SCP-3017
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20█4年の逮捕に続くフレイザー・メルブルックの顔写真。

アイテム番号: SCP-3017

オブジェクトクラス: Euclid Neutralized

特別収容プロトコル (更新): フレイザー・メルブルックの火葬された遺体は、█ヶ所以上に散在した状態で自動監視下に置かれています。各場所の情報はレベル█クリアランスの個別サブディレクトリで個々のファイルに保管されます。遺体の場所に関するファイルにアクセスを試みた場合、意図的か否かに依らず、RAISA管理者に自動で警告が送られます。ファイルへのアクセスを試みた職員はクラスA記憶処理の後、現場勤務から最低2週間は外されます。

SCP-3017-Aの症状が財団職員に現れ、クラスA記憶処理以後も継続する場合は、SCP-3017はEuclidとして再分類され、新たな収容プロトコルが起草され、全ての影響された職員にはケースバイケースで更なる記憶処理治療が施されます。曝露の症状にはこのファイルや関連するファイル群への繰り返しまたは長期間のアクセス、メルブルックの遺体の場所に関わるファイルへのアクセス試行、遺体そのものへの接触の試み、SCP-3017に関連する追加資料の作成、上記収容プロトコルへの違反の試みが含まれる場合があります。



説明: (20█7/1/1無効)
SCP-3017は、フレイザー・メルブルックという名の、初期収容当時25歳だった男性です。SCP-3017は幾つかの異常な団体と深い繋がりを持っていると考えられており、複数の強盗、暴行、殺人を犯した疑いがあります。SCP-3017は23回逮捕されていますが、恐らくは後述する副次的異常性のため、正式に起訴されたことはありません。

SCP-3017の主要な異常性質は、近接している全ての人物に影響します。SCP-3017を直接的に目視した/会話に従事した対象者は、1分あたり1~5%の確率でSCP-3017の犯罪歴を自発的に認識します。対象者はSCP-3017が犯した個々の犯罪についての知識を得ることは無く、その暴力的な性質を全体的に認識するのみです。

SCP-3017に1時間以上曝露した対象者は、SCP-3017が収監されることを確実にしなければならないという強制衝動を経験し始める場合があります。これ以上の期間に及ぶ曝露は強迫的もしくは暴力的な行動へ至りますが、記憶処理によって簡単に治療が可能です。

SCP-3017の副次的な異常性は、長期間の収監を回避する能力として発現します。この効果は自発的に行使されていると考えられていますが、現象の正確なメカニズムは不明です。SCP-3017の副次的異常性は収容に際して深刻な障壁となっていますが、SCP-3017-1を使用することによって軽減できます。

SCP-3017-1は、SCP-3017の主要効果に対して完全な免疫を有し、SCP-3017が犯罪行為に及んでいることを納得させるのが不可能な状態にある12 13 14名の人間の総称です。既知の全てのSCP-3017-1個体の表が補遺3017-1-Aで閲覧可能です。

SCP-3017-1個体群を収監する・傷付ける・殺すと言った脅しは、SCP-3017の副次的異常性の効果を大幅に減退させます。この目的のためのSCP-3017-1の使用は従来の懲罰よりも遥かに効果的であることが示されており、SCP-3017に機密情報を開示させるための動機付けという二重の役割も果たしています。しかしながら、物流上の制約もあるため、従来の手段の方が一般に推奨されます。 SCP-3017-1の使用はSCP-3017から情報を取得するための手段として推奨されています。


補遺3017-1 A:

以下は、既知のSCP-3017-1個体群と、彼らのSCP-3017との接点のリストです。

指定 名前 年齢 SCP-3017との接点
SCP-3017-1-01 ヴィヴィアン・メルブルック・フォーチュイン 48
SCP-3017-1-02 ベック・メルブルック・シニア 49
SCP-3017-1-03 ザラ・メルブルック 18
SCP-3017-1-04 ベック・メルブルック・ジュニア 16
SCP-3017-1-05 マックス・メルブルック 11
SCP-3017-1-06 タバサ・フォーチュイン 78 母方の祖母
SCP-3017-1-07 ナディア・アルヴィン 24 婚約者
SCP-3017-1-08 ユージーン・スタイン 26 元・クラスメイト
SCP-3017-1-09 アンナ・マイヤー 25 元・クラスメイト
SCP-3017-1-10 ヴィクター・アボット 27 元・交際相手
SCP-3017-1-11 マックス・フリードリヒ 35 隣人
SCP-3017-1-12 ケイトリン・アデラルディ 22 元・交際相手

補遺: SCP-3017副次効果の緩和

SCP-3017による収容違反の試みが繰り返し行われた後、パリス・キラン博士とキャスリーン・ライアン研究員は、対象の過去の収監について調査を開始しました。その結果、SCP-3017が警察に収監された最長期間である22度目の逮捕の直前、SCP-3017-1-04が白血病と診断されていたと判明しました。

SCP-3017-1の健康状態に対するSCP-3017の認識が副次効果を緩和する可能性についての調査が承認されました。以下のインタビューは20█6/1/29にライアン研究員が実施したものです。

<記録開始>

ライアン: こんにちは、SCP-3017。ご気分はいかがですか?

SCP-3017: キャッチボールの最中にベックが目をじっと見つめてきた時みたいな気分だね。

ライアン: それで、近頃は警備員たちを手こずらせているそうですね。

SCP-3017: いいや、いないよ。なぁ、もし他の日のことを言ってるなら、俺は何もしてなかったともう言ったはずだぞ。

ライアン: 貴方は逃走を試みていた。

SCP-3017: トイレに向かって歩いてたら、いきなり奴にタックルを喰らわされたんだ。

ライアン: もし貴方が私を攻撃しようとしたら、私だって同じことをしたはずです。

SCP-3017: あいつには殆ど目を止める暇も無かったんだぞ。マジでもう一回この話を始めようってのか?

ライアン: いえいえ。貴方の言う通りです。この話し合いはキラン博士が既に終えていますからね。

SCP-3017: ああ、あの女とはもう一生分ぐらいも一緒の時間を味わったよ。

ライアン: (笑い) それはお互い様では?

SCP-3017: まぁな。

ライアン: えー、そうですね、貴方は少し前に弟さんの話をしてくれましたね。昨年の6月に治療を終えたという事でしたが?

SCP-3017: ああ、そうだよ。何でだ? まさか… ベックに何かあったのか?

ライアン: いえ。私たちが知る限りでは何も。

SCP-3017: だったら何が言いたいんだ?

ライアン: その… 私たちは、貴方のお祖母様が肺癌と診断されたという知らせを受けたのです。

SCP-3017: …何?

ライアン: 彼女は病院に行って…

SCP-3017: それはもう聞いた!

ライアン: 動揺しているのは分かります、しかし…

SCP-3017: ああ動揺してるさ! 動揺しない訳ないだろ! こんな事が起きてるのにアンタたちが俺をここに閉じ込めてるんだからな! 祖母ちゃんのために俺はそこにいなきゃならないんだ! 家族のために!

ライアン: 申し訳ありませんが、貴方を解放することは出来ません。この事を理解しておいてください。

SCP-3017: いいや、理解するべきなのはアンタ…

ライアン: ストップ! これは重要な事です、貴方には聞いてもらわなければならない。いいですか?

SCP-3017: (溜息) 分かった。

ライアン: 現時点では、医師たちは治療が可能だと考えています。すべて上手くいけば彼女は快癒するでしょう。しかしそのためには、貴方に協力的な姿勢を取ってもらわなければならないんです。

SCP-3017: どういう意味だ?

ライアン: つまりですね… その、これは私の決定ではありません、しかしもし貴方が今後も警備員に対して反抗的な行動を続けるようであれば、我々は彼女に治療を受けさせないことになります。

SCP-3017: でも、それは…それはおかしいだろ! そんな事させるか!

ライアン: これは私の決めたことではないのです。すみません。

SCP-3017: そんな事させてたまるか!

ライアン: これは上が決定した事項であって、私の一存では変えられません。貴方が動揺し、不安に思っていることは理解しています。しかし現状、貴方が彼女のためにできる最善のことは、私たちと協力することなのです、分かりましたか?

SCP-3017: でも俺はここにじっとしてなんかいられない。祖母ちゃんと一緒にいなきゃダメなんだ。

ライアン: 今は無理です、申し訳ありません。貴方が彼女を気に掛けていることは分かります、しかし彼女を助けたいのであれば、逃走の試みは全て停止してください。

SCP-3017: せ… せめて祖母ちゃんがどうしてるか、俺に伝え続けてくれるか?

ライアン: 善処します。

SCP-3017: 分かった。アンタたちの言う通りにしてやるよ。

<記録終了>

この勧告が下りてから、SCP-3017は現在までの4ヶ月間にわたって収容違反を試みていません。現在、SCP-3017-1-06の監視で、対象に重大な慢性的健康問題はないことが示されています。

補遺: 覚え書き、20█6/02/19

SCP-3017と異常な団体の既知および疑わしい接点を考慮すると、対象は潜在的な情報の金鉱です。しかし、これまでのところ、従来のどの尋問手段でも有用な情報は得られていません。これほど重要な情報を取得するためには、必要な情報を対象に明かさせるための代替手段を探さなければいけません。

SCP-3017の副次特性は、SCP-3017-1個体が何らかの形で危険に晒されていると信じている時は軽減されることが示されています。副次的効果はSCP-3017が自発的に発現させる能力であり、SCP-3017が逃げることを望んでいない、或いはもっと他の事柄に気を取られている場合に減退します。従って、SCP-3017のSCP-3017-1個体群に関する懸念は逃げたいという欲望よりもかなり重大なものです。SCP-3017の心理的評価は、この気質を人格に占める支配的要素として強調しています。

ここで我々が適用すべき手段は明白です。SCP-3017-1は我々が必要とする情報を最終的に抽出するための動機付けになり得ます。SCP-3017-1個体を封じ込めして、SCP-3017に対して彼らの身に危険が迫っていると納得させれば、対象は遥かに協力的になるでしょう。

SCP-3017-1は異常な存在として分類されているので、必要に応じて我々の裁量で収容できます。必要に応じて一時的に各個体を収容し、後に記憶処理を施して解放することを提案します。ごく僅かなリソースの出費で、すぐにも膨大な情報にアクセスできるようになるでしょう。

-キラン博士

提言はエリア-55管理官█████████によって2016/02/21に承認されました。

インタビュー尋問-3017-13:

20█6/03/13、SCP-3017-1個体を使用してSCP-3017から情報を得る手段の有効性を評価するため、SCP-3017-1-07がエリア-55に収容されました。以下のインタビューは、SCP-3017-1-07が現地に収容されている間にキラン博士によって行われたものです。

<記録開始>

キラン: SCP-3017、今日こそ私たちに協力し、[編集済]に関して我々が求めている情報を提供してもらえますか?

SCP-3017: 何だかよく分からねぇけど、とにかく俺はそれが何なのか知らないってことは言い続けるつもりだ。

キラン: いいでしょう。それならば、こちらの画面を見て、何が見えるかを教えてください。

(SCP-3017はキラン博士のコンピュータの画面を見る ― SCP-3017-1-07の収容室のライブ映像が表示されている。対象はショックを受けている様子を示す)

SCP-3017: なんで俺にこれを見せようと思った?

キラン: 質問に答えなさい、SCP-3017。画面には何が映っていますか?

SCP-3017: アンタら病気のクソ野郎どもが俺のガールフレンドを誘拐したと思わせたがってるのが映ってるよ。アンタはマジもんの狂人なんだな。

キラン: SCP-3017-1-07は拘留され、私たちの収容下に置かれています。そして…

(対象は立ち上がり、テーブルに手を叩き付ける)

SCP-3017: 何故だ?! 俺の弟と祖母ちゃんは両方とも死にかけてるかもしれないのに、俺をここに閉じ込めっぱなしで、今度はナディアを誘拐するだと?! お前らは皆クソッたれのサイコ野郎だ!

キラン: 座りなさい。さもないと警備を呼んで収容室に戻ってもらいます。

(対象は座る)

キラン: よろしい。さて、貴方は収容されて以来、私たちが要求してきた情報の提供を拒否していますね。私たちはその情報を今すぐにでも必要としています。新しいインセンティブがあればもっと協力的になるかどうか見極めることを決めたのはそのためです。

SCP-3017: あの子にこんな事をするんじゃない、まだあの子は何もしてないだろう! 頼む、お願いだよ、ここにいたらあの子はきっと気が狂って死んじまうよ! お前らにこんな事させてたまるか!

キラン: もし私たちの求める情報を明かすなら、SCP-3017-1-7は…

SCP-3017: あの子にはちゃんと名前がある! お前らは本当に…

キラン: もし私たちの求める情報を明かすなら、彼女に危害を加えることはありません。彼女は拘留下から解放され、この一件に関する記憶を持たずに家へ帰ることになるでしょう。

SCP-3017: でももう言っただろ、俺は何も知らない! 何で初めから知ってもいないことを話せるっていうんだ?

キラン: 貴方が情報を知っていることはお互いに承知の上です。

SCP-3017: そんな訳があるか! だいたい、お前らがあの子を解放するってことを俺が信用するとどうして思ったんだ? お前らは俺をここにもうずっと長いこと閉じ込めて、それで何の得をした? ゼロだ! そして今度はあの子にも同じことをしようってのか?! 俺にどうして分かるっていうんだ、もしお前らが…

キラン: SCP-3017、非協力的な態度を取り続ければ彼女に何が起こるかを知りたいですか?

(SCP-3017は手で顔を覆い、数秒間沈黙した後に返答する)

SCP-3017: 俺… 何かしら話してみるよ。あれについちゃあまり知らないけれど、話せる限りは話す。

[以下の会話は機密]

<記録終了>

このインタビューで幾つかの団体、特に[編集済]に関する広範な情報が得られました。その後、SCP-3017-1-07は記憶処理を施され、解放されました。

補遺: 覚え書き、20█6/03/20

20█6/03/13のインタビューでSCP-3017が提供した情報を見ていく中で、相当数の矛盾点が見つかりました。特に、[編集済]は[編集済]を考えると、正直なところ意味を成しません。更に、彼の話の多くはフィールドエージェントたちや[編集済]の構成員から得た情報とは全く一致していません。

SCP-3017の情報が信頼に値するかどうかを真剣に疑い始めています。対象が実際に何も知らないのか、未だに真の情報から私たちを遠ざけようとしているのかは分かりません。しかし今の私としては後者ではないかと思います。

-ライアン研究員

インタビュー尋問-3017-24:

20█6/04/16、SCP-3017の協力姿勢のための更なる動機付けとしてSCP-3017-1-05、-08、-10、-12が拘留されました。20█6/04/16、キラン博士には以下のインタビューを実施するための特別クリアランスが付与されました。インタビューの前に、SCP-3017-1-10は鎮静状態で別な収容室へ移され、SCP-3017とのインタビューは隣接する観測室で行われました。

<記録開始>

キラン: OK、始めましょうか。SCP-3017、今からある物を貴方に見せて、それが何であるように見えるかを質問します。

SCP-3017: そうかい、さっさと済ませてくれ。

(キラン博士は使用済のホローポイント弾をテーブルに置く)

SCP-3017: なんだかさっぱり分からん。

キラン: いいでしょう。では、もう一つ別な物を見せますので、同じように答えてください。

(キラン博士は未使用のホローポイント弾をテーブルに置く。数秒の沈黙)

SCP-3017: …弾丸だな。

キラン: その通りです。では、最初の物体が何なのかはもう分かりますか?

SCP-3017: これも弾丸だ。だよな? し… 知らねぇけどさ。

キラン: そう、弾丸です。何故このような形状になっていると思います?

(数秒の沈黙)

キラン: OK、ではこう言い換えましょう。これらはホローポイント弾です。弾丸がこのような形になっているのは、発射されてから何かを貫通したからです。

(キラン博士は椅子から立ち上がり、隣接する収容室の照明を点ける)

キラン: そしてあの部屋にあるのが、発砲の的にした物です。御覧になってください。

SCP-3017: (不明瞭)

キラン: 何ですって?

(SCP-3017が立ち上がる)

SCP-3017: ブチ殺してやる、クソ野郎!

(キラン博士は即座に拳銃を抜き、SCP-3017に狙いを合わせる。数秒の沈黙)

キラン: 座りなさい。今すぐに。

(SCP-3017は再び座り直す。呼吸は荒い)

キラン: 私たちに嘘を吐くとこういうことになります。

SCP-3017: 頼む…

キラン: 貴方が嘘を吐けば吐くほど、貴方にとっての状況は悪化するでしょう。さて、私たちが求める情報を提供する気になりましたか?

SCP-3017: 俺は何も知らない。すまない。頼むから…

キラン: そんなのはデタラメだとお見通しです。

SCP-3017: さっさと俺を撃てばいいだろ?!

(キラン博士はアクリルガラス製の観測窓に向けて発砲する)

キラン: 貴方のゲームにはうんざりです。真実を話さないようならあいつをもう一発撃ってもいいんですよ。

SCP-3017: できない… 何で… そんな…

(SCP-3017はこの後数分間泣く。インタビュー終了)

<記録終了>

SCP-3017-1-10とSCP-3017は無傷で収容下に戻されました。

補遺3017-1 g35a:

20█6/04/29、ライアン研究員はエリア-55管理官█████████に以下の提言を提出しました。


キラン博士の勧告を受けて、ライアン研究員はSCP-3017-1-13に指定され、収容されました。

事案I-3000 20█6/05/17

20█6/05/17、SCP-3017-1-13は保安職員ルドルフ・カリダッドの支援を受けて収容室を脱走しました。SCP-3000-1-13はエリア-55の収容違反警報を手動で作動させ、この間に保安職員カリダッドはSCP-3017の収容室に駐留していた他の保安職員らに施設内のシェルターを探しに行くよう指示を出しました。SCP-3017-1-13はSCP-3017の収容室に入り、対象の収容下からの逃走を支援しました。

保安職員らはSCP-3017やSCP-3017-1-13を捕縛することができず、どちらも施設内を脱出したと考えられます。保安職員カリダッドはSCP-3017-1-14に指定され、収容されました。この事件に続いてキラン博士の失踪が報告されましたが、20█6/05/25に再びエリア-55に帰還しました。

house_fire.jpg

事案I-3017-1 Nを写した動画の静止映像

事案I-3017-1 N

20█6/05/23の現地時間03:00頃、SCP-3017の旧家で火災が発生しました。火災は急速に広がり、問題の家屋と2軒の隣家を全焼させました。この火災により、SCP-3017-1-01から-07、および-11、並びに2名の一般人が死亡しています。火災の原因は調査中です 人為的な放火であると判明しました。

事案I-3017-EX

20█6/05/24、SCP-3017は死亡した状態で発見されました。対象は旧家跡からおよそ1km離れた橋から飛び降り自殺を図ったと考えられています。SCP-3017-1-13が近隣で発見され、抵抗することなく再収容に応じました。

以下のインタビューは2日後、SCP-3017-1-13に対してキラン博士が実施したものです。

<記録開始>

キラン: さて、貴方はここのプロトコルを承知しているでしょうけれど、念のため明確に…

SCP-3017-1-13: まるで普通のことみたいに振る舞おうとしないでちょうだい、パリス。私たち2人ともこれが普通じゃないことは分かってる。もし収容違反のことを聞きたいなら、ルディが疑問点を全部埋めてくれるはずよ。全ての細工をしたのは彼だから。

キラン: 封じ込め違反のことには関心が無いのです。興味があるのは、脱出した後に貴方とSCP-3017の間で何があったかなのですよ。

SCP-3017-1-13: 私たちは[編集済]までヒッチハイクで向かって、彼の家は焼け落ちて、彼は橋から道路に飛び降りた。これについては話したくない。

キラン: 具体的な内容が必要なんです。

SCP-3017-1-13: OK、分かったわ。知りたいことを指定して。

キラン: [編集済]に着いた後のことを教えてください。

SCP-3017-1-13: そうね、郊外に着いたのが朝の3時か4時頃だった。もうその時に火災は始まってて、私たちの場所からも光が見えた。フレイザーは道を先導していたけれど、ますますパニックになっていって、私も火災が彼の家の近くで起きていることに気付いた。彼は走り始めて、少しの間見失ったけれど、炎の方角に向かって行ったら、現場を見つめている彼を見つけたのよ。

キラン: 近付いた時、怪しげな人物の姿は全く無かったのですか?

SCP-3017-1-13: 見たのは消防士だけ。

キラン: それは確かな事ですか?

SCP-3017-1-13: ええ、確かに決まってるじゃない。私が到着した時、家はもう全焼寸前だった。誰かが放火したのなら、その時にはもう遠くまで逃げおおせているはず。

キラン: それで、その、SCP-3017はその時どういう行動をとっていましたか?

SCP-3017-1-13: 貴方は何を期待している訳? 私は彼が家の中に走り込もうとしていると思ったから、それを抑えに行ったわ。でも次第に力が抜けていって、彼はただそこに膝をついた。もうあの時には遅すぎるって気づいたんでしょうね。彼は長いこと泣き喚いて、その時の私にはただ彼を火から遠ざけることしかできなかった。

キラン: どのぐらい長く現場に留まっていましたか?

SCP-3017-1-13: 見当もつかない。通りを少し下った場所まで動かすことはできたけれど、その後は太陽が昇るまで動こうとしなくなった。

キラン: その時の… その時のSCP-3017の様子はどうでしたか。

SCP-3017-1-13: 貴方はどう思う?

キラン: お願いです、その時の様子を述べてください。

SCP-3017-1-13: 彼は… 恐れていて、心が折れてた。通りを歩かせていると「死にたくない」って独り言を呟き始めたから、私は彼は安全だって言い聞かせようとしたけれど、彼はもう完全に挫けてた。今まで… 嗚呼、今まであんなに… あんなに打ちのめされた人を見たことが無かった。

(SCP-3017-1-13は沈黙し、顔を拭う)

SCP-3017-1-13: ったく、やってられないわ。

キラン: 構いませんよ。続けますか?

SCP-3017-1-13: 私は… 彼を少し近くのモーテルに連れていって、ルディがくれた現金の一部で部屋を借りた。彼が十分落ち着いた時点で、彼を部屋に残して火災の情報が得られないか、逃げ延びた人がいるかを確認しに行ったけれど… 正直彼には嘘を吐きたかった、彼を傷付けないような何かをね。でも皆…

(SCP-3017-1-13は顔を手で覆う)

キラン: …キャシー、一旦、休憩を入れますか? もし…

SCP-3017-1-13: いいえ! この話は今最後まで聞いて!

(SCP-3017-1-13は数秒間荒く呼吸する)

SCP-3017-1-13: 貴方には彼が見えてなかった。何一つ見ようともしなかった、でも私は見たのよ。彼は… その晩私が眠って、翌朝目を覚ました時、彼は姿を消していた。もう死んでいたわ。

キラン: 何故SCP-3017が自らの命を絶つことにしたのか、どんなものでもいいです、貴方には考えがありますか?

SCP-3017-1-13: さぁ、分からないわ。彼は家に帰って家族を一目見るために5日間費やして、ただ彼らが火に巻かれて死ぬのを目の当たりにした。多分それが理由じゃないかしら? 或いは、もしかしたら、彼らはもう大丈夫なんだ、とうとう家族は命の心配をしなくても良くなったんだと思ったからかもしれない。これで十分な理由になるでしょう? そうでしょう?!

(SCP-3017-1-13は深呼吸する)

SCP-3017-1-13: 私は彼に… これまで私たちが吐いてきた嘘のことを全部話した。どれだけ長く彼をだましてきたかを話して、彼はそれを気に掛けなかったし、怒りもしなかった。彼はすごく幸せそうで、家族を一目見に行く準備万端だった。彼はただ幸せに、彼らと一緒に生きたいだけだった。とても生きたかった。死にたくなかった。

キラン: そ… そうですか。

SCP-3017-1-13: 彼はすごく怖れていた。彼は死にたくなかった。一瞬信じられなかったわ。

<記録終了>

SCP-3017はNeutralizedに再分類されました。


説明 (更新): SCP-3017は、フレイザー・メルブルックという名の、死亡当時27歳だった男性の指定名称でした。メルブルックを直接的に目視した/会話に従事した対象者は、1分あたり1~5%の確率でSCP-3017-Aを発症する可能性がありました。

SCP-3017-Aは、影響者に対して、SCP-3017を拘留しなければならないという強制衝動を植え付ける認識災害効果の名称です。SCP-3017-Aに影響された人物はSCP-3017のことを、監禁状態から脱走するための異常能力を有する危険な犯罪者として知覚しました。SCP-3017-Aはしばしば対象者をメルブルックに執着させ、彼の近くから引き離そうとする試みに対して抵抗させる結果を招きました。クラスA記憶処理はSCP-3017-Aを緩和させることが示されていたものの、その後SCP-3017に再曝露すると症状は即座に再発していました。

SCP-3017-1は、SCP-3017-Aの効果に対して免疫を有していた、メルブルックと個人的に密接な繋がりを持つ12名の民間人と2名の財団職員の総称でした。SCP-3017-Aの効果がメルブルックの死によって停止したため、生き残りのSCP-3017-1個体は既に異常とは見做されていません。SCP-3017-1-08から-10、および-12は記憶処理を施され、一般人口へと返されています。ライアン研究員と保安職員カリダッドは(元SCP-3017-1-13および-14)は財団の雇用下に復帰しました。

メルブルックの犯罪歴、ならびに彼と要注意団体の間に疑われていた接点についての報告には、一切の根拠が存在していません。犯罪歴と異常な接点に関する調査は全て打ち切られています。


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