SCP-277-JP
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確保前調査によって撮影されたSCP-277-JP擬死形態

アイテム番号: SCP-277-JP
 
オブジェクトクラス: Euclid
 
特別収容プロトコル: SCP-277-JPは避弾経始の観点から45°傾斜させた防護壁と、水平の床と水平の天井により構成された収容室内に収容してください。防護壁は厚さ100mm以上の、鉄を主とした複合素材か多重構造によって構築し、SCP-277-JPの収容違反への試みに備えてください。
また、SCP-277-JPによる砲撃がもたらすであろう跳弾に備え、天井と床に於いても厚さ60mm以上の装甲により防護してください。収容室内は常に3台のカメラにより監視されます。収容室内の照明は全て450lx以下の基準で統一してください。
 
SCP-277-JPの収容違反事例に備えて、担当保安要員は対物ライフルのレプリカ二挺、500lx以上の基準の照明弾発射火器の装備が義務づけられています。再収容はこれらの装備の使用によるSCP-277-JP擬死形態中に、SCP-277-JPを収容室へ移送する事によって行ってください
SCP-277-JPが擬死形態時以外の状態で損傷を負った場合、日本人の技術者による修理を行ってください。SCP-277-JPに対する定期メンテナンスについても、可能な限り同職員により行われるようにしてください。
 
説明: SCP-277-JPは動物的な行動原理と知性を有すると思われる、自律行動が可能な九七式中戦車 チハです。記録によるとSCP-277-JPは19██年の████に於いて実際に運用されていた戦車であり、その後、同地に遺棄されていた所を回収、日本領へ返還され█████にて安置されていました。
更にその後「█████の戦車が毎夜直って動いている」という噂が財団によって調査された際に異常性が発見され、SCP-277-JP擬死形態を象った模型とのすり替えによって収容されました。
 
SCP-277-JPは光量が490lx以下である空間内に於いて活発に活動します。その殆どは、エンジンを用いず独自に動作する無限軌道による徘徊もしくは静止状態です。他にも砲塔の旋回、エンジン駆動音の発生、砲身の上下動作等を行いますが、現在はこれらに明確な意味は存在しないと結論付けられています。
SCP-277-JPは九二式徹甲弾に分類されるものと同一の砲弾を砲身内に出現させ、発砲することが可能です。発砲数が無制限である事以外に異常性は見られませんが、SCP-277-JPの行動の傾向として、発砲が行われるのは直接的危害に曝された場合と、擬死形態の長時間の持続が解除された直後の場合が最も多いようです。
SCP-277-JPは砲塔前方の約80°界の視界を有していると思われ、人間と同程度の知覚能力を有します。視覚的な反応には敏感であり、特に生物を中心とした動体に関心を示し積極的に追跡と観察を行います。しかし人間に対しては、SCP-277-JPが判断する「日本人的ではない外見の者」へ警戒心を露わにし、積極的に距離を置こうとします。
 
SCP-277-JPは500lx以上の光に曝されるか、または大型火器の発射口を向けられている事を知覚することで擬死形態へと移行します。
擬死形態では、およそ0.3秒以内でSCP-277-JPは画像と同様の腐食と損傷を受けた状態へと変化し、一切の動作を停止させます。これらは実際に起きている腐食または損傷であることが検査によって確認されており、視覚的な異常は誘発させていません。
擬死形態の解除は、光量が500lx未満となるか、大型火器の発射口が向けられていない状態になったと知覚されることで行われます。その際にSCP-277-JPの腐食と損傷は0.1秒以内に復元されます。これは、擬死形態時にSCP-277-JPの一部が引き離されていた場合であっても同様であり、完全に分解された状態であっても、砲身の位置を基準に1部品が瞬間的に空間転移し復元されます。
 
擬死形態に於いてSCP-277-JPは如何なる損傷をも擬死形態解除の復元時に完璧に復元します。しかし通常の形態時に受けた損傷については修理を必要とし、もし修理がなされなかった場合は極限的な暴力に曝されているとみなし、砲撃による収容違反を試みます。
擬死形態は最大で29時間程度継続されますが、20時間以上継続された後に擬死形態が解除された場合、SCP-277-JPは即座に周辺への無差別的な攻撃を行います。
また、SCP-277-JPの知性はストレスの影響を受けると見られ、1時間以上の間を置かない断続的な擬死形態への移行についても将来的に周辺への無差別攻撃を誘発させます。
以下は、SCP-277-JPが砲撃による攻撃を行った際の特例的な状況の一覧です。

  • 重火器のレプリカを用いた17時間の擬死形態の継続。対象は突如擬死形態を解除しレプリカに対して一発のみ砲撃。以後同型のレプリカに対しては擬死形態に移行しなくなっていたが、同型の実物の重火器を用いて威嚇射撃を行った所即座に擬死形態に移行し、その後レプリカに対しても擬死形態に移行するよう戻った。
  • 600lxの照明装置を用いた29時間の擬死形態の継続。対象は状況に変化が無かったにも関わらず擬死形態を解除し、全体を激しく動作させながら照明が破壊されるまで無差別に砲撃する。照明破壊後、通常形態のまま2時間に渡って静止状態のまま動作せず。
  • 機動性実験の際、自動走行装置を追跡中に誤って収容室内壁に激突し即座に砲撃。跳弾と転倒により右履帯部に損傷を負ったため修理を施した。
  • 収容中、突如収容壁の傾斜を昇り始め転倒。転倒と同時に一発のみ砲撃。損傷は無かったが、以降収容壁へ積極的に接触する事はなくなった。
  • 収容中、突如収容壁に対して一発のみ砲撃。その直後、砲弾が直撃した箇所に接近したが直ぐさま関心を失ったかのように収容室中央へ移動。以後、同様の行動は確認されていない。
  • Dクラス職員とSCP-277-JPとのコミュニケーション実験中、Dクラス職員が指差し発砲を促した方向に向けて一発のみ砲撃。予め用意していた緩衝材により、損害は無し。
  • 定期メンテナンスから1時間後、砲塔と車体を頻繁に旋回させた後一発のみ砲撃。調査により、車体内に残留していたビスが定期メンテナンス作業中に偶然エンジン部にまで移動していたことが判明した。
  • 6時間の静止状態の継続後前触れ無く突如砲撃。直後、非常に慌てたような様子で無秩序に砲塔を旋回し続けながら収容室内を走り回り、収容室内の隅で静止した。特筆する損害も影響も見られなかったため、特別収容プロトコル改訂の必要性は無いと判断された。

未確認の例が確認され次第、記述は追加される予定です。

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