SCP-3111
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アイテム番号: SCP-3111

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: SCP-3111はサイト-17のSafeクラス保管ロッカーに収容し、実験目的でのみ取り出すことができます。活性化状態のSCP-3111は、不活性状態に戻るまでレベル2以上のスタッフが観察します。SCP-3111-1実例は、各実例の形式に応じて、別個の保管ロッカーに物理的に格納するか、サイト-17コンピュータサーバの安全なハードドライブにデジタル保存します。

説明: SCP-3111は中手指節関節で接合された人間の指の集合体であり、直径およそ22cm、重量およそ0.58kgの球形の塊を形成しています。青白い肌の色合いにも拘らず、SCP-3111は生物学的には健康です。DNA検査で財団の記録上に該当者は見つかっていません。更なる物理的試験で、SCP-3111は自己再生能力を持っており、必要な時間は傷の重症度に応じて変化することが示されています。関節部の脱臼や骨折は再生までに約30分かかる様子が観察されていますが、指を切除した場合は再生に2時間かかります。

不活性状態のSCP-3111は外部刺激に反応を示しません。指は関節に沿って、関節が物理的に許容できる範囲まで自由に動かすことが可能です。

ワードプロセス装置の0.25m以内に配置すると、SCP-3111は活性化状態に入ります。活性化を引き起こす装置は標準的なタイプライターからデスクトップ/ノートパソコンまで幅広く分かれますが、コンピュータの場合はワードプロセッサがインストールされていなければ条件を満たしません。SCP-3111は指を使って、クモと同様の形式で移動を開始し、秒速25cmの速度でワードプロセス装置の方向へ移動します。いったん装置に到達すると、SCP-3111はその指でSCP-3111-1実例をタイプします。タイピングを終えたSCP-3111は、別なワードプロセス装置が0.25m以内に配置されるまでは不活性状態に戻ります。SCP-3111が到達する前に装置を0.25m以内から引き離した場合も、SCP-3111は不活性になります。

SCP-3111-1は、1975年10月21日に行われた、1975年ワールドシリーズ第6戦、シンシナティ・レッズ対ボストン・レッドソックスの試合の転写文書です。SCP-3111-1実例の内容と試合の公式記録には差異が見られません。SCP-3111-1実例を読み始めた人物は消失し、試合開始時のマサチューセッツ州ボストン、フェンウェイ・パーク・スタジアムに再出現します。試合は転写通りに進行し、その後、対象者はSCP-3111-1を読み始めた場所に再出現します。この転移は約4時間続きます。実験によって、対象者はSCP-3111-1を読むたびにランダムな座席に転送されることが示されています。転移した対象者はスタジアムの内外を自由に移動することが可能であり、物理的実体を持ちません。観客や選手と相互作用する試みは失敗しています。

SCP-3111は1975年12月21日、██████郵便局がSCP-3111の入った小包のことを地元警察に通報した際に発見されました。潜入エージェントがSCP-3111を回収し、目撃者にはクラスA記憶処理が施されました。

補遺: 以下はSCP-3111と共に発見された、同封の文書です。

ジェフへ

試合の晩に仕事を割り振ってしまったことを申し訳なく思って、友人に(しばらく)裏から手を回してもらい、彼がこれを持ってきた。彼によれば、こいつをタイプライターの前において、打ち出された物を読めば、あんたは“その場”にいられるらしい — どういう意味かは知らん。彼はずいぶん変わった人々のために働いているんだが、見てくれが少し悪いとはいえ、あんたがこれを気にいるだろうと請け合ってくれたよ。あんたの幸運と、この贈り物を楽しんでくれることを願っている。

メリー・クリスマス、
トーマスより

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