SCP-2861
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アイテム番号: SCP-2861

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-2861はサイト-17の標準的収容室に収容されます。全SCP-2861-1実例は高価値Anomalousアイテム保管ロッカーに収容し、実験以外で読むことは許可されません。誤ってSCP-2861-1に曝露した職員は、記憶処理のためにサイト-17の医療ターミナルに報告してください。

説明: SCP-2861は、直立時の身長およそ1.5mの、大雑把にヒト型をした構築物の指定名称です。SCP-2861はほぼ完全にバルサ材で構成されています。どのようにして電子部品が一切無い状態で機能しているのかは現在分かっていません。SCP-2861は知性を持ち、低音の男性的な口調でアメリカ英語を発声することが可能です。SCP-2861は概して財団職員に協力的であり、しばしば研究者に対して、プロのフィクション作家になりたいという欲求について話します。

SCP-2861は自ら「空想科学の不思議と興味の全てに、自然世界の美学を加えた」と語るスペキュレイティブ・フィクションのサブジャンルの一つ、”ウッドパンク”1の創始者を自称しています。本稿執筆現在、SCP-2861が書いた全フィクションは、SCP-2861が言うところのウッドパンク・ジャンルとして分類できます。SCP-2861はウッドパンク以外のジャンルの小説には興味をほとんど、あるいは全く見せていません。

8年間の収容下において、SCP-2861は小説6点と短編11点を執筆しており(SCP-2861-1と指定)、その全てが、より高度な電子技術に変わって複雑な木製の機械が台頭するという同じ基本的テーマに従っています(木製宇宙船、木製オートマトン、木製コンピュータ、木製超兵器など)。記録されているSCP-2861-1実例の要約リストは補遺-2を参照してください。

生きた人間がSCP-2861-1のいずれかに曝露した場合、対象者はそれを「これまでに読んだ中で最も創造的なフィクション」であると述べます。SCP-2861-1に影響された人物は、独自にウッドパンクをテーマとする小説を書くことに強い意欲を表明します。特筆すべき点として、SCP-2861-1の影響者は、以前の好みに関係なく、ウッドパンク・ジャンルに関係のない全フィクションを”退屈”または”創造的でない”という理由で拒絶します。人間読者へ著作が及ぼす影響について質問された時、SCP-2861は「他の人たちがウッドパンク・ジャンルに興味を示してくれることは、幸せなどという言葉では足りない」と回答しました。記憶処理はSCP-2861-1影響者の治療に有効であることが証明されました。

補遺-1: SCP-2861は2007年5月10日、██の小さな町███████外部にある█████████森で”木の人”の目撃情報が寄せられたことを受け、財団工作員が調査を行った際に発見されました。エージェント オズワルドによって森の中での活動について質問されると、SCP-2861は「取り組んでいる小説のインスピレーションを探し求めていた」と主張しました。SCP-2861は問題なくサイト-17へ搬送され、全ての目撃者にクラスA記憶処理が施されました。

SCP-2861の発見は、地元の作家テレンス・エドワーズの失踪と同時発生していることに留意すべきです。エドワーズ家の家宅捜索の結果、ウッドパンクのテーマに焦点を当てた異常性を持たない短編小説の原案数点と、SCP-2861を強く連想させる実体のスケッチが多数発見されました。テレンス・エドワーズとSCP-2861の関連性の調査が現在も進行中です。

補遺-2: 以下は記録されたSCP-2861-1実例の要約リストです。完全なリストは文書2861-アルファを参照してください。

指定: SCP-2861-1-4

題名: ウッドワールド(Woodworld)

形式: 小説

概要: 物語は西暦2965年頃の話であり、宇宙船アームストロング号の乗組員に焦点を当てている。彼らは一世紀以上前に地球を生存不可能な状況へと変えた不明確な破滅を逃れた最後の生存者たちである。小説の開始時点では、アームストロング号は植民地化を意図するくじら座タウ星VIへの到着まで約1ヶ月である。くじら座タウ星VIには生物がいないと考えられていたが、アームストロング号から展開された地表探査機は、惑星の表面に広大な古代の木造都市が何千も点在していることを発見する。

これらの都市には、隠遁生活を好み、純粋な思考のみを介して複雑な木製機械を作成する能力を持つ昆虫型エイリアン種族”ルガー(L’Gar)”が居住していることが徐々に明らかになる。ルガーが人類との惑星共有に不本意であることを知り、アームストロング号の乗組員はルガーに対する戦争を決定。人間に侵略を思い留まらせるため、ルガーは木製の大砲やミサイルでアームストロング号を攻撃する。アームストロング号の乗組員は、ルガーの木製兵器がアームストロング号の核兵器砲よりも遥かに優れていることを認識し、敗北する。ルガーは故郷へと凱旋し、アームストロング号乗組員のバラバラになった死体は惑星を練り歩くパレードで晒し物となる。

小説はルガーの将軍による「木が持つ純粋な原始の要素は、人間の魂なき鋼の兵器に常に勝利するであろう」という独白で終了する。

指定: SCP-2861-1-7

題名: 木のハート(Hearts of Wood)

形式: 短編

概要: 物語の世界観は別世界であり、かつて強大だった都市国家テルナザを主な舞台としている。最盛期のテルナザは技術革新でその名を轟かせ、アンドロイド・宇宙船・その他の不思議な発明を製造していた。しかし近年、テルナザは、ナズ=カッド(Gnez-Khadd。電気を司る神格であることが仄めかされている)の死が主たる理由となって、超大国としては衰退しつつある。テルナザの指導者たちは、電気へのアクセスが絶たれ、かつての偉大な文明が原始レベルまで没落することを恐れている。

テルナザで最も尊敬されている偉大な発明者の一人、ジェームズ・ランドール博士は、彼が”精霊”の力に依存していると主張する木材ベースの技術を電気に代わって用いることで、テルナザは再び力を取り戻すと考えている。理論を証明すべく、ランドールは6ヶ月間を費やして、電子部品に依存せず機能する、完全に木材のみで構築されたアンドロイドを作成する。アンドロイド(名称”ハーヴェイ”)はしきりにテルナザの市民と会いたがるが、町の人々はハーヴェイを”忌まわしき物”かつ”ナズ=カッドの思い出に対する侮辱”であると考え、即座に嫌悪する。ランドール博士の美しい一人娘、アメリアのみがハーヴェイを同等な存在と看做す市民であり、彼女は自分がオートマトンと恋に落ちたと考えるようになる。

ある朝、朝食を運んできたアメリアは、称号を剥奪されて夜の間に首を吊っていた父を見つける。もはや自分には何も残されていないと気付いたアメリアは、テルナザの人々の目を離れ、ハーヴェイと共に彼が創り出された森へ逃げることを決断する。到着時にハーヴェイは、彼らの愛を聖別するため、罪深い肉の心臓を捨てて純粋な木の心臓を入れなければならないとアメリアに告げる。当初アメリアは躊躇うものの、ハーヴェイに手順を実行させる。心臓が除去されると、アメリアは自らの頑固さを謝罪してその心臓を踏み潰し、二人は森の中へ共に消えていく。

指定: SCP-2861-1-10

題名: 木製の未来(A Wooden Future)

形式: 小説

概要: 物語は23世紀後半のある時点に設定されており、一貫してオハイオ州の小さな町ウィルズレイクで展開する。小説冒頭で、ウィルズレイクは最近になって”カルニ・ヴェン病”という、世界中の大都市崩壊を招いたと考えられる地球外起源のウイルスに屈したことが明かされる。病の影響でウィルズレイクの全住民は生殖能力を失い、現在の住民が最後の世代となることになる。

病がウィルズレイクを襲った数週間後、頭から爪先まで赤い衣に身を包み、片腕が木製の義肢になった男が町を訪れる。男はテーグ(カルニ・ヴェン病で破壊された大都市の一つ)から来た避難民を名乗り、町の問題に解決策を提供できると主張する。男の解決策とは、果実として子供を実らせると言われる伝説の樹、レンキスの最後の生体標本であった。町民たちは訪問者を怪しむが、これが町を存続させる最後のチャンスであると気付き、贈り物を受け入れる。木は植えられ、訪問者は来た時と同じように素早く姿を消す。

翌日、町民たちは、レンキスの樹が小さな木製の子供たちを生産しているのを見つけて大喜びする。町民たちはすぐさま木製の子供たちを自身の子として引き取り、簡単な農業と神への信仰を教える。時間が経つにつれてレンキスの樹はより多くの木製の子供を生成し、最終的にウィルズレイクのほぼ全ての夫婦が、少なくとも1人の木製の子供を持つ親となる。12月のある寒さ厳しい夜、訪問者が恐るべき知らせを携えて帰還する。訪問者はウィルズレイクに”ダニ”(巨大な金属製のシロアリに似た昆虫の一種として描写される)が接近しつつあることを報告する。ウィルズレイクの建物は主に木材から構成されているため、ダニの到着時に町が壊滅するのは確実と思われた。

町民たちは、町が”黄金の未来”を甘受できないことを恐れ、訪問者にもう一度助けてくれと乞う。訪問者は、彼らをダニから守ることはできないと述べつつも、町の木製の子供たちが生き残るための解決策を提供する。訪問者は、ウィルズレイクの全成人が命を絶ち、木製の子供たちに彼らの肉で保護シェルターを構築させるという案を示唆する。ウィルズレイクの成人たちは、町の存続のためならばこれは些細なことだという点で同意する。ダニが町を食い荒らす一方、木製の子供たちは肉で出来た掩蔽壕の中で笑い、今や人間がいなくなった小さなウィルズレイクの町(この時点でウッドレイクと改名)が”より良い、木製の未来”で繁栄するという希望について話し合う。

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