SCP-285
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収容以前のSCP-285

アイテム番号: SCP-285

オブジェクトクラス: Euclid Safe

特別収容プロトコル: SCP-285はサイト-43のB棟にあるタイプ-IIIのヒト型実体収容室に収容されます。SCP-285には基本的な備品が与えられます。SCP-285は最近財団に協力姿勢を見せているため、本人の希望があれば、最低1名の警備員による監督下でサイト-43の植物園を自由に散歩することが、正確に2時間までは認められます。SCP-285は実験外において能力を使用することは許可されていません。この条件に違反した場合、前述した特権は取り消されます。

説明: SCP-285は人間男性であり、本稿執筆現在は23歳です。SCP-285に肉体的・精神的な異常性はありません。SCP-285の右手には“ゲーマーズ・アゲインスト・ウィードのミスター・チート”というタトゥーが施されています。SCP-285が過去に複数回除去を試みたため、タトゥーは僅かにぼやけています。

SCP-285は人差指を表面に押し付けることによって、物理環境と自らの肉体を自在に改変できます。これが行われると、対象物の表面には、緑色のテキストでHTMLコードブロックが浮かび上がります。これらのブロックは標準的なHTMLコードから逸脱するものではありません。SCP-285は特定のオブジェクトや環境を変化させるために、これらのコードブロックを編集して具体性のある現実改変を行うことができます。また、この能力はコンピュータやビデオゲーム等の電子機器にも及びます。

これらの改変は多くの場合、軽微であり、本来の“ソース”からごく僅かしか変化しません。度々見られる簡単な例としては、郊外地区にある広告を削除する、故障した自動販売機を修理する、ゲーム内実績を獲得するためにビデオゲームをハッキングする、特定のオブジェクトがある位置を変更するといったものがあります。変化は恒久的では無く、SCP-285によって維持されなければ、最初の改変から24時間以内に解消されます。多くのケースにおいて、改変は2~3時間以上持続しません。


回収ログ

SCP-285は、あるeSports1のイベントに参加した際に初めて財団の注意を引きました。イベント開始から3時間ほど、観客はイベントのコントロールとパフォーマンスに関する幾つかの問題点を訴え、両チームは相手方が勝つためにゲームをハッキングしたのだとお互いを非難し合いました。

この間に、SCP-285はイベント主催者のサーバーを“ハッキング”し、ゲームの結果に影響を及ぼしているのを警備員に発見されました。警備員から拘留される前に、SCP-285は警備員との間に巨大なコンクリート壁を作って逃走しました。これに続き、地元の法執行機関がSCP-285に対処するべく呼び出されました。地元警察署に潜入していたエージェントがSCP-285のことを聞きつけ、即座にその潜在的な潜伏場所をサイト-43へ通達しました。

SCP-285は、警察の捕獲を逃れるために道路防塞を形成しようと試みているのを発見され、速やかにサイト-43へ移送されました。


インタビューログ

質問者: ヘンダーソン博士
回答者: SCP-285
<記録開始>

ヘンダーソン博士: 貴方の一番最初の記憶は何ですか?

SCP-285: アラバマ州[編集済]の家の中で目を覚ましたことは覚えてる。雨の降ってる音が聞こえた。くすくす笑う声がして、見上げると子供が一人、俺を見ていた。そいつは、凍えて一人きりの俺を両親が通りで見つけたんだって言ったよ。そんで、「僕、いつも“リトル・ミスター”が欲しかったんだ」って言った。

ヘンダーソン博士: 貴方が何者であるかを、その子は知っていたのですか?

SCP-285: 率直に言うと、よく分からん。知ってたかもしれないし、知らなかったかもしれない。でも多分、俺が知ってる以上のことは何も知らなかったと思うがね。

ヘンダーソン博士: どういう意味ですか?

SCP-285: つまり、俺は自分が“ミスター・チート”で、存在理由が人を楽しませることだって以外はあまりよく分かってなかった。まぁ少なくとも、俺の作者はそういう風に意図して俺を作った。

ヘンダーソン博士: では、その両親はなぜ貴方を連れて行ったのですか?

SCP-285: 大した理由は無い。あの人たちは地元の教会の牧師夫妻でな、路地で生活してる連中を連れ帰って、まともな生活に復帰させる支援をしてたんだ。あの人たちは [沈黙] 優しい、良い人たちだったよ。


ヘンダーソン博士: どういう経緯でライブストリーミングの仕事を始めたのですか?

SCP-285: 子供の家に話は戻るんだが、そこである出来事があって、やむを得ず俺は他の、もっと安定した収入源を探す羽目になっちまったんだ。

ヘンダーソン博士: 具体的には、何が貴方をやむを得ない状況に追いやったのですか?

SCP-285: 何が起こったかについて俺は話したくない。あれについて話そうとすると、嫌な記憶が蘇る。

ヘンダーソン博士: ならいいでしょう。では何故、貴方は主たる収入源としてライブストリーミングを選んだのですか?

SCP-285: 本気か? ホントになんであれを選んだかを説明しなきゃいけないのか?

ヘンダーソン博士: 貴方さえ良ければ。

SCP-285: それが、こう、世界一向いてる職だったからだ。

ヘンダーソン博士: 詳しく説明していただけますか?

SCP-285: 喜んで。俺は座って、ピザを食いながら、インターネットで金稼ぎのためにWoWをプレイして、同時に人を小バカにしつつ、それにドギツい編集を加えてYouTubeに投稿できる。なんでそれが楽しいかも説明しないとダメか?

ヘンダーソン博士: その業務のための機器をどうやって入手しました?

SCP-285: それは、あー、配信を始める前はITの仕事をしてたんだ。それで、あー、多分、つまり、何と言うか、誰も見てない時にコンピュータを1台くすねた。そのコンピュータが存在してた記録も消去してたかもしれない。多分。

ヘンダーソン博士: 多分?

SCP-285: 間違いなく。

ヘンダーソン博士: そして、記録のため聞きますが、貴方はそれで生計を立てられたのですね?

SCP-285: ああ。こう、勿論、稼ぎがピューディパイ並みとまではいかなかったが、十分やりくりできた。自分の仲間が痛めつけられるのを見たがる連中が多いのには変な思いがしたもんだよ。あれで正しいやり方だったとすれば、良い娯楽だったと思う。

ヘンダーソン博士: 成程。では、例のeSportのイベントはどういうことなのですか? あれも娯楽のため?

SCP-285: まぁ、ある意味ではな。俺のアカウントの宣伝をする種にするつもりだった。だから注目を集めないとな? ビッグになるかお家に帰るかの二択さ、なぁ? 俺のプロモーションを投稿するまで、しばらく連中にはあたふたしてもらおうと思ったわけさ、ヘヘッ。

ヘンダーソン博士: しかし捕まりましたよね。

SCP-285: 捕まっちまったんだよな。


SCP-285: なぁ博士、ちょっと頼みを聞いてくれないか。

ヘンダーソン博士: いいですよ。何か必要な物でも?

SCP-285: この刺青を取ってもらえないか?

[SCP-285は袖をまくり、タトゥーを見せる]

ヘンダーソン博士: 除去の承認がもらえるように試みますが、まずは申請しないと何とも言えません。何故ですか?

SCP-285: 毎日、目を覚ますたびにな、俺は腕のこの刺青を見て、自分が何なのか、俺が何を意味しているのかを思い出す。

ヘンダーソン博士: 貴方が何を意味しているのか。

SCP-285: ジョークだ。人を楽しませることだけを意味して作られた、飽きられればすぐに捨てられちまう遊び道具。ジョークはいつだってそういうもんだろ、え? 古くて退屈になれば放り捨てられる。それ以外の理由で奴等が俺を作ると思うか? 人助けのために? ハッ!

[笑い]

SCP-285: 奴らは寄生虫じみたヤク中の束だ、自分の娯楽のことしか気にしてない。他には何一つ気に掛けやしない。奴らはきっと、他所様にたかったり盗んだりしたハッパを山ほど吸ってから俺を作ったんだ。感情を持つ生きた動物を創造して、そいつの人生全ての目的をジョークにしたらきっとヤバいぐらい愉快だと思ったんだろうさ。

[沈黙]

SCP-285: だから、俺はこれを腕から消したい。俺は自分の人生が丸ごとクソったれジョークだと思い知らされるのは嫌なんだ。

<記録終了>


補遺-285-A

SCP-285へのインタビューに続き、対象が目を覚ましたと主張している[編集済]通りについて調査が実施されました。調査の結果、SCP-285が“エイデン・テイラー”という少年の消失事件に関与した可能性が浮上しました。目撃者の証言によると、エイデンはSCP-285が参加した誕生日パーティーの日に姿を消しています。

目撃者たちは、エイデンがSCP-285に対し、参加者に向けてマジックを披露するように — 具体的には“僕を消す”ように指示したと主張しています。証言によると、SCP-285はエイデンに触れてHTMLコードブロックを表示しました。幾つかの“編集”に続き、エイデンは一切の痕跡を残さずに消滅しました。エイデンの消失とSCP-285の能力を見て参加者はパニックを起こし、SCP-285は家屋を逃走しました。

SCP-285収容プロトコルの改訂は現在、サイト管理官[編集済]の承認待ちです。


補遺-285-B

タトゥーの除去以来、SCP-285は財団職員により協力的になっています。2016/11/22、SCP-285は彼の担当であるサイトの心理学者、ヘンダーソン博士との一対一の面談を求めました。ヘンダーソン博士は財団の盗聴用ワイヤーを装備したうえで、SCP-285と意思疎通するように指示されました。

質問者: ヘンダーソン博士
回答者: SCP-285
<記録開始>

SCP-285: こんちは、博士、調子はどうだ? あんた一人か?

ヘンダーソン博士: 良好ですよ、それに、ええ、私だけです。

SCP-285: そいつは良かった。実は、あんたに話したいことがある。

ヘンダーソン博士: いいでしょう。何について話したいんですか?

SCP-285: 俺が見てる悪夢の事をな、ちょっと話そうと思った。

ヘンダーソン博士: どういう悪夢ですか?

SCP-285: あの — 確かにあんた一人なんだな?

ヘンダーソン博士: そうですよ。

SCP-285: なら良い。俺は… あいつの夢を見るんだ。

ヘンダーソン博士: あいつ?

SCP-285: 子供だよ、あんたたちが探り当てた—

ヘンダーソン博士: 待ってください、それは— いったい何故貴方—

SCP-285: あのヤク中どもが俺を“ミスター・チート”って呼ぶのにはそれなりの理由があんだよ。

[沈黙]

ヘンダーソン博士: 貴方は… あの時、自分が何をしたか分かっていたのですか?

SCP-285: 分かってなかったよ、あいつがあんな風に消えちまうとは思ってなかった。あれが永久的に続くとも知らず、きっと少しの間消えてるだけで戻ってくると思ったのさ。そして俺はただ逃げた、だって俺は… 俺は—

ヘンダーソン博士: 怖かったのですね。

SCP-285: 怖かった。俺はただ光が閃いて周りがわめいたり叫んだりするのをただ見るばかりで… それに圧倒されて、まともにモノを考えられなくなって、逃げたんだ。

[沈黙]

SCP-285: 博士?

ヘンダーソン博士: 何ですか、ポール?

SCP-285: 俺を… 助けてくれないか。

[沈黙]

ヘンダーソン博士: いいですか、私… 私には助けになれるかどうか—

SCP-285: 頼むよ博士、助けてくれ。俺はもうあいつの顔を見たくない、あの子があの白い空虚の中で叫んでいるのをもう聞きたくない、もういやだ。お願いだ、助けてくれよ、博士。

ヘンダーソン博士: 出来る限りの事はします。教えてください、貴方は何の夢を見たのですか?

[情報は倫理委員会の要請により削除されました]

<記録終了>


補遺-285-C

以下は、回収時のSCP-285が所持していたものです。

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