RAISA認識災害警告
警告: 以下の情報は、財団職員による情報災害の閲覧とその後の拡散を防止するため、O5評議会の承認を得て軽度の選択的障害を伴う認識災害で保護されています。これは以下の部門の財団職員を対象としています。
- 内部保安部門
- 対外保安部門
- 総務部門
- 管理部門
- 記録・情報保安管理局(RAISA)
- 倫理委員会
- O5評議会
承認されていない手段でこの情報にアクセスした場合は、直ちにこの文書を閉じて監督者に報告してください。これ以上は読み進めないでください。あなたが認識災害-RAISA-3104に曝露し、記憶処理を必要としていること以外の情報を監督者に開示しないでください。監督者がいない場合、運用マニュアル“RAISA認識災害: 手順と処置”を参照し、必要に応じて同僚の支援を受けてください。この際、あなたが認識災害に曝露したこと以外の情報を同僚には開示しないでください。
特別収容プロトコル: 財団保安職員、並びに保安上の管理階層に関与している全人物は、SCP-3104の性質に係る情報へのアクセスを認められません。ここにはレベル3からO5レベルまでの全ての管理職員、財団総務部門職員、RAISA職員、これらの部署からの通知を受けている者、および一般に財団職員が遵守すべき規則の施行責任者が含まれます。これは25人以上のグループに影響を及ぼす規則の作成に責任を負う人物までが対象となっています。SCP-3104の情報に曝露したこれらの部門に属する財団職員は速やかにクラスA記憶処理を施されるべきです。
現在割り当てられている次席研究員によって、SCP-3104の存在がサイトまたは財団保安職員との関連性を有するようになったと判断された場合、対象に関する情報はレベル2クリアランス以下の次席研究員らによる標準的なSTRICT-7中度情報災害修正制度に則った浄化措置に続き、情報災害諮問評議会を通して上級職員の下へ送られます。
総務部門や保安部門による調査は、IAC経由でO5評議会とRAISAの協力を得ることにより、非公式な手段で無期限に延期されます。
証拠品ロッカー████は2つのロックで施錠し、そのうち1つを内側から溶接します。
収容違反時のプロトコルは今後考案されますが、問題のプロトコルは収容違反の結果を収容し、その民間に対する影響を制限することに限定しなければいけません。プロトコルはSCP-3104の性質に言及せず、その影響の結果とそれらを収容する最良の手段のみを記します。警察無線、法執行機関のWebサイト、および国際刑事警察機構インターポールの通信からSCP-3104への言及をフィルタリングするための情報管理フィルタが考案される予定です。
説明: SCP-3104は長方形のプラスチック包装を施されたコカインであり、外見上は普通で、重量およそ1kgです。通常でない物理特性は有しておらず、実験によって組成と効果(強度含む)も異常性の無いコカインと同一であることが示されています。プラスチック包装の上には、おそらく油性マーカーで“200x”と手書きされています。
SCP-3104は法執行機関、行政、または類似の活動において何らかの責任を負っている人物に影響する情報災害です。この基準を満たす人物が何らかの形でSCP-3104を知った場合(アイテムの存在について伝えられる、アイテムの一部を見るなどを含む)、その人物はSCP-3104を入手して保管し、関連情報を他の法執行官に拡散しなければならないという強制衝動に駆られます。この強制の影響を受けた対象者は、SCP-3104が証拠品ロッカー内に確保されている、もしくは彼らが従業員である/管理している組織において類似の役割を果たす措置が取られている場合でなければ“保管中”とは見做しません。
このため、SCP-3104の如何なる知識であれ、法執行官によって知られた時点で、それは法執行活動の完全な中断を引き起こすことになります。
SCP-3104は198█/██/██の広域曝露事案に続いて収容されました。このアイテムの知識を最初に財団が得たのは、フロリダ州で警察連絡員を務めていた財団職員がSCP-3104に係る緊急配備連絡を受けた際の事です。この連絡は、州全域の警察署にSCP-3104の存在を通達し、当該アイテムは“極めて違法な捜索対象であり、最後に目撃されたのはタンパ”であると述べる内容でした。
これに続けて、警察無線に曝露した中で封鎖施設に勤務していなかったほぼ全ての財団保安職員を含む法執行官たちがタンパへと大移動を開始しました。作戦後に行われた民間メディアの見直しは、警察の関心を引いていたのがタンパ麻薬取締局(DEA)のフィールドオフィスだったことを示しています。当時、この施設は徒歩および警察車両で駆け付けた警察官の大群衆に包囲されていました。最終的には、オーランド郡保安官事務所から強制突入部隊の構成員が到着して建物への突破口を作り、続く群衆の衝突および格闘によって██名が死亡、███名が負傷しました。
数分後、機動部隊Δ-16(平時はタンパに最も近い財団施設であるサイト-███のEuclid級オブジェクト、SCP-███の攪乱と収容が任務)がM60A3パットン主力戦車2台で現場に到着し、DEAオフィスの正面玄関に突入しました(履帯に轢かれた警察官█名が死亡、██名が負傷し、また財団側でもΔ-16の不在時にSCP-███が起こした収容違反で██名が死亡しました)。
Δ-16はSCP-3104を確保してサイト-███へ帰還し、それを数百台の警察車両(すべて満席)、警察ヘリコプター5台、小型飛行機1台、徒歩の警察官20,654名が追跡しました。Δ-16はプロトコルに従ってアイテムを記録し、Bセクター保安分署の証拠品ロッカー████に配置した後、報告室B3に入室して標準的な活動結果報告を待ちました。サイトスタッフはこの時のΔ-16の態度を“陽気”なものだったと述べています。
サイト-███の群衆操作プロトコルが即時実行に移されました。警察車両群はサイトの正門にほぼ同時に到着し、その後数日かけて故障や燃料切れによる脱落者たちが押しかけました。航空機は燃料不足によって着陸を余儀なくされていました。噴霧型記憶処理薬のスプレー缶が集まった警察官たちに対して使用され、強制衝動を取り除きました。最初の群衆は数時間かけて自主的に解散し、財団は車両が故障した者にはレッカー移動サービスを提供しました。
事後報告インタビューにおいて、Δ-16は管理部からSCP-3104の確保指令を受けていなかったことが明らかになりました。当時、全体としての財団はSCP-3104の存在を把握していませんでした。後のインタビューで、Δ-16-イプシロン(2号戦車の装填手)の兄が麻薬取締局に勤務しており、定期的な家族間通話で当該アイテムの押収に言及していたことが判明しました。自動監視はこの通話内容を検出していませんでした。
この時点でイプシロンは部隊の仲間に通知を送り、機動部隊は戦車に乗り込んで、閉鎖された門を破壊しつつサイトを去りました。Δ-16が反乱を起こした、または何らかの汚染を受けたという仮定の下、警告を受けた保安部隊は戦車に対抗するのに十分な強度の反撃/回収任務の準備を整えました。Δ-16がSCP-3104を押収してサイトへ帰還する旨を無線で通達した時、財団部隊はタンパ郊外に到達していました。この事件の後、サイト-███の急速展開型任務は見直しを受け、改訂されました。
研究者によるSCP-3104の情報災害影響力の評価と、事後報告に対応していた総務部門の職員が影響されたことに続き、Δ-16と総務部門職員は報告室に内蔵された記憶処理薬噴霧器によって治療されました。当該事件におけるΔ-16の無法行為は全て不問に処されています。
その後の数日間にわたり、車両を持っていなかった警察官たちがタクシー、徴用車、そして最終的には道のりを徒歩で歩き通して到着し続けました。到着ごとに記憶処理手順が実行され、必要に応じて家庭への帰還と医療処置が支援されたため、サイト-███の医療部門と駐車場には一時的に負担がかかりました。
タンパでの出来事と、フロリダの大部分で警察が部分的ないし完全に機能しなくなっていたことによる影響を説明するため、“警察労働組合行進”と無関係の“連続犯罪”についての偽情報活動が行われました。