SCP-281-JP
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SCP-281-JP(2003/08/14撮影)

アイテム番号: SCP-281-JP

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: 毎年08/17から翌08/12までの期間は、SCP-281-JPに担当職員を毎週2人派遣し、異常がないか検査を行ってください。毎年08/13から08/16までの期間は、5人のエージェントによって事象281-JPの観測を行ってください。同時に、全担当職員は観測開始前の08/12 23:30から08/13 00:30までの間、サイト-8173にてSCP-482-JPを展開し、回避プロトコル281-JPを実行してください。観測中、事前許可のない限りSCP-281-JP-1との接触は避けてください。

事象281-JP発生時、未発生時のいずれにおいても、SCP-281-JPが人間に対して直接害を与えることはないと考えられているため、一般人によるSCP-281-JPへの接触は特に制限されません。これは過度の隔離措置が却って衆目を集め、情報漏洩の危険性を高めることを懸念したためであり、決してSCP-281-JPへの接触を奨励するわけではないことに留意してください。一般人がSCP-281-JPの特異性に気付いた場合、早急に適切な記憶処理を施してください。

SCP-281-JPの特異性を隠匿するため、気象庁の協力の下、SCP-281-JP周辺の天候の観測記録には修正が加えられています。

説明: SCP-281-JPは、████県████市の山中に存在する廃駅です。県の私鉄路線████線にかつて存在した████駅の跡地であり、約1km離れたところに████村という小さな集落が存在します。屋根のない1本の単式ホームのみからなる無人の地上駅で、プラットホーム上には駅名の記された看板1枚とベンチ1脚が設置されています。これらの遺構は駅の廃止以前から現在まで手付かずのまま放置されており、損傷や錆による侵蝕、雑草の繁茂が進行しています。

毎年08/13から08/16までの期間、SCP-281-JPに関連して、大規模な現実改変を伴う複数の事象が発生します。これらを事象281-JPと総称します。各々の事象281-JPは寸分違わず毎年同じ日時に発生します。

事象281-JP-a: 08/13 00:00
過去にSCP-281-JPが廃止されたことを認識することが不可能となります。SCP-281-JP廃止にまつわる記憶を持つ人物はその記憶を完全に忘れ、記録は全て完璧に改竄されます。改竄される記録は印刷物、ウェブサイト、手書きのメモ、映像記録、音声記録に至るまであらゆる媒体に及び、それは当報告書の原本(検閲を施されていないもの)も例外ではありません。影響を受けたメモや音声記録を解析した結果、筆跡や声紋は元の記録者のものと一致しました。-aの影響を受けるのは「SCP-281-JPが廃止された」という過去の記録のみであり、「現に████線の駅としてSCP-281-JPが存在しない」という現在の事実は-bの発生まで改変されません。そのため、-aの発生から-bの発生までの20分間、SCP-281-JPは「廃止されていないのに廃止されている」という撞着した状態に置かれます。

事象281-JP-b: 08/13 00:20
████線の路線図、時刻表、ダイヤ等の内容が、SCP-281-JP廃止直前と同様のものとなります。前述の撞着状態のため、-a発生後から-b発生前の期間に████線の路線図等を見た者は、そこにSCP-281-JPがないことに違和感を覚えます。しかし-bの発生と同時に撞着状態は解消され、生じた違和感についても大抵の場合ただの見落としや勘違いによるものだったと判断されて終わります。

事象281-JP-c: 08/13 06:11
-bで改変を受けた時刻表通りの時刻に、████線の始発列車がSCP-281-JPに停車します。

事象281-JP-d: 08/13 10:00
それ以前の天候に関係なく、上記の時刻までにSCP-281-JP上空は快晴となります。この状態は-rの発生時点まで継続します。

事象281-JP-e: 08/13 20:00
SCP-281-JP全体が青い炎に包まれます。SCP-281-JPはただ炎に包まれるだけであり、SCP-281-JP内の何かが発火しているわけではありません。この炎は視覚によってしか認識できず、近づいても熱くなく、触れても火傷を負うことはありません。付近の集落の住人を含め、炎を見た者はそれを認識できますが、それについて異常だと感じることはなく、消防への通報も行われません。

事象281-JP-f: 08/13 20:30
-eで出現した炎が消失します。この時点で、SCP-281-JP内の損傷や錆、雑草が不完全ながら除去された状態となっています。

事象281-JP-g: 08/14 11:43
普通列車がSCP-281-JPを発車した直後より、プラットホーム上にて人型の存在(SCP-281-JP-1)が観測されるようになります。-1は身長1.6mほどの十代の女性のように見え、白い簡素なワンピースを着用しています。外見上は何の異常もありませんが、質量を持たず、物理的な接触は不可能ですが、会話による交流が可能です。-1は-jの発生までの期間、████村を含むSCP-281-JP周辺をほとんど不規則に徘徊します。この間、-1は基本的に村に帰省中の人物「[氏名削除済]」として振る舞い、村の住民もそれを当然のこととして受容します。

事象281-JP-h: 08/14 14:50
-1が駄菓子屋「████」の前に到着し、消失します。

事象281-JP-i: 08/14 15:03
-1が再出現します。このとき-1は棒付きアイスキャンディー(SCP-281-2)を舐めています。-2は-1同様に質量を持たないと見られます。外見上は██████社製のパイン味のアイスキャンディーであり、19██年に生産終了した製品と同じものです。-1は5分前後で-2を食べ終え、残った棒はその場へ放棄し、放棄した棒は1秒ほどで消失します。██████社製アイスキャンディーの棒には「アタリ」もしくは「ハズレ」の印字があり、これはー2でも同様ですが、これまでの観測では-2の棒の印字は必ず「ハズレ」でした。これが単なる偶然かどうかは不明です。

事象281-JP-j: 08/14 20:15
-1が村の北西部の空地にて消失します。ここにはかつて地主一家の住む洋館がありましたが、放火殺人事件(補遺1参照)で焼失して以来空地のままです。

事象281-JP-k: 08/14 21:29
-1が空地に再出現します。-1のワンピースの裾の右辺りが少し焼け焦げています。このときの-1は憔悴しきった様子で、しばらくの間その場から動こうとしません。18分後、-1は村の寺院へと移動を開始します。

事象281-JP-l: 08/14 21:52
-1が寺院の境内に到着し、立ち止まります。これ以降-nの発生まで、-1は境内から外に出ようとしません。

事象281-JP-m: 08/15 10:55
-1の顔面や腕に暴行を受けたような複数の痣が生じます。

事象281-JP-n: 08/16 19:34
-1がSCP-281-JPへと移動を開始します。これ以降、-1はこちらからのいかなるアプローチに対しても応えなくなります。

事象-281-JP-o: 08/16 19:47
-1の頭頂部から血が流れます。これは石のような硬いもので殴られた、あるいは石のようなものを投げつけられたことによる負傷のように見えます。直後、-1は真っ赤な涙を流して激しく慟哭します。

事象281-JP-p: 08/16 19:56
SCP-281-JPに到着した-1は、プラットホームから線路上へと飛び降ります。約2秒後、急行列車がSCP-281-JPを通過します。直後、-1が消失し、以降は観測不可能となります。

事象-281-JP-q: 08/16 20:00
SCP-281-JP全体が赤い炎に包まれます。炎の色以外に-eとの差違はありません。

事象281-JP-r: 08/16 20:30
-qで出現した炎が消失します。この時点で、SCP-281-JPは事象281-JP発生以前の状態に戻っています。同時に、事象281-JPによる現実改変の影響が一部の例外を除いて全て消失し、観測者の記憶にも残りません。

-rの発生後も残る事象281-JPの影響として、-dにより変化した天候の記録が挙げられます。気象台の記録によれば、19██年以降、08/13から08/16までの期間のSCP-281-JP周辺の天候は常に快晴であり、このこととカント計数機のモニタリング記録から、事象-281-JPは19██年以降毎年発生していると見られています。19██年はSCP-281-JPが廃駅となった翌年です。

事象281-JPの影響範囲は全世界に渡るため回避は困難ですが、異世界までは及ばないと推測されており、これまでの実験で少なくともSCP-482-JP-1には及ばないことが確かめられています。そのため、「-aの発生時にSCP-482-JP-1にいる」ことで、事象281-JPの影響を全て回避できます(回避プロトコル281-JP)。また、件数は少ないものの、-1は事象281-JPによって現実改変が行われていることを認識しているらしく、-1との交流を通じてそのことを知らされる例も報告されています。

SCP-281-JPは19██/04/01に████線████駅として開業し、主に████村の住民の生活の足として利用されていましたが、幹線道路の開通に伴い利用者が減少した結果、19██/03/31に廃止されました。世界中のカント計数機が毎年08/13から08/16にかけて異常な値を示すことから、この期間に世界規模の現実改変が起きていることは早くから予想されていましたが、その実態や原因は長らく不明のままでした。2002/08/13の00:05頃、日付の変わった直後に偶然████線の路線図を見ていた一般人が、自身の抱いた違和感についてインターネット掲示板に書き込みを行ったことから財団が調査を開始、2003/08/17に至ってSCP-281-JPの特異性の確認が完了し、SCPオブジェクトとして指定されました。

補遺1: -1が名乗る「[氏名削除済]」はかつて████村の住民として実在した人名であることが判っています。市役所に残されていた当時の戸籍によれば、実在した[氏名削除済]の経歴は-1が自称する経歴と一致しています。[氏名削除済]は村で起きた地主一家の放火殺人事件の被疑者として逮捕される直前、SCP-281-JP廃止の約8ヶ月前に当たる19██/8/16にSCP-281-JPにて自ら線路に身を投げ、列車に轢かれ死亡しました。なお、戸籍をはじめとする[氏名削除済]についてのあらゆる記録及び記憶も-aの発生と同時に改変を受けます。

補遺2: 財団エージェントによる調査の結果、[氏名削除済]が起こしたとされる放火殺人事件の真犯人は別にいる可能性があると判明しました。これを受け、事件についての更なる調査、及びSCP-281-JPの特異性との関係を調べるため、SCP-281-JP-1へのインタビュー調査の実施が要請されましたが、現時点で既に安全な収容に成功していることから、更なる追究はハイリスクノーリターンであると判断されて要請は却下、同時に放火殺人事件に関する調査そのものも無期限に凍結されることとなりました。

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