SCP-283-JP
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SCP-283-JP発現のためのPa-O配置例。画像は████████から回収したデータの一つであり、Pa-28が未設置状態である

アイテム番号: SCP-283-JP
 
オブジェクトクラス: Safe
 
特別収容プロトコル: SCP-283-JPの構成要素であるPa-1〜Pa-28は個別に専用のロッカーに収容し、更にそれらのロッカーはサイト-8181、サイト-8141、サイト-8122、サイト-8173に分散して配置されるようにしてください。
各施設内でのロッカーの設置場所はセキュリティクリアランス3以上の情報とし、通常業務とは隔離されたエリアでの収容を心掛けてください。
 
SCP-283-JP実験はセキュリティクリアランス4以上の職員によってのみ申請が可能ですが、実行に際しては2名以上の日本支部理事メンバーの承認が必要となります。また、実験にはサイト-8141に特設されている専用実験設備"石臼"を必ず使用した上で、既定のマニュアルの手順に従ってください。
実験後の"石臼"の修復に関しては、研究チームが担当することになっています。
 
████████の消失に関連するカバーストーリーについての問い合わせは、総務第2課に対してのみ行ってください。
 
説明: SCP-283-JPはPa-1からPa-28までの28個のPa-Oを上記画像と同様に配置した際に発生する異常現象です。Pa-Oは一般的な真鍮性の南京錠であり、同メーカーの既製品と比較しても一切の構造的差異は認められていません。これらに合致する鍵は一部回収されていますが、SCP-283-JPの異常性に関連はありません。しかし鍵に記載されているシリアル番号に該当する情報は発見されませんでした。
 
掛金のU字部を利用して筒状空間を作り出すように、全てのPa-Oを左右対称で交互に設置することで即座に異常性が発現します。その際、左右の列ごとにPa-Oは5cm以内の間隔に設置されていなければなりません。また、Pa-1とPa-28がそれぞれ両端に設置されなかった場合も、異常性は発現しません。
何らかの物体がPa-1の掛金部のU字構造を「くぐる」ようにして通過すると、その物体の持つ運動力学的なベクトルは筒状空間と平行になるように束ねられた上で速度的なエネルギーが2乗されます。
その結果、物体は全Pa-Oの掛金によって構成される全てのU字構造を「くぐる」ことになり、更にPa-Oの掛金部を通過する度に速度がおおよそ2乗されていくと考えられています。
この時点で物体の運動を停止させる程の障害が生じれば、物体の運動はそこで停止します。
 
物体がPa-28の掛金部を通過すると、物体は完全に消失します。
放射線測定とタウニュートリノ・ビーム飛跡検出装置の部分的な測定結果、加速による空気中の分子衝突に伴う破壊的なエネルギーが同時に98.93%まで消失している事実、顕著な多光子分解現象の発生、空間質量の変化、消失と同時に0.000006秒間のみ観測される極端なヒューム値の減少等の情報から、この際物体は瞬間的に空間を破壊し他次元へ移動するものと考えられています。
Pa-1とPa-28を除くPa-O通過時の加速度合は不安定ですが、多くの場合、物体はPa-23通過時に光速に達します。その物体が、加速による分子崩壊または圧力による熱崩壊の進行以上の速度で光速を突破した場合、物体は形状を保ったままPa-28を通過している可能性があります。
 
光速突破後の物体の速度は検知器による計測が不可能であり、次元突破時にPa-Oを除く周辺環境を空間ごと「巻き込む(引き込む)」事から飛跡計測も困難とされています。そのため物体の最終的な速度は判明しておらず、現実の崩壊と次元突破に有効な要素は未だ発見出来ていません。
また、Pa-OはSCP-283-JPによってもたらされるあらゆる現象の影響を受けていません。
 
補遺: SCP-283-JP回収・調査報告概略
Pa-Oは████████に所有されており、████████の[削除済]である[編集済]によってSCP-283-JPが実行されました。その結果████████は消失し、建造物の瞬間的な消失を目撃した周辺住民によって情報がもたらされ、財団による調査の結果断片的に残存した████████のデータからPa-Oの回収に至りました。
 
現在は████████消失の原因を残存データから調査する作業が進行中です。調査が完了し████████消失の原因が判明するまで、SCP-283-JPの実験は行わないよう徹底してください。
 
調査は完了しています。以下にその記録を記載します。
 

回収した映像記録

概要: ████████跡地より回収した、破損した映像記録装置の映像を一部復元したもの。SCP-283-JP実験を撮影した映像記録と思われる。実験現場には、撮影者と、不明な発話者の最低2名が存在していたと思われる。また、████████の消失に伴う行方不明者は公式には51名であるが、この2名に該当する者は確認されなかった。

備考: 映像と音声は非常に破損が激しく、現在も復元作業が進行しています。

<映像開始>

ホワイトノイズから映像が始まる。

ホワイトノイズの上に、うっすらと本報告書添付の画像と同様の模様を映した映像が流れ始める。

不明な発話者: [破損]れ[破損]しまくん[破損]じっけんかい[破損]て[破損]らいになるだろう

画面が大きく揺れながら、視点が持ち上がる。並んだPa-Oを真上から映しているような状態になる。

画面左上から、手のようなものが映り込む。鮮明では無いが、Pa-28を持っていると思われる。

不明な発話者: おくぞ

映り込んだ手のようなものが画面から見切れる。Pa-28が正しい位置に設置されている。

即座に大音量の轟音と金属音が響き始める。

不明な発話者: [破損]んだ[破損]そうがい[破損]がおきて[破損]

画面が大きく揺れ始める。人の悲鳴とも金属を引き裂くような音とも言えない甲高い音が響き始める。

映像全体の輝度が上昇し始める。轟音が更に大きくなり、画面は大きく乱れるように揺れ、撮影者の体の一部が映像に映り込み始める。

一瞬だけ、カメラが並べられたPa-Oに再度向く。Pa-1側からカメラを向けたと思われる。

巨大な黒い渦のようなものが、筒状空間の延長線上、Pa-28の更に奥の空間上に存在しているのが一瞬だけ撮影される。周辺の空間にはヒビのようなものが浮いており、SCP-283-JPによって発生する閃光とエネルギーの大部分が黒い渦へと収束しているように見える。

撮影者のものと思われる絶叫。

視点が窓から外へと移動する。カメラが████████外部へと放り投げられたものと思われる。

映像に一瞬、████████が瞬間的に「収束する」模様が映り込む。

カメラが着地するのと同時に映像が途切れる。

<映像終了>

 
以上の映像と、SCP-283-JPについて████████から回収された残存データの照合により、SCP-283-JPはPa-1を通過した大気中の分子または粒子全てを加速し次元突破現象を連続的かつ継続的に発生させていたことが分かりました。
それによって極端なエントロピーの減少が発生し、連鎖的な空間の崩壊を誘発した事で████████は分子崩壊しながら、加速された分子または粒子に牽引されるように他次元への「穴」へと収束し消失しました。████████は吸引時の周辺空間のエントロピーの減少とその後の安定状態への移行の過程に組み込まれ、現在他次元の空間そのものに混合し、他次元内に遍在しているものと思われます。
 
連鎖的な空間の崩壊が自然的に終結し、復元された理由は不明ですが、SCP-283-JPを1.3秒以上継続する事は同様の現象を発生させるリスクを有すると結論付けられています。
技術的にSCP-283-JPを解明する必要性は、担当チームに属する多くの研究員によって支持されていますが、上記の現象はXK-クラス:世界終焉シナリオを誘引し得るものと見なされ、実験手順の厳重化と専用設備の構築が指令されています。
 
現在は"石臼"が稼働中です。
SCP-283-JPの「巻き込み」による一部破損を前提とした換装設計であり、SCP-283-JP実験設備の完成形とは見なされていない事に留意してください。

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