SCP-2940
評価: +2+x
SCP-2940.jpg

SCP-2940の第4フロア廊下

アイテム番号: SCP-2940

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: 自殺者監視所1としての外観と機能を有する第43観測所が青木ヶ原山腹に設置されています。通信システムが第1フロアのSCP-2940-A実体へ提供され、SCP-2940-B収容違反が発生した場合の要請、救難信号の送信のために用いられます。

改訂手順: 2015/1/4時点で、SCP-2940-A実体との通信体制は撤回されます。更なる抵抗が見られる場合、実体は鎮圧されます。SCP-2940-A実体に対するSCP-2940低層階への進入防止措置は不要と見なされています。しかしながら、SCP-2940周辺の保安対策の強化はSCP-2940-Bの自己収容に関わるため、現在検討中です。

説明: SCP-2940は、富士山の麓に広がる青木ヶ原樹海に存在する広大な地下壕です。この施設は主にコンクリートと鋼から構成されており、地下9メートルに及びます。第二次世界大戦中のドイツの産業用地下壕といくつかの構造的類似性が見られるものの、ほとんどの部屋は居住用に改装されています。SCP-2940内の無人の部屋は相当の荒廃状態を呈していますが、SCP-2940-A実体が居住する全ての部屋は概して清潔であり、生活に適しています。

SCP-2940は地下10階層を有し、各フロアには3~5人の家族(SCP-2940・グループA~Eと呼称されます。)が入居する5戸の住居が含まれています。全ての住居にバスルーム、居間、小さなキッチンがあり、1970年代初頭のアメリカの様式と一致する家具が備え付けられています。[編集済]によって、調理済み食品と水が各住居へと輸送されます。これは小腸の生物学的組織との類似性を示しますが、一方で機械的な部分を残しています。廃棄物も同一の手段によって移送されます。

SCP-2940-A実体はSCP-2940内に計23体存在しており、多様な民族・年齢の人間から構成されています。SCP-2940-A実体はSCP-2940から退出できず、死後に様々な肉体的異常を発現させます。しかし、全住居内における自律性とテレポーテーションはありふれた特性として観察されます。

SCP-2940の入り口へは、各フロアにある医療室の隣の階段を介してアクセスすることが可能です。しかしながら、全ての実体はそのような階段は存在していないと主張します。また、階段に通じる戸口へ強引に進入させることはできず、彼らが建物の壁と主張する目には見えない障害物によって遮断されます。このような状況にも関わらず、全ての実体は財団職員に対して非常に友好的かつ客もてなしの良い性格を示し、たびたび食事へと招待します。

SCP-2940-AとSCP-2940-BはSCP-2940の第1~9フロアに居住しています。時間異常の影響により、各フロアではそれぞれ異なる時期におけるSCP-2940-A及びBの姿が見られます。収容下に行われた実験は、SCP-2940のどのフロア(第10フロアを除く)においても時間が能動的には経過しないことを示しています。時間測定装置こそ動作しませんが、局所的時空間はSCP-2940内部における全実体の移動及び継続的な居住を許容しています。しかしながら、各フロアごとに46日間の時間経過が繰り返されているようで、これは第1フロアから始まり、後続のフロアへの時間的連続性を持ちます。例えば、第1フロアに置いた時計は第3フロアでも見つけることができ、動作を示さないにも関わらず、92日間の時間経過を測定します。SCP-2940の全住人に及ぶこの作用について、現時点では何も分かっていません。

不測の事態を引き起こしかねないため、既定事項であるSCP-2940-A全実体の死の妨害・救出の試みは行われません。SCP-2940の第10フロアは、いかなる時間拡張特性の影響も受けません。(補遺2940-LB4を参照してください。)

SCP-2940-Bは、階を下っていくにつれて次第に自律性を獲得し、あらゆる生物に敵意を示すようになる人間の死体です。その身体には、Falco rusticolus(シロハヤブサとして知られる)の骨格系に由来する要素がいくつか含まれています。頭蓋は肉のない頭蓋骨と置き換えられており、両腕は上腕骨から伸びる翼に変わっています。両翼の羽もまたFalco rusticolusのそれと同定できるものです。SCP-2940-Bの頭蓋骨は、相当な程度の発光及び白熱を起こします。

Ananias.jpg

第3フロアにいるSCP-2940-B

SCP-2940-Bの表皮には多くの裂傷があり、そこから黒い粘性物質を分泌します。SCP-2940-Bは視界内のあらゆる生物に攻撃し、その他の感覚系を欠いているように見えます。SCP-2940-Bは、相手を捕獲し、摂氏750℃以上に発熱した頭蓋近くに引き寄せ、その上半身にⅢ度熱傷を負わせることで対象を殺害します。さらに、4つの異なる事案において、嘴を使用して致命的な箇所を刺し貫いたケースが文書化されています。

致命傷に苦しんだ後に、対象の70%はSCP-2940-Bから排出されるものと同質の12リットルの物質へと即座に変容します。SCP-2940-Bの範囲内の全生物が根絶されると、2940-Bは残存物質を手で掬い集め、喉に直接注ぐという形で消費し始めます。

以下は、機動部隊ロー-2("都市探検家")の探査従事中に言及された情報です。観測設備が30代の夫婦とその娘、息子から成るSCP-2940-A(グループE)の住居内に設置されました。MTFロー-2は直接SCP-2940-Bの行動を観察し、SCP-2940-Aの記録映像を2名のDクラス職員を用いて回収しました。

フロア # SCP-2940-Bの活動 SCP-2940-A(グループE)の活動
1 SCP-2940-Bからは浅い呼吸が聞き取れる。聴覚・触覚刺激に対しては、いかなる活動・反応も示さない。 グループEは健全な状態にあり、職員への敵意は報告されていない。
3 SCP-2940-Bは二足歩行が可能となり、微かな白い輝きを発している。各住居の外を行ったり来たりしているものの、攻撃は行わない。 全ての家族はなお友好的だが、食品の品質と可食性についての不満を時折漏らしている。
5 男性的な泣き声がSCP-2940-Bから聞こえる。頭蓋骨の発光は家庭用蛍光灯と同等の明るさになったが、火傷による致命的なダメージは与えられない。最初の攻撃行動として、グループAから子供を引き離す姿が記録された。 グループEの父親が失踪。息子と娘は繰り返し吐き気と不快感を表している。母親は隣人からの探索の助力を受けて、父親の帰還を信じていることを表明する。
7 SCP-2940-Bは"サリクス"と"ウィロー"という2つの単語を繰り返し呟いている。速度の著しい増加が見られ、様々な理由から住居外へ退出した7体のSCP-2940-Aが殺害される。退出の主な理由は、他の実体から逃れるためである。 息子がグループEから失踪、居間は乱雑な様子が目立つ。バスルームから娘の空嘔吐する音が約20分ほど続き、その後無音となる。
8 SCP-2940-Bは全住居と繋がる廊下へ進入するあらゆる人物にすぐさま襲い掛かり、その動きを即座に止めるため、体表の物質を犠牲者目掛けて放出する。少なくとも10体のSCP-2940-Aの死亡が確認されている。 観測システムは弄くられている模様。SCP-2940-A実体の母親と息子がカメラに向かって、利用可能なディナーのレシピを問い合わせている。両者は死亡しているように見え、未知の力によって壁に向かって広がっている。住居内の床全体が黒い液体で水浸しになっているようで、その出所はバスルームであると思われる。
9 SCP-2940-Bによる戸口への絶え間ない殴打のため、第9フロアへは進入できず。SCP-2940-Bから発せられる光は極めて明るく、戸口の裂け目から直接観察した際には視力障害を引き起こす。 不明。観測システムは停止しており、前回探査を実施した職員はSCP-2940-Bの金切り声越しに、数人の女性の声がおそらく聞こえたことを主張している。
deaddinner.jpg

第7フロアにおけるSCP-2940-A(グループD)の住居居間の観測

補遺2940-LB4: 第10フロアは、SCP-2940-A実体への基本的必需品の供給を司る複数の機器を内包しています。低層階においてSCP-2940-A実体が甘受している生活状態にも関わらず、全装置は機能しているようです。別の部屋には、コンピュータ端末、ファイリングキャビネット、数点の文書がある単一のキュービクルオフィスが残されていました。生活状態やメンテンナンス上の各種手順の他には、文書全体にいくつかの個人的な所見が散在しているのが認められました。

1.03/33:2
こんな場所にいるのに仕事ばかりしているのは良くないと言われた。ああ… まったくだ。マットの一家を含む5家族はみな感じの良い人々だ。上層階の業務を処理するレイバー及びホーカーの作業量を考慮し、我々はしばらくの間ここに留まるつもりだ。事前に導入されたインプラントが皆をパニックから遠ざけてくれることだろう、少なくとも一月の間はいや、何とも言えない。本社への通信は円滑になっている。家族の身が保証されていることを知れたのは良かった。それだけが私の望みだ。

1.21/33:2
水の供給に関する些細な問題が発生。何かが水を汚染しているが、測定では特に問題ないようだ。汚染水は悪臭がする上、灰色がかっており生温い。私は上層に向かい、各家族に水を飲まないよう通達した。既にそれが食品の調理に使われてしまったことは伝えなかったが。これに関して取れる対策は何もない、抗ハロゲン剤が悪影響を中和してくれる筈だ。"何か"は特定の水溶液かもしれない。医療室は実のところ死体安置所でしかないので、そこに住人を送るような真似はできない。

1.22/33:2
非常事態。通常よりも遥かに大きい地震が発生し、バンカー全体を揺さぶった。端末は点滅した挙句に暗転し(最新モデルはそれだけで済んだが、テクトロニクス製品には手を加える必要がある。)、現在本社への通信は行えない。各住居を見回ったところ、どの家族にも大事は無く、物資を運んできた私を歓迎してくれた。しかし、何かが起きたということは彼らも気付いているだろう。私にできることと言えば、じっと待ち続けることぐらいだ。その他の指示は得られなかった。

DATE NOT FOUND
$3&.89/3[%# 端末がでたらめを吐き出している。"整合性 w/macrocosmOrigin2 が切断されました。現在は-/-ニアス"とは?一体私に何をしろと言うんだ?ここのマニュアルには対応策など書いていない。上層に向かうべきだろうが、マットや彼の子供たちに合わせる顔がない。彼らが今何を考えているか知りたくもないが、彼らは私のように考えてはくれないだろう。

reset at 0.01/00:1
階段の吹き抜けが、大きくなっていた。フロアは2層とも健在だったが、私は目撃した。それが目の前で拡がる様を。まるで面の上で塗り広がり、溶け失せていくパテを見ているかのようで、そしてそれは激しく青い光を放っていた。私は移動し、全ての住居を外側から施錠して回った。水に何か異物が混入したに違いないが、少なくとも皆生きている。私には専用の独立した供給装置が与えられているものの、それは単に本社にとって私一人さえ生存していれば良いからだ。ライト・クーリエ・エンタープライズが優先するものなど、自分たちの保身ばかり。異常者どもめ。

0.02/0:01
水を再び検査した。もう灰色ではなかったが、タンクの底に骨が沈んでいるのがはっきりと見えた。潜水スーツに着替えて回収に向かったものの… それは引き上げると同時に溶けて消えてしまった。タンクは全て密封されていたのに、どうしてそんな事が起きたのか見当もつかない。また、上層に再度上がったが、いくつかの部屋は施錠を解くことができなかった。アベルソン家の坊やと話すことができた。部屋の奥で家族が何をしているのか分からないと言っていたが、途中で彼は話すのを止め、私を凝視した。バスルームの扉の下からは黒い物体が流れ出ており、彼の母親であったと思わしき何かの声を耳にした。逃げ出す私を眺め、彼は笑っていた。

0.03/0:01
T連中は最悪の事態だと言ったが、私はここに彼らを置き去りにするつもりだ。必要書類を持参しさえすれば、連中は私を再配置するだろう。私が当事者であったことなど誰も知らなくて良いのだから。

0.04/00:1
階段に通じるドアに内側から自動ロックが掛かった。これで、外部との繋がりは絶たれてしまった。
もしこの通信が誰かに通じているなら、私の家族へ「君たちには私もLCEも必要ない」と伝えて欲しい。どこか他所の支社にいたままでは、連中は一月もしない内にマイケルを働かせ始めるだろう。あいつはまだ13だと言うのに。

0.07/00:1
端末は領域整合性ジャマーの破損を通知している。ブックレットは何も教えてくれない。救出を望む。全従業員の成功を祈る。

0.32/00:1
ドアが開いた。歌が聞こえる。上階に向かおう、確かめるために。光の使者、真なる光の運び手(courier of light)を。彼はそこにいる!アナニアス、私を呼んでいるのかい?救出はもう要らない、この身は精気に満ち満ちている。君と相見えるため、今こそ昇ろう。

補遺2940-LC5: SCP-2940の各住居内には大きなブロンズ銘板が取り付けられており、以下の内容2が刻印されています。

ライト・クーリエ・エンタープライズ:"隠れ家マイホーム!"

ご新居へようこそ!ここは地上世界から切り離されたシェルターです。これよりお客様が過ごす一風変わった人生を維持するのに必要なあらゆる物資は、私どもの方で用意させて頂きます。ここでは正体不明の存在の侵入に怯える必要などありません。お客様とその隣人方が暮らす5棟の住居、そこへ繋がる入口は十分に堅固であり、どこにも存在しないのですから。パニックとは集団崩壊を引き起こす大きな要因であり、安全な場所から逃走する人々すら出しかねません。そこで、出たり入ったりということを初めから無くしてしまえば、何の心配も要らなくなるのです!

また、指定食品及び水ストレージ、エネルギー保持器、医療追悼室の利用手順は守って下さい。お客様宅担当の従業員は地階にて非常に繊細な業務を処理すべく養成されているため、そこに続く吹き抜け階段への進入は禁止されています。入居者各位には、階下へ行こうとした人物に糾弾と厳罰を下す責務があり、彼らの如何なる弁解も無視されなければなりません。直ちにその身柄を医療追悼室の利用可能なセクトへと引き渡し、"成長"を生じさせます。嘆き悲しむことは処理の完了時に許可されています!

ここで起きる出来事は恐ろしく感じられるかもしれませんが、ライト・クーリエ・エンタープライズは顧客の皆様の保護に専心しております。恐れることはありません!唯一の望み、あるいはたった一つだけ残された希望は、この変革を受け入れた皆様方に仕える馬車馬となるでしょう!前進しましょう、我々の前に横たわる暗き深淵を踏破するために。我が家を前にしてモタモタしている場合ではありません!前進するのです、世界を苛み、私たちの日常に混乱をもたらすモノたちを越えて。今こそ前進の時、未来はもう目の前です、私どもはここでその願いに報います!前へ!前へ!前へ。

ライト・クーリエ・エンタープライズは責任を負いません。通信サービスが再び利用可能になった際は、9915-30-3214までご連絡下さい。異質な製品、入居後の変異、隠れ家マイホーム内に出現する実体は、隠れ家マイホームの付属品や担当の従業員ではありません。以上の事柄については、私どもの関知する所ではありません。隠れ家マイホームの"永遠食"及び"ラブ・ハイドレート"供給源の利用期限は3.09/33:2までとなっております。支援は現在ご利用頂けません。

特に指定がない限り、このサイトのすべてのコンテンツはクリエイティブ・コモンズ 表示 - 継承3.0ライセンス の元で利用可能です。