SCP-268
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SCP-268

アイテム番号: SCP-268

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: 制限付職員やヒューマノイドSCPが使用した場合に脱走が非常に容易になると考えられるため、SCP-268は現在[データ削除済]内に保管されています。ただし、実地エージェントによる利用の可能性について、さらなる試験の後に検討する予定です。補遺268-04を参照してください。

説明: SCP-268は羊毛製ツイード生地のキャスケット帽です。デザイン及び製法から、アイルランドで製造されたものであると思われます。様式と生地からは製造年が1800年代後半から1900年代前半であると推定されていますが、繊維の分析からは有意な結果が得られていません。唯一のマーキングとして、中世ゲール語で『庭は蛇の棲家なり』と書かれた小さなラベルがあります。しかしながら、これは最近になって縫い付けられたものであることを示す証拠が多数存在します。

本アーティファクトの性質により、検査は困難を極めます。SCP-268は着用されない限り通常の帽子と同様の性質を示します。SCP-268を着用すると、被験者は突然かつ単純に周囲から認識されなくなります。被験者は記憶されなくなり、無視され、「ただそこにあるだけのもの」として認識されます。観察者の注意力や記憶力が非常に強ければ被験者の物理的外見を思い出すことができますが、「帽子をかぶった人間がいた」以上に詳細な外見を思い出すことはできません。観測者は被験者について「そこにいて当然」な人物であるが、考えたり気にしたりするには値しない、という圧倒的な感覚に晒されているのだと思われます。

最初の実験において、被験者から距離を取っていた研究員全員が、実験室の中で何を観察しようとしていたかを忘れてしまいました。SCP-268を着用したDクラス被験者が大声で研究員に呼びかけましたが、誰一人としてそれに気づきませんでした。帽子を脱ぎ、声を出し、物理的に接触することで初めてSCP-268着用者は自身を認識させることができた模様です。強制して観測者にSCP-268着用者を「認識」させても、着用者との積極的な関わりを続けない限り、観測者は対象のことを徐々に無視するようになります。

実験により、SCP-268を累計20時間以上着用していた被験者にはSCP-268を着用していない間も弱い効果が残留していることが判明しました。この時間範囲での実験は封じ込め違反の危険性が高まりますが、加えて過去の事件[補遺268-04参照]より、本アーティファクトを十分な期間着用した場合、この効果が永続かつ解除不能になるものと推測されます。

SCP-268が電子機器に直接影響を与えられるのかについては研究が進んでいません。電子機器を通してSCP-268着用者を観測した場合も対象を認識するのに困難が伴い、存在を認識できたとしても顔を判別することはできなかったと報告されています。SCP-268着用者の写真は「ぼやけている」、監視カメラ等デジタル機器の映像は「画質が悪化してピンボケになった」と報告されています。これらの変化が写真や記録に対し実際に起きているのか、それともSCP-268の特性によりそう感じているだけなのかは判断できていません。映像機器を用いてSCP-268着用者を捕らえることは難しいですが、モーションセンサー・重量センサー・熱探知機・その他の機器は対象に対して正確に反応する点に留意してください。

補遺268-01: SCP-268とSCP-180との類似性が報告されています。しかしながらSCP-268は無生物に対して効果を発揮しませんし、着用者の外見を「盗む」こともありません。SCP-180着用者はSCP-180が取り除かれ新たなホストに乗せられると識別できなくなりますが、これはSCP-180が持つ外見の奪取及び移し変え機能の副作用であると考えられます。とはいえ、SCP-268は長期着用者が回復不可能な形で忘れられることから、外見を「盗む」と言えなくもないです。これらのアイテムが類似した起源を持つのか、それともこれらの類似点は単なる偶然の一致であるのかは考慮に値します。

補遺268-02: エージェント███████の要請により、█████████博士とクライン博士の許可の下、実地任務にあたるエージェントはSCP-268を使用できます。現在まで、良好な成果が得られています。

補遺268-03: 実地試験は中断されました。エージェント███████は財団名簿および記録上には存在しますが、サイト██やより高位の職員の誰もがエージェント███████に関する記憶や情報を覚えていませんでした。今後の実験はDクラス職員のみに対して行い、1人あたり累計10時間以上暴露させてはいけません。

補遺268-04: 各被験者がSCP-268を装着した累積時間が長くなるほど、このアーティファクトの影響は強まるとともに持続性を持つようだ。SCP-268を初めて装着した者とそれまでに合計5時間以上装着していた者とでは、SCP-268の効果に大きな差が見られる。例えば、初めて装着した者は発話するだけで影響をなくすことが可能だ。一方ある程度の装着経験がある者は、観測者に対して問いかけを行い、殆どあるいは全く記憶されることなく返答を得ることができた。ある実験においては、累計15時間装着していた被験者が付近の職員から実験室のパスワードを聞き出し、封じ込め違反とDクラス職員の脱走を引き起こしかけた。警備員はこの返答を行ったことを思い出せなかった。 -クライン博士

補遺268-05: ████/██/██、SCP-268が消失しました。当日早朝にエージェント█████と分析研究員がSCP-268が無くなっていることに気づき、代わりに「今までどうも。そろそろわたしの帽子を返してもらいます。 ~ L.S.」と書かれたメモが残されていました。セキュリティ違反の調査が████/██/██に行われました。[データ削除済]を参照してください。

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