SCP-290-JP
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SCP-290-JPのインターフェース画面。

アイテム番号: SCP-290-JP

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: SCP-290-JPは一般的な電波暗室の中央に設置し、有線式の監視カメラで常にSCP-290-JPの状況を確認して下さい。

SCP-290-JPを用いた実験を行う際には、必ずセキュリティレベル4以上の職員の許可を取ってから実行して下さい。また、SCP-290-JPに入力する目的地は必ず地球の範囲内(日本圏内が望ましい)に留めて下さい。

SCP-290-JPが予期せず作動してしまった場合には、SCP-290-JP-Aを回収しSCP-290-JP-Aが齎した物を全て回収、処理、記憶処置して下さい。

説明: SCP-290-JPはサムスンの発売したスマートフォン、[編集済]の形状をしたデバイスです。普段は消灯されていますが、SCP-290-JPは電波の通る地域に入るとひとりでに画面を起動させ、簡素なインターフェース画面を表示します。この際にSCP-290-JPとしての機能以外の如何なる操作をしても、これ以上SCP-290-JPが反応を示す事はありません。電源ボタンのオン、オフ操作にも同様に何の反応も返しません。

SCP-290-JPのインターフェース画面には入力・サーチ欄があり、そこに通常のスマートフォンのナビで使用する際の様に目的地を入力すると、人間の入力者(以下SCP-290-JP-Aとする)は、何らかの強制的な力により一番近い目的地に最短の『直線距離』で5時間かけて均一な速度で直行します。間に障害物(建物や地面等)があった場合にもそれを壊して/掘り進んでSCP-290-JP-Aは進みます。また、この際にどれだけ衝撃や環境変化があってもSCP-290-JP-Aは元の人物としての大体の原型を目的地に着くまで残しています。無茶な目的地を設定した場合、大抵SCP-290-JP-Aは途中で死亡します。

SCP-290-JPは████年08月██日、サイト-81██の職員██ ██の背中に一通の手紙に写真と一緒に何時の間にか入れられていて、同僚によってそれは発覚しました。██はSCP-290-JPに対して何も心当たりが無いと証言しており、ポリグラフはその証言が事実だと示しました。

補遺1:
サイト職員██ ██の背中に入れられていた手紙全文

君たちもバカンスを楽しもうぜ!

ジョージ・プラトン、チン・ウラル、ヘルマン・ボブより

(ここにバカンスの際のような恰好をした3人の中高生の男性の写真が挿入されている。人物と背景の特定は出来ておらず、その中には野生絶滅状態に陥っている動植物の姿も確認された。)

私のバカンスは7月にもう過ぎ去ってるんだよクソガキ共。 - ██博士

補遺2:
サイト-81██内部もしくは外部でのSCP-290-JP使用実験記録一部抜粋

目的地: サイト-81██内部の食糧庫
被験者: Dクラス職員1名
補遺: 移動直線の間に薄い板を設置してある。
結果: 5時間をかけて非常にゆったりとしたスピードで目的地の入り口前に到着した。間に設置した板は全て押し割られ、被験者の鼻の骨が折れた。
備考: 死にかけのカタツムリのようなノロさだった。 - ██博士

目的地: お金を一番持っている人物の下に
被験者: Dクラス職員1名
補遺: 原文ママである。
結果: 居合わせた職員の中で被験者から一番遠くに居た██博士の本へと非常にゆったりとした速度で直行した。また、██博士がその場から動くと被験者も同様に新しい██博士の居る場所へと進路を変え、時間が経つ毎に被験者の移動速度は上昇していった。
備考: …自分から一番近い円周上に複数の人間がいない限りは、一番近い人物の下に連れてくるはずだよな?そいつが「近く」で「一番金を持っている」のだから。なのに私を追いかけてきたという事は、このSCPには小さな最低限、最大限の捜索範囲があるのかもしれん。 - ██博士

目的地: ネッシーの居る場所
被験者: Dクラス職員1名
結果: 被験者はサイト-81██の食糧保管庫にまで5時間をかけて移動した。被験者の静止した場の前には魚缶が大量に積まれていた。

目的地: 写真の場所
被験者: Dクラス職員1名
補遺: 被験者には予めSCP-290-JPと共に同封されていた写真を見せてある。
結果: 被験者は目的地を入力、サーチすると同時にその場から姿を消した。GPSによる位置情報検索もDクラス職員が元居た場所を指すのみ。また、写真の中に被験者らしき破片が散らばっていて、周囲の動物がそれを食していた。

目的地: 北海道
被験者: Dクラス職員1名
補遺: 被験者は、バイクに乗せた上でシート等に体を縛り付けてある。
結果: 被験者は自らを縛り付けている物を直進する勢いで全て振り払い/破りちぎって、目的地まで進んでいった。バイクは実験地から██m離れた地点で回収され、被験者も函館市の海岸近くで回収された。
備考: やっぱり無理か。 - ██博士

目的地: ブラジル
被験者: Dクラス職員1名
結果:[削除済]。衝撃波等が原因で██名の付近に居た職員達が重軽傷を負い、██名が死亡した。この事件を受け、SCP-290-JPの実験は一旦廃止される事になった。
備考: …地球の裏側と入力しなかっただけまだマシなのでしょうか。 - █研究助手

もしもお前がこれに遠い外国のどこかを入力したのなら、衝撃波で辺りは粉々になることだろう。言うなれば直線距離〔km〕を5〔h〕で割った数字がkm/hとなるんだからな。目的地が宇宙だというのならなおさらだ。扱いにくいシロモノだよ。 - ██博士

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