SCP-2779
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囲い内のSCP-2779。

アイテム番号: SCP-2779

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: SCP-2779はエリア-12の異常動物学部門の囲い内に、他の低脅威度異常オブジェクトと共に収容されます。SCP-2779には飼育係の指定通りに給餌や手入れをしてください。実験のためにSCP-2779を持ち出す場合は、飼育場の監督者に連絡を取り、用紙-12-147-Rに記入してください。実験に必要でない限り、SCP-2779に関する実験は1日1回しか行えません。

説明: SCP-2779は体長約15 cmのミニブタです。SCP-2779は財団の保護下に置かれて以降3年間、いかなる成熟の兆候も示していません。SCP-2779はx86_64のWindows Vista Home BasicおよびWindows Vista Home Premiumが導入されているデバイスにインターフェースとして接続したり、そのデバイスに成ったりすることが可能です。SCP-2779がどのような方法でこれを達成しているのかは未だ分かっていません。

SCP-2779は2017/12/3、パリに位置するクラウディア・デュボイスの家屋にて、息子であるレナード・デュボイスの死後に発見されました。レナードは多発性硬化症に起因する合併症により突然死したと推定されていますが、デュボイス女史の意向により、SCP-2779は地元の法執行機関に回収・研究されました。

調査によりSCP-2779の異常性が発見され、この時点で警察部隊に配属されていた財団エージェントらが財団に連絡を取りました。財団エージェントらは2017/12/4にパリ警視庁からSCP-2779を入手し、必要に応じて記憶処理エージェントを頒布しました。


実験ログ33-2779-5、2018/1/5

14.33: SCP-2779が、x64のWindows Vista Home Basicが導入されている、電源を落とされたデスクトップPCと共に実験室Cに導入される。SCP-2779は室内の探索からおよそ5分後にデスクトップの反対側の角で落ち着き、眠りに着いたように見受けられる。

14.40: デスクトップPCが遠隔起動される。SCP-2779がファンの音に耳を立て、ノイズを探り始める。SCP-2779がタワー型PCのリヤファンの匂いを嗅ぐ。SCP-2779が自身の鼻をタワー型PCの後部に押し付け、大きく鼻を鳴らし始める。33秒後、SCP-2779が顕著に白熱して抽象化し始め、観測が困難になっていく。カメラの映像がタワー型PCを取り囲む淡いピンク色の発光しか映していないのにもかかわらず、観測者は全員、SCP-2779が "ミニブタ" のままであると述べている。

14.42: 光が弱まり、タワー型PCの形態と構造が顕著に変化する。タワー型PCはこの時点でさらに丸みを帯びており、4本の足で垂直に保たれている。ディスクトレイとUSBスロットが、突き出た鼻の真下にある大きな口に置換されている。モニターはコンピュータが依然として正常に機能していることを示している。スクリーン上にある通知により、不明なデバイスが接続されたこと、およびそのデバイスがデバイスドライバのインストールを要求していることが分かる。

14.45: バートリー・ジェプト研究員とブレンダン・パークス動物学者が実験チャンバーに入室する。ジェプト博士がデバイスドライバのインストールを始める。その一方でパークス氏がタワー型PCを調査し、ミルクや微塵切りにしたピーマンを当該PCに与えている。約3分後、デバイスドライバのソースが見つからなかったことを示す通知がスクリーン上に現れる。

14.49: ジェプト博士が、通常のWindows Vistaインターフェースを介してSCP-2779の内部記憶装置のコンテンツにアクセスを試みることを許可される。ディスクドライブ1つのみが確認でき、そこには以下のファイルが保存されている。

.oink
DARE.mp0
familiar-conf.oinc
higher-being.oinc
README.txt
steam-collect.oinc
zenith.oinc

14.51: ジェプト博士がREADME.txtを開く (詳細については添付文書を参照)。ジェプト博士が 'higher-being.oinc' を開こうと試みる。30秒後、コンピュータがクラッシュする。ファンは回転音を立て続けており、タワー型PC内からは苦しみから来る悲鳴が聞こえる。タワー型PCが実験チャンバーから逃走しようとするが、ディスプレイとキーボードとマウスに接続したケーブルによって抑制される。

14.52: パークス氏がチャンバー内の照明を落とすように要請し、バックパックから毛布を取り出してそれをもがいているタワー型PCに巻きつける。パークス氏が自身のブラウスのポケットからmp3プレイヤーを取り出し、心を落ち着かせる音楽をかける。タワー型PCが落ち着き、パークス氏から林檎のスライスを受け取る。約5分後、当該タワー型PCが白熱し始め、元の非異常なタワー型PCとSCP-2779に分かれる。パークス氏が自身の毛布でSCP-2779を包み、テストチャンバーの外に運び出す。

付記: 追実験により、.oinc拡張子が付いたファイルは全て、開かれた際にコンピュータをクラッシュすることが明らかになった。DARE.mp0は、mp3もしくはmp4として扱った際にポップグループのゴリラズの楽曲であるDAREを再生する。これはYouTube動画の 'Gorillaz - DARE(Official Video)' と音声が一致しているため、リッピングされたものである可能性を示唆している。


文書SCP-2779-1

文書SCP-2779-1はプレーンテキストファイルであり、SCP-2779の内部記憶装置に 'README.txt' として存在していたものです。

やあ。

キミのしょぼいx64とかいうゴミでも読み込めるフォーマットにしといたよ😜。「より良いゲーム」には物理的技術の手間を掛ける価値なんて無いんだよ、キミ。Oinkersにコレを受け入れさせるためにボクが注がなきゃなんなかった努力に感謝してくれることを望むよ。なんせキミがこっちにいる時にx0の連動用のマシンを買ってあげてるんだから。

まあとにかく、操作方法だ。キミにあげたその印をOinkersに与えて (まずフル充電されてるか確かめてね)、コンパイルを待って。2、3秒以上はかかんないはずだから。操作は基本的なwasdキーで、アップ/ダウンはrfキーね。コツを掴んだらちゃんと自由自在に動かせるはずだけどね。コイツはできるだけシンプルに作ろうとしたつもりさ。キミのママにコイツのセットアップを手伝うよう頼むとは思うけど、キミがこのイカした魔法の全てを彼女に隠しておきたいってのも分かる。彼女にはただ「キミを愛してる」とか何とか言えばいいんだ、いいね? これを起動しちゃったら、もう後には引けないよ。

印にはベーシックなリングプロテクションを組み込んどいたから、キミが入った時点でみんなキミに嫌な思いはさせないはず — 別にキミを子供扱いしてるわけじゃないって誓うよ、プロテクトされてない初心者に不運が降りかかったのを何度か見たことがあるんだ。気味の悪いホラーとか。ボクらが出会ったら、すぐにそれの分解方法がちゃんと分かるように説明しよう。この前終わった時にベーシックな交感神経リンクを組み込んどいたから、キミが接続したのが分かるようになってる。

キミはアストラル界を楽しむことになるだろうね!! キミが暫くの間ずっとコイツを待ってたことは知ってる。キミに会えるのを心から楽しみにしているよ。ホント、コイツはマジで凄いものになるだろうさ。

キミのことをとっても愛してるよ。
フェリックス。

PS: とってもとってもとってもさ。ロマンスの無いポリシーなんてクソ喰らえ。

クラウディア・デュボイスはインタビューにおいて、'フェリックス' が何者なのかも、この人物と息子がどういう関係なのかも知らないと述べています。現在、調査が低優先度で進められています。

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