SCP-274-FR
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枠内に示すのが、人工衛星イマニュエル-1によって観測されたSCP-274-FR。

アイテム番号: SCP-274-FR

脅威レベル: - 橙

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: その性質上、SCP-274-FRは財団施設への移動が不可能です。よって当アノマリーは出現地点にて収容を行わなければなりません。本収容計画は、いかなる民間人も出現地点に到達したりアノマリーを視認することのないように、アノマリーの周囲に保安地域を設けることを旨とするものです。また2基のスクラントン現実錨および、現地での実験を可能にする小型の研究施設を設置します。
本プロトコルはSCP-274-FRの予期せぬ出現により、確実性については低きに留まっているものの、これにより異常性発現地点での収容に適したものとなっています。この収容計画に関する細部は当アノマリーを担当する収容スペシャリストの判断に委ねられます。

SCP-274-FRが収容地点から消失した場合、人工衛星イマニュエル-1をフランスメトロポリテーヌ上空の対地同期軌道に配置し、これに搭載した国家規模のヒューム値の測定を可能にするカント計数機を用いて、フランスで最もヒューム値の低い地域を割り出します。機動部隊Tau-3"王の連隊"のエージェントが、SCP-274-FRの位置を特定するためその場所に派遣され、上記の手筈を以て当アノマリーの収容を行います。エージェントはまた、当該地域においてアノマリーとの接触を持った民間人への、必要なだけの時間を割いての対応や、発生した犠牲者の隠蔽などに携わります。

説明: SCP-274-FRは直径4メートルの球体の形で局地的に出現する、非物質性の時空間異常です。この球体は、半透明でエーテル質の外表面を有していますが、その内部空間はおよそ半秒ごとに変化する、視覚的に不確定な外部環境の様態を取ります。そのため被験者が内側に立ち入らない限り、SCP-274-FRの内部を観測することは困難です。

特筆すべきこととして、SCP-274-FRの半径20メートル圏内に入った被験者は何らかの不安を覚え、多くの場合この不安の原因、すなわち当アノマリーを探すことを余儀なくされます。

被験者が異常空間内部に侵入すると、この球体の内部環境は変化を停止し、単一の外観に固定されます。さらに一体の人型実体(以下SCP-274-FR-1と呼称)が被験者の正面に、また同時に様々な数の人型実体(以下SCP-274-FR-2と称する)が"観戦者"として出現します。これらの実体は決まって、決闘が未だ行われていた時代(正確には16世紀から19世紀)の様式の装いをしています。SCP-274-FR-2実例のうち一体が、この決闘の介添人として被験者に武器を手渡しますが、これは常に相手となるSCP-274-FR-1のものと同様です。この武器は時代に即して、剣かサーベル(この時SCP-274-FR-2実例の総数は四体)、または燧発式・雷管式いずれかの拳銃(この時SCP-274-FR-2実例の総数は二体)となっています。その後、SCP-274-FR-1および被験者は血戦1に身を投じることになります。被験者が決闘を拒んだ場合、SCP-274-FR-2実体は、被験者に決闘を行うように強制します。しかしながら、SCP-274-FR内部に侵入した被験者は - あえて説明されずとも - 決闘に勝利することで異常空間から出られるようになることを直感的に理解するらしく、そのため先に述べたようなケースは極めて稀なものです。
留意すべきこととして、SCP-274-FR-1の体格は常に通常の人間のそれと同等であり、またSCP-274-FR-1の剣術ないし射撃の能力は可変的であるものの、それが決して普通の体格の人間に可能となる範囲を突出することはありません。
加えて被験者は、いずれの決闘の間にも、以後外の世界が見えなくなり、球体の環境内に実際にいるような感覚を覚えることを報告します。一方外部の観察者らは、彼らが決闘を行っている様子を明瞭に見て取ることが可能です。

被験者が敗北して決闘中に死亡すると、この異常空間は再び元の形状を取り戻します。SCP-274-FR-1、SCP-274-FR-2および被験者の死体はその際に消失します。
被験者がSCP-274-FR-1を破り決闘に勝利すると、異常空間から自由に脱出することが可能になります。この時SCP-274-FR-2実体は被験者に対し、決まって以下の手紙とともに決闘用の武器を受け渡します :

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Et Lux Lucet In Tenebris



これらの手紙には、「ヒューマニストの貴族たち」の題目が記載されており、当オブジェクトがこの要注意団体に関わるものであることを証しています。現在この要注意団体は、当オブジェクトの製造者であると目されています。

複数行われた実験を通して、SCP-274-FR-1を打ち負かすことで被験者は帰還後、個人的な恐怖心に打ち勝ったり、内なる葛藤を解決していることが明らかになりました。決闘に勝利した被験者はいずれも、異常空間からの脱出を経てこうした人格的変容を被り、その全員が、人格における主観的な改善を経験しました。この改善点は不確定的なものではなく、そればかりか、意識的であるかを問わず被験者が自身において最も不利であると判断した、欠点や条件に関するものになると見られています。

実験はまた、既にこの異常空間から脱出したことがあり、かつそこをもう一度訪れようとした被験者は、完膚無きまでに決闘に敗北することを示しています。しかしながら、実際にSCP-274-FR内部で決闘に勝利したことのある被験者は、再びそこに赴くことに強い躊躇いを見せ、自ら望んで再訪することはありません。

特記すべきことに、この異常空間のヒューム値は0.29Hm近くと並外れて低い。さらにヒューム値は、SCP-274-FRの半径20メートル圏内ではおよそ0.75Hmにまで低下する傾向がある。これによって、まさにこの領域においてオブジェクトが発生させる不安を説明することが出来そうだ。
この異常空間のヒューム値がやたらに低いということは、私たちにとって幸運である。もしそうでなければ、財団の人工衛星は決してこいつを捉えられなかっただろう。フランスメトロポリテーヌ全域を綿密に調査するなんていうのは、明らかに現実的ではないのだから。
- ラタスト博士

仮にヒューム値がポン・サンギュリエと密接に関わっているならば──というか、私にはそう考える十分な理由があるのだけれども──要するにそれは、まさにこのポン・サンギュリエが人間の脳への影響力を有しているということである。ちょうどこの問題に関して、私の分野の研究設備を整えた所でもあるのだが。
- ヴァルボグリス博士



補遺274-FR-01 : 当アノマリーは20██/07/13、リヨン市に出現した際に初めて収容が為されました。同市在住の二名の市民が、一日のあいだに間隔を置いて失踪を遂げた際に、財団が先述の地区において捜査を開始しました。被害者の一方の家族の住居内より、SCP-274-FRからの脱出時に被験者が受け取るそれと同一の手紙が一通発見されました。この手紙には「ヒューマニストの貴族たち」のシンボルと題目が記載されていたため、機動部隊Tau-3 "王の連隊"が捜査の指揮を取ることとなり、間もなくエージェントらは、付近の建造物の地下室にてSCP-274-FRを発見しました。このオブジェクトは、半径20メートル圏内における撹乱効果を打ち消すために、スクラントン現実錨を重点的に使用した上で収容下に置かれました。失踪事件はその後、DCDによる連続殺人犯の作り事によって隠蔽され、次いでSCP-274-FRに関する第一次実験計画が始動しました。

約四ヶ月後の20██/11/25、当アノマリーは収容エリアから消失しました。周辺の建造物の捜索が行われましたが、オブジェクトの発見には繋がりませんでした。この際収容スペシャリストのナボーヴ氏が、当アノマリーの異常に低いヒューム値を、対象を見つけ出すための目印として利用することを提案し、またラタスト博士がDI&STに、数年前から実験目的に製作されていたヒューム観測衛星のプロトタイプを宇宙に打ち上げる旨の説得を行いました。この人工衛星バティスト イマニュエル-1によって、不明な手段によりクレルモン=フェラン市に移動していた当アノマリーの発見に至りました。その結果として、特別収容プロトコルが更新されました。

以来このアノマリーは、4から6ヶ月おきに居場所を変更しています。当アノマリーはフランスメトロポリテーヌの中心都市や人口密集地域にのみ出現するようですが、しばしばそうした見方からも逸脱します。これまでにSCP-274-FRが存在していた場所は、平均を僅かに下回るヒューム値を有していたことに注意して下さい。

補遺274-FR-03 : SCP-274-FRによる平行世界との接続は現在、外世界事例部門による広範な研究の対象となっています。事実、決闘に敗れた被験者は、外観とは裏腹に殺害されているのではなく、[データ削除]である可能性があります。またSCP-274-FRの効果は、Multi-Uの主要研究テーマの一つである[データ削除]に関連しているように見受けられます。

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