SCP-2736
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左: 財団に収容中のSCP-2736-1、1973年。
右: 大統領任期中のSCP-2736-2、1973年。

アイテム番号: SCP-2736

オブジェクトクラス: Euclid (SCP-2736-1)、Keter (SCP-2736-2) Neutralized

特別収容プロトコル: 身の安全のため、SCP-2736-1は武装サイト-291の標準的ヒト型生物収容室に封じ込めされます。対象にはテレビの視聴と、自身で選んだ新聞の購読が許可されています。また、要求に応じて他の読書媒体やメディアを入手できるように、毎月20 30 50 75 100 125米ドル(インフレ率を考慮して定期的に増額)の手当が支給されます。毎週1回、警備員1名の監視の下、対象は11号ビルの中心にある小さな中庭で1時間過ごすことが許可されます。年に1回、対象にはパトリシア・ニクソン、トリシア・ニクソン・コックス、ジュリー・ニクソン・アイゼンハワーの新しい写真がそれぞれ1枚ずつ与えられます。全ての特権は模範的行動によって左右されるものであり、プロジェクトリーダー/2736の判断でいつでも剥奪が可能です。対象には静脈炎の病歴があるため、健康状態を注意深く監視する必要があります。

SCP-2736-2は現在、未収容です。長期的な監視が維持されるべきであり、側近者としての潜入にはクラスIVの優先度が付与されています。

更新: SCP-2736の特別収容プロトコルは1994/04/23を以て廃止されました。

説明: SCP-2736は2名の生物学的に同一な成人男性、SCP-2736-1とSCP-2736-2で構成されています。確認できる限りにおいて、両者は元アメリカ合衆国大統領だったリチャード・M・ニクソンです。彼らは“事案ヤヌス-2736”と指定される理解の余り及んでいない出来事の結果、不明かつ異常な手段によって、それ以前は異常性の無かったリチャード・M・ニクソンが2体の異なる個体へと“分裂”して誕生した存在です。SCP-2736-1とSCP-2736-2は、事案ヤヌス-2736までのリチャード・M・ニクソンの記憶全てを共有しており、事案発生以降にそれぞれ独立した意識を発展させているように思われます。しかしながら、SCP-2736-2を研究のために入手することができないことから、これは決定的な確認が不可能です。

SCP-2736-1は事案ヤヌス-2736以来、財団の保護下に置かれており、その存在は一般社会から隠蔽されたままです。SCP-2736-1は異常な手段によって誕生したにも拘らず、SCP-2736-2とのレベルII因果関係共有(肉体的・精神的 ― 補遺3および5を参照)を除いては異常特性を示しません。事案ヤヌス-2736の間に負傷した結果、対象の胸部には重大な瘢痕が残っています。

SCP-2736-2は、1969年から1974年まで第37代アメリカ合衆国大統領を務めたリチャード・M・ニクソンとして世界的に認知されている人物です。SCP-2736-2が高い社会的地位を有する目立つ存在であることに加え、GoI-113による保護と財団側の回収試行への継続的干渉によって、SCP-2736-2は現在も収容できない状態が続いています2

回収: 1951/06/21、潜入機動部隊シータ-3-3(“連邦準備”)は、カリフォルニア州モンテリオの私営キャンプ場“ボヘミアン・グローヴ”3における秘密裏の監視任務を実施しました。キャンプ場の治安部隊として潜入していたシータ-3-3のエージェントたちは、最終的に事案ヤヌス-2736へと繋がったGoI-113構成員による夏至祭りを観察していました。

ボヘミアン・グローヴからの回収に続き、SCP-2736-1はサイト-109へと移され、傷の手当てを受けました。

補遺2736-01

補遺2736-02

以下のSCP-2736-1へのインタビューは1974/09/15(初期収容から23年後)、SCP-2736-2が最近になって米国大統領の職を辞任したことについて話し合う目的で行われました。

補遺2736-03

1974/10/12、SCP-2736-1は静脈炎を起こし、財団所属の静脈学者による手術が行われました。同日、SCP-2736-2はカリフォルニア州ロングビーチにて静脈炎で入院し、手術と治療を受けました。

補遺2736-04

1993/06/23(初期収容から42年後)、パトリシア・ニクソン5がニュージャージー州パークリッジの自宅で肺癌により死去しました。彼女の死に大きな衝撃を受けたSCP-2736-1は続く数ヶ月間に内向的性格を強め、プロジェクトリーダー/2736とのインタビューに応じることを拒絶しました。また、対象は頻繁に睡眠不足を訴えるようになりました。

補遺2736-05

1994/04/18(初期収容から43年後)、東部標準時17:45頃、SCP-2736-1は深刻な脳血管発作(脳卒中)を起こし、武装サイト-29の黄号診療所へ移送されました。後に、SCP-2736-2もニュージャージー州パークリッジの自宅で同時刻に脳卒中を起こし、ニューヨーク州ニューヨーク・シティのニューヨーク・プリスバイテリアン病院に搬送されていたことが判明しています。両者ともに部分的麻痺が残って会話不可能となり、数日かけて脳浮腫を発展させました。

その容態にも拘らず、1994/04/21の夕方になって、SCP-2736-1は不可解にも ― 興奮した譫妄状態ではあったものの ― 発話を開始しました。診療所スタッフはプロジェクトリーダー/2736へ通知し、約20分間の音声が記録に残されました。

この直後にSCP-2736-1は深い昏睡状態に入りました ― 後ほど、SCP-2736-2も同時に昏睡状態に陥ったと報告されています。翌1994/04/22、東部標準時21:08、SCP-2736-1とSCP-2736-2は同時に死去しました。

1994/04/23を以て、SCP-2736は“Neutralized”へと再分類されました。

補遺2736-06

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