SCP-308-JP
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SCP-308-JPの光が放出されているSCP-308-JP-1。

アイテム番号: SCP-308-JP

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-308-JPの維持のため、SCP-308-JP-1には常時電力が供給されていなければなりません。停電による電源の完全喪失を回避するため別々の発電所と接続した2系統以上の送電線を確保します。電源の完全喪失が発生した場合、電源車による電源供給に切り替え、順次電源車を追加します。SCP-308-JPの蒸発が、回避困難な事態に陥った場合、地元警察に働きかけ近隣住民の避難を促してください。SCP-308-JP-1が設置されている場所は財団の保有するものではありませんが管理団体の協力により収容状態と秘匿性が維持されています。

説明: SCP-308-JPは、反物質保管装置(SCP-308-JP-1と呼称)内に出現した小型の発光体です。

SCP-308-JP-1は、████の███大学が保有する反物質を保管するための装置です。保管している反物質は、同大学の粒子加速装置の実験中に副産物として発生します。直径5cm高さ20cmの円筒形の装置に電磁石によって強力な磁場を形成し、SCP-308-JP出現当時で推定47個の反水素原子を保管していました。

SCP-308-JPが出現した正確な時刻は不明ですが、発見されたのは20██/10/15の午前8時ごろです。SCP-308-JPは、常に発炎筒ほどの光(約1200lm)を放っています。実体は直径5mmほどの球体であると推測されます。当初は当該大学のみで研究が行われていましたが異常な特性が明らかになり、各機関に情報照会を行ったため、財団の知るところとなりました。現在、秘匿性の維持と引き換えに当該大学との共同管理を行っています。

SCP-308-JPはその大きさにも関わらず安定した核融合反応を維持し発光を続けています。未知の原理によって水素が供給されているようです。

SCP-308-JPの光は発見当初から、わずかながら明滅をしており、規則的な反復が見られたため解読作業に回されました。解読の結果、モールス信号に似た信号で伊語に近い文章を取り出せることが判明しました。これは未知の存在(以降SCP-308-JP-2と呼称)による通信手段だと考えられています。こちらからは、磁場の調整によって反水素原子をぶつけることにより、『はい』と『いいえ』の返答のみが送信可能です。『はい』では2個、『いいえ』では1個の反水素原子を消費します。反水素原子の補給は現時点ではほぼ不可能です。

SCP-308-JP-2は非常に高度な知性を有した知的生命体、もしくは平行世界の存在と考えられますが、相互の存在を立証できないため詳細は不明です。

SCP-308-JP-2との対話記録001: 20██/10/15 8:30:00(推定)- 20██/12/24 14:25:40 -残りの反水素原子45個

SCP-308-JP-2: 『はい』なら2回、『いいえ』なら1回反応を示してください。(最初の返答をするまで繰り返していたと思われる)

返答: 『はい』

返答後、詳細な会話パターンが送信されてきましたが、『いいえ』と返答してからは単純な返答で済む質問が送られてきました。

SCP-308-JP-2との対話記録002: 20██/12/24 15:05:45 - 20██/12/29 11:10:27 -残りの反水素原子43個

SCP-308-JP-2: あなたたちは████の██████[地球では未発見と思われる惑星の座標]の住人ですか?

返答: 『いいえ』

SCP-308-JP-2との対話記録003: 20██/12/29 11:15:02 - 20██/01/18 16:07:30 残りの反水素原子42個

SCP-308-JP-2: あなたたちは幸福ですか?

この質問の返答には大学の教授たちとの20日間に渡る審議を行った結果、環境問題、エネルギー問題、経済的問題を含め以下の返答を送信。

返答: 『いいえ』

返答の結果、まだ地球上では確立されていない[データ削除済]の技術的情報が送られてきました。その有用性と安定した収容状態からSafeへの分類変更が申請されました。

SCP-308-JP-2との対話記録007: 20██/02/10 13:10:44 - 20██/02/15 11:12:45 -残りの反水素原子37個

SCP-308-JP-2: ██████[白鳥座に存在する座標]に向けて指定したパターンでニュートリノを発射してください。

地球の位置を把握するための指示と推測される。現在の技術ではまだ指向性の高いニュートリノを発射する技術がないこと、SCP-308-JP-2が友好的とは断定できない状況のため、以下の返答を送信。

返答: 『いいえ』

返答後、すぐさまニュートリノを発射する装置の設計図と思われるものが送信されてきました。地球上には存在しない物質を多数含むことが発覚。返答:『いいえ』を送信しました。

SCP-308-JP-2との対話記録019: 20██/05/13 11:25:00 - 20██/05/13 14:07:56 -残りの反水素原子21個

SCP-308-JP-2: プラズマを閉じ込められますか?

返答: 『はい』

返答後、すぐさまSCP-308-JP-2が使用していると思われる核融合炉の設計図を受信しました。実現の可能性から大学での研究が開始されました。

事案報告308-001: 対話019の75日後、事案308-001が発生。大学の施設の半分以上が失われるも収容状態は維持されました。詳細は事案308-001の報告書を参照。

SCP-308-JP-2との対話記録020: 20██/05/20 11:05:10 - 20██/08/20 11:07:05 -残りの反水素原子20個

SCP-308-JP-2: 送信した技術はお役に立ちましたか?

返答: 『いいえ』

返答後、謝罪の文章と思われるものが2分30秒に渡って送信されてきました。

以降も、さまざまなエネルギー発生に関する装置の設計図が送られてきましたが、ほとんどが現在の技術で実現不可能なものであり、実現可能と見られる研究も大学側が拒否しました。それら設計図には、それぞれ返答:『いいえ』を送信しました。

事案報告308-002: 20██/08/30 11:16:50 SCP-308-JPから半径50m以内にいた研究員および警備職員が昏睡状態に陥りました。SCP-308-JPを中心として、35秒の間に次々と職員が意識を失う様子が映像に残されています。事案308-002の被影響者は、依然として意識が回復していません。

事態の収拾後、様々な検査を行った結果SCP-308-JPから可視光の他に、可聴域外の音波が発せられていることが判明しました。収容装置SCP-308-JP-1内は完全に真空であるのにもかかわらず、SCP-308-JPから発生する音波はSCP-308-JP-1外部へ伝播します。この音波は、SCP-308-JP-2が意図的に流しているものと考えられますが、敵対的行動である可能性は低いと見られます。可聴周波数に調整した音源は[データ削除済]

SCP-308-JP-2との対話記録039: 20██/09/02 11:05:10 - N/A

SCP-308-JP-2: せめてあなたにやすらぎを。

SCP-308-JP-2との対話記録040: 20██/09/05 11:05:00 - N/A

SCP-308-JP-2: ちゃんと届いていますか?

補遺01: SCP-308-JPから発生する音波は徐々に強くなっており、施設の構造体を媒質とした弾性波を遮蔽することが困難になりつつあります。

補遺02: 収容装置SCP-308-JP-1は、密閉状態のまま反水素原子を補給できません。開放すれば即座の発光体の蒸発につながる可能性があります。発光体が保有するエネルギーの解放には破滅的な被害がともなうと予想され、財団と大学は反水素原子1つで2回の反応を促す方法、または密閉状態で反水素原子を補給する方法を広く募集しています。現時点での、装置内の反水素原子は残り1つです。

Safeへの分類変更は却下されました。

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