SCP-3090
評価: +11+x

アイテム番号: SCP-3090

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-3090はサイト-17の標準的なヒト型生物収容室に収容されます。携帯電話・コンピュータ・携帯ゲーム機などの個人的電子機器は、実験中を除き、SCP-3090の半径12m以内に持ち込みを許可されません。SCP-3090は毎週火曜日、オーガスト・リッチェン博士とブレイク・マクソン・ヤマグスク次席心理士による心理評価を受けます。

改訂版収容プロトコル 17/02/18: SCP-3090の自己終了行為が計画された収容違反である可能性を踏まえ、機動部隊カッパ-10 (“スカイネット”)がSCP-3090の疑いがある、もしくはSCP-3090に類似した能力を有している実体の発見任務を担当します。

説明: SCP-3090は人種・年齢が不明確なヒト型実体です。頭部は脱着可能なテレビセットに置き換えられており、このテレビはSCP-3090のみが取り外せます。電源ボタンを押すかSCP-3090の身体に接続して起動させると、テレビ画面に“ゲーマーズ・アゲインスト・ウィードのミズ・ビデオゲーム狂”というピクセル化されたロゴが、大きなピンク色のフォントで映し出されます。ロゴはその後、様々なテキスト文書へと変化し、これらはSCP-3090の気分に応じて顔のアスキーアートを形成します。頭部が分離している時、SCP-3090の首は標準的な5-15規格のコンセントで終わっています。この分離状態においてSCP-3090は他者と意思疎通/交流できません。

SCP-3090の半径10m以内にある全ての双方向メディアはSCP-3090-1実例になり、ゲームプレイ中の画面の左下隅にSCP-3090のアイコンが生成されます。SCP-3090-1のプレイ中にアバターやキャラクターが死亡、またはその他の行動不能状態になると、プレイヤーは緊張病的な硬直状態に入ります。この症状はプレイの再開時、またはSCP-3090-1実例が動作を停止した際に元に戻ります。意識を取り戻した対象者は、現実世界から乖離したような感覚や、デジタルアバターとの一体感を報告します。

SCP-3090は画面上に現れるグラフィック出力を制御し、自発的に改変できます。これは通常、プログラムのコードには含まれていない小規模なグラフィック調整の形式で行われます。SCP-3090は長期間/繰り返し異常効果を活性化させると疲労を報告します。非常に込み入ったグラフィックが表示されるプログラムもまた、SCP-3090を疲弊させます。

回収: 財団がSCP-3090の存在を把握したのは、ネバダ州ラスベガスにあるGameStop店舗の外で騒乱を起こした怪しげな人物についての警察報告を傍受した際です。問題の人物は“私たちはゲーム中毒を永遠に終わらせる世代になれる”と書かれた看板を所持していました。SCP-3090のスウェットシャツからは、他の“ミスターズ・アゲインスト・ウィード”に関連するものと一致する文書が見つかりました。

文書3090-A:

何てこったい! ゲーマーズ・アゲインスト・ウィードの、君だけのミズ・ビデオゲーム狂を見つけちまったな! 1時間プレイしたら15分休憩するのを忘れるなよ。ワンダーテインメント博士って誰それ?

みんな見つけてミスター・(イカれた)ゲーマーになろうぜ!

01. ミスター・文字通りのシリアルキラー
02. ミスター・標準
03. ミスター・バーニー・サンダース
04. ミスター・どこでもなんでも無料
20. ミスター・セックス・ナンバー
21. ミスター・天上の美
22. ミスター・大罪
23. ミスター・オリジナルキャラクター
24. ミスター・D.A.R.E.
25. ミスター・高級住宅化
26. ミズ・ビデオゲーム狂 ✔
27. ミスター・ミーム
28. ミスター・不吉(生産中止)
29. ミスター・運命
30. ミスター・モンティ・パイソン・アンド・ホーリー・グレイル
31. ミズ・サパティスタ
32. ミスター・チート
33. ミスター・タトゥーがあるやつ
34. ミスター・トップテクストとミスター・ボトムテクスト
35. ミスター・フィナーレ

補遺3090-A: 実験ログとインタビュー:

実験1

ゲーム: ニンテンドーゲームキューブ、“ゼルダの伝説 風のタクト”

プレイヤー: N/A

注記: メットワード技術補助員の監督下で行われた対照試験。SCP-3090とそのアイコンは、メットワードがゲーム機本体にコントローラーを挿し込むまで反応しなかったが、メットワードがコントローラーに触れるとアイコンが反応を返し、ゲーム中のグラフィックをやや誇張した雰囲気に変更した。コントローラーが引き抜かれると変化は消失した。

実験2

ゲーム: ゲームボーイアドバンス 2台、“ポケットモンスター クリスタル” 2本

プレイヤー: D-7215 および D-3015

注記: D-7215のゲームグラフィックは“ポケットモンスター ルビー/サファイア”のものに変化し、“[ポケモン名]は たおれた!”というメッセージは“[ポケモン名]は しんだ!”に置換された。D-3015のゲームグラフィックは“クリスタル”と同じだったが、ヒットポイントの減少に伴って赤いピクセルがポケモンの身体に表示されるようになった。見た目の改変はプレイする対象者ごとに変化すると思われる。Dクラスは両者ともに3匹ずつポケモンを所持しており、ポケモンが“たおれた”時にはその攻撃に予想されるものと一致する傷を負った。SCP-3090は新しいポケモンを自分で選択し、対象者の状態を回復させた。D-3015によるプレイが以下にテキストで転写されている。

"てきの バクフーンの かえんぐるま!"
"ラフレシアは やけどの ダメージを うけている"
"ラフレシアの どくどく!"
"てきの バクフーンは どくをあびた!"
"てきの バクフーンの スピードスター!"
手裏剣のホログラフ映像が出現してD-3015の身体を貫通し、床に血が流れる。これに気付いたD-7215は椅子から飛び上がり、ゲームボーイアドバンスを床に落として、プレイの続行を拒否する。
"ラフレシアは しんだ!"
"てきの バクフーンは どくの ダメージを うけている"
D-7215は床に倒れ、腹痛を訴える。

SCP-3090はこの時点でゲームの電源を切り、D-3015の頭を軽く撫でてから、当初座っていた場所へ戻った。

インタビュー3090-A:

回答者: SCP-3090

質問者: オーガスト・リッチェン博士

序: 実験2の後間もなく実施されたインタビュー。このインタビューを了承するまで、SCP-3090は財団職員との会話を拒否していた。

<記録開始、13:21>

リッチェン博士: こんにちは、ミズ・ビデオゲーム狂。

SCP-3090: ん… それはあんまりいい出だしじゃないと思うよ。母さんたちからもっと別の名前ももらってるし。

リッチェン: それじゃ、その人たちは君をどういう名で呼んでいたんだ?

SCP-3090: それは… 教えていいかどうか自分でもはっきりしてない。愛情が籠ってるけど、恥ずかしいし。

リッチェン: ならいいだろう。前回行った実験について話そうじゃないか。何故、実験2の途中で両方のゲームボーイの電源を落としたのかね?

SCP-3090 そうしないとあの人たちは戦い続けるだろうから。私、戦いって好きじゃないんだ。戦いは楽しくない、ゲームは楽しむための物だよ。それにあの人たちはどっちも楽しんでるように見えなかった。

リッチェン: だが、彼らがゲームの中で負けたり死んだりした時の経験については…

[SCP-3090の頭部は三点リーダを表示し、1分間にわたって沈黙を維持する]

リッチェン: どうやって例の現象をゲームの外部で起こしているんだ?

SCP-3090: あれはギミック。質の良いグラフィック。みんな良いグラフィックって好きでしょ。私もそうなんだ、昔のゲームをプレイしてる時でもね。近頃の良い映画ってみんな3Dじゃん、だからゲームでも同じことをすべきじゃないかなって思うわけ。

リッチェン: なら、プレイヤーが敗北時に入る状態は何なのかね?

SCP-3090: 分からない… 多分ゲームにのめり込み過ぎて、ゲーム内と同じように攻撃を受けたと信じ込むんだと思う。私がゲームをする時は何も起こらない。私はもう人間じゃないから、これについては話せない。私がやってるのはグラフィックをもっと現実的な見た目に増強してるだけだけで、あれはホログラム。人を傷付けたりできないはず。

リッチェン: それを踏まえてもう一度訊かせてほしい。何故、君は人々に例の状態を経験させているんだ?

SCP-3090: [SCP-3090の頭部は三点リーダを表示し、再び1分間にわたって沈黙を維持する。リッチェン博士は対象が再び話し始めるのを待つ] 完全に理想的な状態ってわけにはいかなかったみたいだけどね。多分、人が一番怒り狂うのはビデオゲームで死んだり負けたりした時だからだと思う。あの状態に入ると興奮とか敵意とかが入る余地はないから、頭を冷やして攻撃的なことをせずにいられる。とにかく、それが私なりの推測。いちいち自分の能力について尋ねようとは思わなかった。

リッチェン: 君の一番最初の記憶は何かね? 君を作成した人物のことは覚えているか?

SCP-3090: 私の母さんたち。あの人たちを“作成者”って呼ぶのは変な感じがする。私は母さんのうち1人の家に住んで、四六時中ゲームをしてた。他に何もする必要が無かったから、私にとってはいつもゲームしてられるのは嬉しかったけど、母さんがやり過ぎないようには気をつけてたよ。それで… 母さんたちは私をGameStopに連れて行って、ビデオゲームのトーナメントで優勝させようとした。私はすごく、すごくゲームが得意だから楽勝だった。勝って、それで勿論、他の人たちが、その、色々と騒ぎを起こした。

連中は景品のSwitchを渡さなかった。参加者の一人が、私の頭をコスチュームの一部だと思ってもぎ取ろうとした。外れなかったから私は自分で外した。みんなは… ビビり上がって、パニック状態でそれを私に接続し直して、私を外に締め出して警察に通報した。[SCP-3090は溜息をつく] 母さんについていこうとしたけど、見失って、結局は店の外に叩き出されちゃった。母さんに会いたい…

リッチェン: その母さん、或いはもう一人の母さんはどんな容姿だった? 君の下に連れてくることができる。

SCP-3090: ん… それよりかは、私の方が家に帰りたい。 [SCP-3090は禁止マークを表示し、その後の質問への返答を拒んだ]

<記録終了、13:26>

実験8

ゲーム: ニンテンドー3DS、“とびだせ どうぶつの森”

プレイヤー: D-8000

注記: “とびだせ どうぶつの森”には敗北システムが無いため、予想されるグラフィック変化以外の異常性は発現しないという仮説が立てられた。SCP-3090は当該ゲームを見て嬉しげな様子を見せ、非暴力性と合わせて、自身の好んでいるゲームであると表明した。D-8000は財団職員から指示を受けるまでプレイし続けるように指示された。

01:00:00、左下のアイコンから“ずいぶん長くプレイしてるね。休憩すべきじゃない?”という吹き出しが出現し、同時にSCP-3090も同じメッセージを声に出した。このフレーズは01:15:00、01:30:00、01:45:00に繰り返された。02:00:00、フレーズは“疲れてるように見える。目を休ませようよ”に変化し、02:10:00, 02:20:00, 02:30:00に繰り返された。02:45:00、フレーズは“すごく疲れてる。もうやめて”に変化。3DSは未知のピンク色の物質を漏出させるのが観察された。D-8000はメットワード技術研究員からプレイを続けるよう指示された。2:50:00、フレーズは“夢中になり過ぎてる。やめて!”に変化し、アイコンは憤激している外見に切り替わった。漏出する物体はより濃く、不透明になっていった。03:00:00、3DSは機能を停止し、SCP-3090は画面上に“読み込み中”マークを表示した状態で昏倒した。

事案報告書3090/890

関与者: SCP-3090, SCP-890

報告: サイト管理官エヴァレット・マンの承認を受け、SCP-3090と3DSは両方とも手術対象者としてSCP-890の下へ搬送された。SCP-890によると、3DSは重金属中毒と一致する症状を示していた。SCP-890は3DSが[編集済]と断定したが、物体の化学試験の結果、非異常性かつ複製可能であることが判明。3DSは“[通常の使用による]打撲傷”も負っていたが、こちらに死因との関係はなかった。

SCP-890から他の患者と同じでも“単なる肉の塊”でもないと見做されたため、SCP-3090は手術対象とはならなかった。SCP-890は職員に対し、同じような経験を基に、SCP-3090は数日間の休息を取れば元の状態に戻るだろうと勧告した。

インタビュー3090-B:

回答者: SCP-3090

質問者: オーガスト・リッチェン博士、次席心理士ブレイク・マクソン・ヤマグスク

序: インタビューはSCP-3090が本来の状態に復帰した翌日に実施された。

<記録開始、16:40>

ヤマグスク次席心理士: こんにちは。私はブレイク・マクソン・ヤマグスク、リッチェン博士と一緒にあなたと話したくて来ました。今回起こったことは大変だったでしょうけれど、私が何か助けに成れればと思います。

SCP-3090: ん… いいよ。私も本名を教えようって決めた。ヘザー。

リッチェン博士: ヘザーか。良い名前だ。ヘザー、君の経験したことについて語ってはもらえないか?

SCP-3090: 嫌だ。ああいう事はあまり起こらないようにしてもらえると嬉しいな。いつ家に帰れるか教えてもらえる? もう十分元気になったと思うけど。

ヤマグスク: 私たちはまだ貴方の親を探していますし、あなたが家に帰れるだけの健康を取り戻したかを確認中です。何があったか話したくないのは分かりますけれど、あれがあなたにとって新しい経験だったのであれば、どんな情報でも助けになります。

SCP-3090: なら… 話してみる。あの人がどうぶつの森を長い間プレイしてた時、私は彼のことがすごく心配になった。心配し過ぎて気分が悪くなってきたとも思う。ストリーミング配信してた私の母さんだって、あんなに長くゲームをプレイしてたことはなかった! 私—

[この時点でリッチェン博士の携帯電話が鳴り、彼はポケットから携帯を取り出して画面を見る。ロックを解除した際、表示されたのはゲームアプリだった。直ちにアイコンが画面の左下に表示されるが、当時リッチェン博士はこれに気付かなかった]

リッチェン: すまない、3090 — ヘザー。てっきり電話かと—

[SCP-3090の画面が即座に点滅する感嘆符に変化。携帯電話の画面が、ガラスの割れる音を伴って瞬時にひび割れる]

リッチェン: なん—

SCP-3090: ねぇ… こっちに注目してよ。今はゲームをする時じゃないでしょ。

[会話に19秒の間が空く。リッチェンはヤマグスクに携帯を手渡し、彼の曖昧な発言を受けてヤマグスクは部屋を出る。リッチェンは咳払いをしてインタビューを再開する]

リッチェン: そうだな、すまない。ポケットに携帯を入れっぱなしだったことに気付かなかった。続けてくれ。

SCP-3090: [SCP-3090の画面は、目の代わりに2つの“X”を配置した顔に変化する] あなたたちは私を番号で呼ぶ。文脈はともかく、聞こえが良かったことは一回も無い。 [20秒の沈黙。ヤマグスクが部屋に戻る] 私をここから帰す気なんて無いんでしょ?

ヤマグスク: あなたは… ここに無期限に留まることになるでしょうね。

SCP-3090: それじゃ、私の母さんたちは?

ヤマグスク: 私たちは彼女らの居場所を知りません。あなたをここへ連れてきて以来、捜索は続いています。

[SCP-3090は画面を読み込み中マークに変えてテーブルに寄りかかり、その後の質問への返答を拒んだ]

<記録終了、16:49>

実験12

ゲーム:Pauper: Rise of the Monster King

プレイヤー: D-2091

注記: 異常なゲームがSCP-3090の影響を受けるか、およびその結果が他のビデオゲームと一貫しているかを確かめるために行われた実験。SCP-3090はSCP-951に関する知識を持っており、それと相互作用することに興味を示した。直前のセーブファイルを読み込んだ段階では、初期の異常効果は通常通りに確認された。余分な細部をカットしたゲームプレイの転写抜粋が以下に収録されている。完全版の転写はメットワード技術研究員に要請すれば閲覧が可能。

SCP-951: こんにちは! きょうはウォーターランティスにいきませんか? きみがなかまにくわえたいモンスターが1、2ひきあそこにいるとおもいますよ。

D-2091: よっしゃ、行こうぜ。

SCP-951: なんだか、こんかいはすこしちがってますね。チートコードをつかったんですか? そんなことしなくたっていいのに!

D-2091: 俺は何もしてない。まずはマグマどうくつから出ようぜ。

20分後、ランダムエンカウントが発生。バトルの開始直後、SCP-951は通常の無作為なピクセルの塊ではなく、ゲーム“Mother 3”のキャラクターであるリュカが“大乱闘スマッシュブラザーズX”に登場した際の姿で出現した。SCP-951は一撃で敵モンスターを倒し、即座に本来の状態に戻った。

SCP-951: うーん… どうしてぼくはあんなふうになったんですか?

D-2091: 気付いたのか?

SCP-951: はい! あなたがなにをしたのかわかりませんけど、ぼくはこのへんかがすきじゃないんです。ぼくは、ぼくたちのためにゲームをもっとたのしくしようとしてますけれど、こういうふうにじゃまがはいるとへんなかんじがします。

SCP-3090: [この時点でSCP-3090のアイコンが割り込む] でもこっちの方がクールに見える。そこは喜ぶべきなんじゃない?

SCP-951: おや、このひとはだれですか? かのじょはここでなにをしてるんです? ぼくたちしかいないとおもったのに!

D-2091: お前は良いダチだよ、でもな… 別な奴を仲間入りさせたんだ。てっきりもう紹介してたと思ってたよ。

SCP-3090: は? [SCP-3090のアイコンと本体の表情が怒りに変わる] あんたなんか知らないし! 無理強いされてここにいるのに、あんたは私を図々しくも友達呼ばわりするわけ?

SCP-951: すごくおちつかないです! かのじょがそばにいるときはあそびたくないですよ。ゲームをきってもらえませんか、じかいはほかのともだちをよばないでください。

結: 続く2日間、SCP-3090の気分はかなり落ち込み、実験に非協力的な態度を取り続けた。

実験15

注記: 直近のインタビューに続き、プロジェクト・クラウドリーダーとの合同調査として、SCP-3090は空のTwitterアカウントを作成するように促された。11枚の画像が発見されたが、うち2枚が機密情報であった。9枚の画像が印刷された。11枚中3枚の画像は“ダンガンロンパ”シリーズに関連しており、SCP-3090はこれを“私”だと称した。1枚の画像はゲーム“ペルソナ5”のキャラクターであるモルガナを主題としており、上部に“疲れてるだろ?”、下部に“今日はもう寝ようぜ”というテキストが配置されていた。情報漏洩を防ぐためにTwitterアカウントは後ほど削除された。

実験16

ゲーム: “スーパーマリオブラザーズ”。無敵アイテムのスーパースターに触れてから50秒間、聴覚的ミーム殺害エージェントを再生する改造が施されている。

プレイヤー: D-8052

注記: SCP-3090は実験中、ゲームの性質について知らされていなかった。D-8052は発作を起こしたが、彼女の手はゲームの操作を継続した。SCP-3090は自らの意思でD-8025からコントローラーを取り上げようとしたが、D-8025はコントローラーを手放さなかった。マリオの死後、死因がSCP-3090の異常性によるものではないにも拘らず、D-8052は蘇生した。D-8052はゲームの電源が遠隔操作で落とされた際に再び死亡した。SCP-3090は実験後に精神的悪影響の兆候を示し、以下の記録までのインタビュー2回は、禁止マークを表示したまま無言を通した。

インタビュー3090-F:

回答者: SCP-3090

質問者: オーガスト・リッチェン博士、次席心理士ブレイク・マクソン・ヤマグスク

序: これは実験16から3週間ぶりに行われたインタビューであり、SCP-3090は再び質問者たちと会話する意思を見せると共に、以前よりも苦悩していないように見受けられた。

<記録開始17:00>

ヤマグスク次席心理士: こんばんは、ヘザー。今日は、体調は良くなりましたか?

SCP-3090: [溜息] 多分。もう家に帰して。あんたたちが私にやることには何もかもうんざり。

リッチェン博士: 我々には君の能力の限界を知る必要がある。そうすれば君が誰かを — 例え事故だとしても — 傷付ける恐れや不安を抱くことなく、君を一般社会に解放できるだろう。

[SCP-3090は空電の音声および映像を6秒間送出する。]

ヤマグスク: あの実験が素晴らしいもので無かったことは分かっています。あなたのために、大幅にあの手の実験を減らすことも可能ですよ。重要なのは、あなたが精神的に大丈夫であるか確認することです。ここへの滞在に順応するのは難しいかもしれません。私が話してきた多くの人々がそう感じています。だからこそ、あなたが健康であることを確実にしたい。

SCP-3090: んんん。 [SCP-3090の顔は10秒間三点リーダに変わり、やがて無表情を映し出す] 私が母さんの家に住んでた頃、母さんは私がゲームデザインの仕方を学ぶのを手助けしてくれた。私たちが取り組んでたのは格闘ゲームで、“ストリートファイター”みたいな、でも3Dの、もっとストーリー重視だった。“God Hand”みたいな感じかな。ゲイだけど。

リッチェン: ゲイ?

SCP-3090: 両方の意味でね1。私は… こういう風になるまでは [SCP-3090は身振りで自身の身体を指す] かなりゲイだった。今でもそう。大したことじゃないでしょ? とにかく、私はゲームの作り方を勉強するのが、ゲームをプレイするのと同じぐらい好きだった。でも、正直言うと、いつも変な感じがしてた。私はもう、ゲームを通して文字通りに人に影響を及ぼして、私の手でその人たちを編集できるようになった… その人たちを具体的な存在として感じることが少なくなった。それにさ、格闘ゲームって私にとっては暴力的すぎるんだ。楽しいけど、私はパズルゲームとか、ビジュアルノベルとか、そういうもっと大人しいやつの方が好き。はぁ。

リッチェン: 君は以前から暴力的なゲームが好きではなかったのか? 名前とは相反しているように思うんだがね。

SCP-3090: うん。架空のキャラでも傷付くのは楽しくないよ。ましてリアルの人間なんて。

リッチェン: それは君の能力と関係があると思うか?

SCP-3090: それに関して言いたいことはあったけどね、私が思うに、んー。私ができる例の… 物事の組み込みは、途中で少しメチャクチャになったんだと思う。でも私は母さんたちのことを責めたりしないから。

ヤマグスク: この手の創作というのは、結局のところ、完全に終えるのは難しいものですよ。ある意味では魔法のようなものです。彼女たちはきっとベストを尽くしたんでしょう。

SCP-3090: 尽くしたよ。 [溜息] 母さんたちが恋しい。今日の話はここまでにして。

<記録終了、17:04>

実験20

ゲーム: ゲームボーイアドバンス、“テトリス”(ゲームボーイ、1989年版)

プレイヤー: SCP-3090

注記: SCP-3090は新しいゲームを開始すると、ブロックがただ積み重なるのを待った。テトリミノ・ブロックの柱が完成すると、SCP-3090のアイコンは空いたスペースに移動し、ブロックは崩れてアイコンを押し潰した。アイコンは直撃時に消失。SCP-3090は意識を喪失した。新しいゲームの開始はSCP-3090を蘇生させることができなかった。3時間後、SCP-3090の死体は消失し、同じ場所に文書3090-Bおよび3090-Cが出現した。

文書3090-B:

死んだら、どこか別な場所で生き返る

フェイルセーフ機能。あなたに伝えておかなくてごめん。これで何とかなればうれしい。あなたになにかヤバいことが起きた場合にそなえて、おわびにこれも。合法だよ

文書3090-CはGameStopのPowerup Rewards Pro会員カードです。カードの上に記されている“超高校級”という文言を除いて異常な点は無く、GameStopで使用可能です。

特に指定がない限り、このサイトのすべてのコンテンツはクリエイティブ・コモンズ 表示 - 継承3.0ライセンス の元で利用可能です。