SCP-310-JP
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1度の分裂で得られたSCP-310-JP。

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補正指示が出された箇所の例。写真内の83%が正しくない組み合わせである。

アイテム番号: SCP-310-JP

オブジェクトクラス: Keter

特別収容プロトコル: SCP-310-JPは、20mx50mの広さを持った収容室の床に並べて収容されます。収容室には窓を設置せず、壁と天井は厚さ1m以上のコンクリートで建造されます。SCP-310-JP自体の危険性は確認されていないため、適合試験を受けたDクラス職員と担当研究員が接合作業を行います。収容室の床は黒色に塗り、一切の塵や埃がないように清掃されます。天井に設置された24個のカメラでSCP-310-JPを常時スキャンし、コンピューターの図形ソフトを用いて、接合部分を予測します。その結果を元に、接合作業を行ってください。

SCP-310-JP-1の収容は現時時点で不可能と考えられるため、SCP-310-JP-1の発生が確認された場合は、全骨質を奪われた対象者に対応できる装備と車両を用いて、対象者を収容します。収容した対象者は、常に人為的な昏睡状態に置き、骨格の復元作業が完了し次第、クラスCの記憶処置を施し帰宅させます。

将来予想されるSCP-310-JP-2-A002の発生に対応するため、収容室の壁には5mの間隔で燃料注入ノズルを設置し、床には爆薬による硬鋼線の射出装置を3m毎に埋設します。SCP-310-JP-2-A002の発生の際には手順310-gammaを順次実行していきます。手順310-gammaの項目36まで実行した後も、SCP-310-JP-2-A002が無力化できなかった場合、手順310-gammaの項目37が実行されます。

説明: SCP-310-JPは、白無地のジグソーパズルの総称です。1片の大きさは縦1.5cm横1.0cm厚さ0.2cmで、財団では、現在15000片前後のSCP-310-JPを収容しています。

SCP-310-JPは、孤立した1片の状態であった場合、平均370秒に1度の頻度で2分裂し増殖します。正しくない組み合わせの状態にあるSCP-310-JPでも、分裂が起こります。各片は非常に形が似通っており、正しくない組み合わせでも接続できてしまうため、現在の収容下にあっても1度に100個程度の分裂を引き起こしています。

正しく組み合わさった状態にあるSCP-310-JPのうち、最も外側にある数片が不定期に消失します。分裂周期と近しい間隔ですが関連性は不明です。消失する理由や原因は不明ですが、この消失現象により整合する辺が減少するため、収拾不能な分裂反応を抑えることができています。分裂数が102を超えた場合(孤立したピースが204を超えた場合)、後述のSCP-310-JP-1が発生します。

SCP-310-JP-1は、異常性を持った霧です。

SCP-310-JP-1の内部では、異常なほどの視程の低下(15m以下)、電波障害(極超短波から極超長波まで)、音波の吸収(50mでD-80に相当)などの現象が発生します。詳細な調査により、SCP-310-JP-1を構成する粒子は水蒸気ではなく、非常に微細な骨質の粒子であることが判明しています。

SCP-310-JP-1の粒子が、内骨格を持った生物に触れた場合、皮膚細胞の隙間から体内へ入り込み、骨質の一部を奪っていきます。SCP-310-JP-1の粒子の衝突で剥離した骨質は、SCP-310-JP-1の粒子と同様に、細胞の隙間から体外へ出て行き、霧の一部となります。この過程で対象に痛みなどは発生しません。対象はSCP-310-JP-1との接触から3分以内に、骨質の30%を失います。直立状態や歩行中の生物は、急速に骨格が軟質化することにより、自重やわずかな運動で骨折し、移動不能となります。さらに10分前後の経過で、全ての骨質が奪われます。失われるのは骨格のみであり、安静にしている限り対象は生存が可能です。

SCP-310-JP-1の発生場所に、規則性は見つかっていません。収容施設から最大2000km離れた場所で発生した事例もあります。SCP-310-JP-1は、地中から発生することが確認されており、活性状態終了時も、地中へ吸収されていくのが確認されています。考慮すべき点として、発生箇所のひとつに、地表に露出したK-T境界層が確認されています。他の発生箇所も、地中に存在する同地層から発生している可能性があるため、財団では同地層を調査、発見するための活動を行う研究団体に、資金提供及び監視を行っています。SCP-310-JP-1の影響範囲は最大半径20kmほどと見られ、SCP-310-JPの孤立したピースが204以下になるまで発生し続けます。

SCP-310-JP-1の内部調査については、調査記録310-F001を参照してください。

SCP-310-JPおよびSCP-310-JP-1の収容までの経緯は、調査記録310-A001を参照してください。

補遺01: SCP-310-JPの現在の形は、何かしらの生物の骨格を成していると見られ、脊柱の一部と思われる形状をしています。現存する脊椎動物と比較した場合、発生するSCP-310-JP-2-A002の全長は推定で300mを超えると見られ、絶滅種を含めた既知の生物ではないと予想されます。

違反事案A001: 19██/01/06 09:18:44 正しく組み合わされたSCP-310-JPの総数が██████を超えた時点で、SCP-310-JP-2-A001が発生。同時にSCP-310-JP-1も発生し、SCP-310-JP-2-A001の無力化まで発生し続けました。違反発生から収容までの経緯は、事案記録A001-Tを参照してください。

事案記録A001-T: [削除済]

[削除済]

担当研究員のメモ:
SCP-310-JP-2-A001の破壊行動により、いくつかのオブジェクトの収容違反が発生し事案記録A001は閲覧不能となりましたが、担当職員はSCP-310-JP-2-A001が、なにをもたらしたか忘れないでください。SCP-310-JPの焼却処分はできません。予期しない分裂反応を引き起こす可能性が高いためです。我々は、SCP-310-JPの接合作業を中止することはできません。骨を奪う霧が発生するためです。いつかこの霧の完全収容が成功したとき、無限のジグソーパズルから解放される日がくるかもしれません。しかし、その日まで、忘れないでください。SCP-310-JP-2-A001の全長は15m程度だったことを。

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