縮小していることが明らかとなりました。原因究明のためただちに調査が実行されましたが、あらゆる科学的な観測または仮説に基づく実験は、SCP-267-JP縮小の原因を明らかには出来ませんでした。この結果を受けて、SCP-267-JPに対する緊急的かつ特例的なインタビューが実行されました。

対象: SCP-267-JP

インタビュアー: 神山博士

付記: SCP-267-JPは非常に動揺していたため、攻撃性の発現を促さないよう全保安要員は室外にて待機。神山博士にはSCP-267-JP-1構成物であるゴムボールと反発し、領域外へと弾く事でSCP-267-JP-1を無力化するための特殊スタンガンを装備させている。

<記録開始>

神山博士: こんにちは。大丈夫ですか? 近頃調子が優れないようですが・・・

SCP-267-JP: コン ニチハ ワカラナイ コワイ

神山博士: 一体何が起きたのですか? 何が怖いのでしょう? 私達で力になれませんか? 私達は、出来る事ならあなたを守りたいと考えています。

SCP-267-JP: デキナイ モウ ワスレタ

[64秒間沈黙]

神山博士: 忘れる事と、あなたの存在の危機が、何か関係しているんですね?

SCP-267-JP: ミンナ ワスレタ ドウシテ? ワタシ ワスレタ ドウシテ? アンナ ニ コワガッテ クレタノニ

神山博士: 怖がってくれた? あなたは、誰かにとって脅威だったのですか? とても、そうは思えませんが・・・

SCP-267-JP: ミンナ コワガッタ ナノニ ワスレタ ワタシノ コト コト ソウ ワタシノコト ワスレタ スガタモ ワスレタ ダカラ ワタシモ ワスレタ

神山博士: その姿はあなたの本当の姿では無いと?

SCP-267-JP: スガタ ホシイ カラダ ホシイ デモ ワスレタ ワスレラレタ カラ ワスレテシマッタ

神山博士: それがあなたの存在の危機の理由でしょうか?

SCP-267-JP: マタ モドリタイ マエ ミタイ ニ

SCP-267-JP-1全体が小刻みに震え始める。

神山博士: SCP-267-JP? 大丈夫ですか?

SCP-267-JP: デモ デキナイ ドウシテ ナンデ アンナニ コワガッテタ ノニ ドウシテ ワスレルナンテ ソンナ コトガ デキル

[ゴムボールが擦れ合う音]

神山博士: SCP-267-JP?

SCP-267-JP: 死にたくない

<記録終了>

SCP-267-JPの縮小は更に進行しています。それに伴いSCP-267-JP-1形成の頻度も明らかに低下し、SCP-267-JPの計画外の無力化が危惧されます。対抗手段は現在調査中です。対抗手段について何らかの発見の報告、助言等を行う職員はSCP-267-JP研究チームに連絡してください。

補遺2: 20██年██月██日の午前6:21にSCP-267-JP収容室担当監視員が、収容室内に無秩序に散乱しているゴムボールを発見しました。SCP-267-JPの縮小化が進行していた事から異常性の消失が懸念され、ただちに収容室内の調査が行われました。その結果SCP-267-JP空間領域の消失が確認されたため、当該オブジェクトはNeutralizedに再分類されました。

現在、神山博士の提言に基づき、SCP-267-JPの別個体が存在する可能性を調査中です。

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