SCP-282-JP
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2つのSCP-282-JP実例

アイテム番号: SCP-282-JP

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-282-JPはサイト-81██の金庫に、不透明な袋に入れて厳重に保管します。このときSCP-282-JP実例はお互いが30cm以上の距離を保つようにします。金庫の開錠及びSCP-282-JPへのアクセスはセキュリティクリアランスレベル4以上の職員3人以上の許可が必要です。実験を除き、SCP-282-JPのディスプレイ部を注視してはいけません。不注意にSCP-282-JPの影響を受けた職員は即座にクラスA記憶処理を施します。未収容のSCP-282-JP実例はすぐに回収されなければなりません。

説明: SCP-282-JPは箱型の、一つの面にディスプレイが付いたデバイスです。財団では現在2例のSCP-282-JP実例を収容しています。SCP-282-JP実例にはそれぞれ異なる数字が刻印されており、それぞれ"005"と"031"です。このことからこれら以外に少なくとも他に29例のSCP-282-JP実例が存在していることが予想され、調査が進められています。

SCP-282-JPを目視すると、通常、ディスプレイに記号化された表情が見えます。表情は音や接触などの外部からの刺激に対して反応し変化します。しかし変化には一貫性が見られず、知性や自我があるかどうかについては議論されています。SCP-282-JP実例同士を近付けると、そのディスプレイに一般的に電波を表すようなギザギザの図形が表示されます。この表示はお互いの距離が30cmに近付いてから、およそ3秒間継続し、その後は通常時と同じになります。その3秒の間にお互いを30cmより離すと、ディスプレイは5秒間赤一色になります。その後は通常時と同様に、表情を示します。長い時間SCP-282-JP実例同士が30cm以内の距離にある場合、およそ13時間毎にこの表示が繰り返されます。この表示の意味については現在調査中です。

SCP-282-JPのディスプレイを10秒以上注視した人間はSCP-282-JPの影響を受けると考えられます(以下、影響を受けた人間を被験者と表記)。写真などの間接的な観測では影響を受けることはありません。この影響は一度受ければ永続しますが、クラスA記憶処理により免れることができます。SCP-282-JPの影響を受けた直後から、被験者はSCP-282-JPのディスプレイにある映像を見るようになります。被験者はSCP-282-JPのディスプレイに様々な映像を観測します。映像のその時々により内容が異なること、さらに二人以上の被験者で観測した時、それぞれが同じ映像を見るとは限らないことがわかっています。この映像は影響を受けていない人間は観測することがないことが実験によりわかっています。また、影響を受けている受けていないにかかわらず、写真やビデオ中継、録画映像ではディスプレイは真っ黒に見えます。

SCP-282-JPの映像を見た人間は、自分が誰かから見られているようだと訴えます。この妄想は影響を受けた全員に必ず見られる共通の症状です。次いでテレビやモニタ、窓ガラスや鏡、あるいは暗い穴や隙間などに視線を感じ、それを見たり、近付いたりすることに恐怖を覚えます。また、被験者によってはそれを排除しようとします。しかしながら今までに被験者から実際にそこに何かが見えるという報告はされていません。監視妄想は時間の経過と共に悪化することがわかっています。SCP-282-JPに対しても僅かに嫌悪感を示しますが、しかし被験者は皆SCP-282-JPのディスプレイを見なければならないと訴え、それが叶わないと状況下では明らかに焦燥し、暴力的な手段を取ります。およそ1か月後から、被験者は身の周りにある光を反射するような物あるいは何かを映すような物を極力排除し、それができない場合は何らかの手段によって破壊しようとします。2か月後には瞳に対して恐怖心を得て、写真やイラストなどにある目やそれに類似するものを塗り潰したり破いたりしようとします。そして3か月後には他の人間の視線を極端に嫌うようになり、自ら人間を避けるかあるいは暴力的な手段によってその人間の目を潰そうとします。それ以上の症状の悪化については、罹患者が報告の拒否・自殺もしくは他殺のため詳細がわかっていません。

2005/8/8、2つのSCP-282-JP実例がサイト-8128に移送されました。この時点ではSCP-282-JPの異常性は明らかになっておらず、サイト-8128の多くの職員が影響を受けたと考えられています。これが後述の事件記録-いにおける事件を招く結果になりました。

これまでSCP-282-JPのディスプレイに見えた映像として次のようなものが報告されています。

  • サイト-8128のラウンジ(20分間、映像は1つのSCP-282-JP実例に映ったもので、その時間は別のSCP-282-JP実例がそのラウンジに置かれていた)
  • 一般的な日本人家庭の居間(3時間、家人が気付く様子なし、詳細未特定)
  • ██博士の自室(24時間)
  • 森の中(5分、詳細未特定)
  • 前述の電波を表すような表示(3秒、██助手が1つのSCP-282-JP実例に顔を近づけた時。他のSCP-282-JP実例は近くにはなかった)
  • 50の人間が無表情でこちらを見ている映像(25分、29人がサイト-8128職員・10人が他の所属の財団職員と同定、他は詳細未特定)
  • サイト-8173の監視カメラ3番と同じ映像(5時間)
  • サイト-8128の2F男性用トイレ(9時間)
  • 詳細不明の映像(少なくとも3時間、観測した職員は吐き気や頭痛を訴える)
  • ██助手を追う映像(1時間、撮影者から逃げているように見える、映像最後で██助手は撮影者にナイフで刺殺される、後に██助手の遺体を発見、実行犯と考えられる███博士は別の場所で自殺)
  • オフィス用デスクの上にサイト-8128職員3名の生首(15分、該当する3名の職員はSCP-282-JPの影響を受けておらず健康状態に問題なし、後に下記暴動により死亡)
    • この後サイト-8128職員の大多数の要請により、SCP-282-JP実例は全て2005/9/29にサイト-81██へ移送される
  • サイト-81██の金庫室(5時間、2005/10/21にSCP-282-JP実例にアクセスした際の様子を天井からの視点で映している)
  • SCP-282-JP実例2つ(50時間、記事写真と同じ)
  • SCP-███-JPに関する情報(この件によりアクセスレベル引上げ)

また、SCP-282-JPの影響を受けた人間の一部は"自分の視界が突然SCP-282-JPの映像と置き換わる"現象を報告しています。

事件記録-い: 2005/11/02にサイト-8128にて職員による暴動が発生。緊急隔離されたSCP収容区画を除いて内部設備のほぼ全てが破壊されていたため詳細はわかっていません。ほぼ全ての遺体において目の周囲の損傷が激しかったものの、全員の身元の確認ができ、生存者は1人もいなかったことがわかっています。サイトの各所に描かれていた瞳を表すシンボルは、主に他職員を殺害し眼球周囲を破壊した複数人の職員の手によるものだと判明していますが、その意味は不明です。暴動の原因は直接的あるいは間接的にSCP-282-JPにあると考えられています。サイト-8128は建て替えられ、現在では何の異常も発生していません。

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