SCP-3250
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POI-3250(カーネル・ハーランド・デイヴィッド・サンダース)。1974年12月、公共の場に現れた際の写真。

アイテム番号: SCP-3250

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: ケンタッキー・フライドチキンの“11種類の秘密のハーブ&スパイス”の本来のサンプルはサイト-88の標準的なSafeクラスアイテムロッカーに保管されます。レシピのデジタルコピーはサイト-88データベースで閲覧可能です。ケンタッキー・フライドチキンがその商標である秘密のレシピで味付けした鶏肉の独占販売権を握っており、また財団がフロント企業を通して██████████・ファミリー・プランテーションを買収した後██████████種コショウの流通独占を確立したことによって、SCP-3250効果の広範な再現は既に不可能となっています。

現在のケンタッキー・フライドチキンの“11種類の秘密のハーブ&スパイス”が代用レシピであるという公共知識は抑制されます。

説明: SCP-3250は、ケンタッキー・フライドチキン独自の“11種類の秘密のハーブ&スパイス”で味付けした圧力調理済フライドチキンを食べた人物に影響を及ぼす知覚異常です。消費してから一定期間、当該異常効果の影響者はイエス・キリストを描写した物を、アメリカ人ビジネスマン/レストラン経営者であるカーネル・ハーランド・デイヴィッド・サンダースがトレードマークである白のスーツと紐ネクタイを着用している様子に似たものとして知覚します。改変された描写は本来のものと同様の芸術的な雰囲気を維持します。世俗的な物を含め、あらゆる視覚的な描写が影響対象となります。

キリストとカーネル・サンダースの描写の間に知覚される類似の度合は、時間と共に減退していき、一般的な3ピースの鶏肉を消費してから1~2時間後には完全に消えます。もっと大量の鶏肉を消費するとこの効果はより長期間持続します。効果の上限は、20ピース入りのチキンバケットを一度に丸ごと消費した場合の約72時間であると報告されています。

アメリカ合衆国におけるケンタッキー・フライドチキンの売上と教会の出席状況の分析を基に、最初に報告された1974年1月の事件以来、少なくとも150,000人の北米人が一度はSCP-3250に影響されていると推定されています。北米大陸外の地域における異常性発現の報告は疎らであり、これはおそらく海外市場向けの味付けレシピにおいて、傷みやすく産出元が限られる██████████種のコショウに代用品を使用していたためと考えられます。SCP-3250事案の大半は、効果が一時的であることと、正常性を保ち合意的現実を維持しようとする人間の自然本能によって報告されていないと思われます。

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2009年にサイト-88の研究室で調理されたSCP-3250陽性のフライドチキン。

歴史: 原因が特定される以前、SCP-3250の知識はフィールドエージェントによる発見次第、記憶処理の局所的行使によって抑制されていました。これは民衆の影響者たちの間における自己抑制を触媒するのに十分な役目を果たしました。1974年、サイト-88の研究者たちが実施した広範な実験によって発生要因が確定しました。SCP-3250の本格的な収容が直ちに実行され、1975年4月にはケンタッキー・フライドチキンのルイーズヴィル本社に財団-UIU合同機動部隊が潜入しました。潜入したエージェントは異常なレシピを収めた金庫にアクセスし、味覚的に同一の代用レシピと置き換えることに成功しました。グリフィス・ラボラトリーズ社およびマコーミック社との契約もまた潜入エージェントによって改変され、置換されたレシピが数ヶ月以内に北米の供給プロセス全体に広まりました。SCP-3250の完全収容は同年10月を以て完了したと考えられています。

1975年12月、ケンタッキー・フライドチキンのレシピの質が改悪されているという公式宣言(文書3250-H-066参照)を行ったのに続いて、カーネル・サンダースはPOI-3250に指定され、秘密裏の監視下に置かれました。1976年、当時のケンタッキー・フライドチキンの親会社であったヒューブライン株式会社の財団連絡員を通して、サンダースには内密の和解案が提示され、財団は補償金として100万米ドルの支払いを申し出ました。これにも拘らず、サンダースはケンタッキー・フライドチキンの料理基準の質を公然と批判し続け、ヒューブライン株式会社によって元のレシピが改変されたという主張を1980年に死ぬまで続けました。

サンダース自身や彼の友愛秘密結社との付き合いに関する調査は1980年の死まで続けられましたが、彼の経歴にも、過去の結び付きにも、普通でない要素は一切見つかりませんでした。サンダースはSCP-3250現象に気付いておらず、また何らかの責任を負うような立場にも無かったと結論付けられています。

補遺: 財団による抑制が必要となった特筆に値するSCP-3250発現事例リスト

目撃例番号: #001
日付: 1974/01/09
目撃例詳細: ミシシッピ州ビロキシにある████████教会の出席者3名が、教会のステンドグラス窓にカーネル・ハーランド・デイヴィッド・サンダースが描かれているのが見えると主張した。この目撃例は他の教会出席者との間に共有されなかったため、問題なくやり過ごされた。SCP-3250発現の最も早期の目撃記録である。

目撃例番号: #012
日付: 1974/02/16
目撃例詳細: フロリダ州ハイアリアのハワード・ブルックス(56)が、別荘にあるルネサンス期のイエス・キリストの絵画が盗難被害に遭い、同じ画風でカーネル・サンダースを描いた絵画に入れ替えられていると通報した。SCP-3250発現はブルックス一人にしか観察されなかったため、地方当局からは無視された。その後のUIUの調べで、ブルックスは昼食にケンタッキー・フライドチキンを消費していたことが判明。この他11件の異常事象の間で繋がりが注目され、UIUによるSCP-3250発現事案の初期分類に至った。後日、当該現象は現状のUIUリソースだけで扱うには余りに大規模であると見積もられ、財団の支援が要請された。

目撃例番号: #013
日付: 1974/04/14
目撃例詳細: D-01776は本来のレシピに基づくケンタッキー・フライドチキンを3ピース提供され、消費するように指示され、完食した。その後、D-01776は磔刑に処されたキリストの像を見せられ、それについて説明するように指示された。D-01776は、磔刑に処されたカーネル・サンダースが苦痛に顔を歪め、傷口から煮えたパーム油が滲み出している様子を表した像であると述べた。これは収容下におけるSCP-3250発現の最初の再現成功例である。“11種類の秘密のハーブ&スパイス”レシピを改変する努力が開始される。

目撃例番号: #234
日付: 1974/05/09
目撃例詳細: ブラジルのリオデジャネイロにて、観光客12名の団体が、コルコバードのキリスト像が同サイズのカーネル・サンダース像に置き換えられ、腕を伸ばした姿勢で両手に1本ずつフライドチキンの腿肉を持っていると報告した。財団エージェントによる調査の結果、観光客らは離陸2時間前にダラス・フォートワース国際空港でケンタッキー・フライドチキンを分け合って食べたことが判明した。これは現在までに唯一記録されている北米大陸外で発生したSCP-3250発現事例であり、クラスB記憶処理によって隠蔽に成功した。

目撃例番号: #458
日付: 1974年6月 (推定)
目撃例詳細: アイオワ州ヴァン・ゴッホの町民███名が、教会での礼拝の直後、“身長50フィートの”カーネル・サンダースが町の上空に見えると報告した。この幻影は12分間留まった後に消散した。後に、教会のランチ・ビュッフェにおける大人数の食事のため、ケンタッキー・フライドチキンが供給されていたと特定された。現在までの既知の最大規模の事案であり、オリジナル版レシピの入れ替え成功直前に発生したものである。この目撃事例は結果として、事案報告書3250-100-927にある集団ヒステリーを引き起こした。

補遺: 事案報告書3250-100-927 (レベル3機密)

事案概要: アイオワ州ルイーザ郡、郡道W66付近でのトラック運転手の失踪報告が、人口146名のヴァン・ゴッホの町まで追跡される。地元の財団リソースがSCP-3250の大規模隠蔽に回されていたため、この事件の捜査には連邦捜査局・異常事件課(UIU)が割り当てられた。1974/08/09、UIU特殊エージェントのC・ルイスとD・タッカーが現地へ派遣される。

09:30、両エージェントは、ヴァン・ゴッホ町から1.2マイルの地点にある坂道の車両待避所でトラクター・トレーラー7台の残骸を発見したと報告。調査の結果、失踪したトラック運転手たちの、激しく焼けて腐敗した遺体が見つかった。エージェント ルイスは状況証拠(即ち、助手席と運転席の煤汚れ、車両自体は火災被害を受けていない事、鈍器を使った強制侵入の痕跡、各車両のアクセルペダルにダクトテープで固定されたコンクリートブロック)を基に、トラック運転手らは車両から降ろされた後に焼き殺され、遺体が座席に戻された後、車両はそれぞれ待避所に突っ込むまで定速走行設定で高速道路を下っていったものと判断した。

10:10、エージェント ルイスとタッカーは、燃える油とケンタッキー・フライドチキンの強い匂いを報告。この報告を通して、背景に何かがパチパチと爆ぜる大きな音が聞こえる。エージェント タッカーは、このパチパチ音は無線の空電ではないと主張する。間もなく無線通信は途切れる。

通信は10:21、大幅に音声の質が劣化した状態で復旧する。通信を始めたエージェント ルイスは、車両が油を用いた即席発火トラップによる待ち伏せ攻撃を受け、姿を見せない襲撃者たちからの散発的銃撃によって、車両を捨てて徒歩で進むことを余儀なくされたと報告する。彼らは空き家にシェルターを発見し、またヴァン・ゴッホ町の大部分の家は住民不在になっているようだと述べる。エージェント ルイスは現状を維持せよという直接指令に従わず、エージェント タッカーを状況調査に派遣。両エージェントは家から家へと移動しつつ、黄金色の外套を着用し狩猟ライフルで武装した男女のパトロールを間一髪で交わし続ける。一方、UIUの現地司令部は財団と連絡を取り、状況を説明する。ヴァン・ゴッホ町を制圧するため、機動部隊パイ-46がUIU特殊エージェントのK・ミルフォードと共に動員される。

10:29、大きなパチパチ音が聞こえる。エージェント タッカーは、町の中心部に近い地面が、揚げた鶏の部位に覆われていると報告する。緊密な検査では、鶏の部位は町の南部バプテスト教会を指すように注意深く配置されているように思われる。エージェントらは調査のため教会へ接近する。

10:34、離れた場所から再びパチパチ音が聞こえる。程なく無線通信が途絶。これ以降、両エージェントとの無線通信は復旧しなかった。

機動部隊パイ-46を乗せた武装トラック輸送団は12:00にヴァン・ゴッホ町を視界に収め、破壊されたトラクター・トレーラーとエージェントの車両の焼けた残骸の存在を確認する。町民レジスタンスは武装トラックを見て州兵であると思い込み、直ちに降伏する。彼らは速やかにクラスA記憶処理を施される。

エージェント ルイスとタッカーは、焼け落ちた教会に隣接する溝の中から生きて発見された — 彼らは即興の起爆装置作動に続き、この溝に避難していた。両エージェントは軽度の煙吸入のため治療を受けたが、それ以外の負傷は無かった。

機動部隊パイ-46が回収したオブジェクトおよび実体は以下の通り。

  • ペンダントから磔刑像に至るまで様々な、イエス・キリストを描いた身の回り品。全ての描写はカーネル・サンダースに改竄されている。
  • “カーネル改革派教会”を宣伝する手書き文書を写真複写したチラシ。
  • 生鶏肉および揚鶏肉、5トン。
  • オリジナル版レシピに基づく“11種類の秘密のハーブ&スパイス”、2トン。様々な家に備蓄されていた。
  • 加熱器を備え、油で満たされた大理石の洗礼盤、1枚。明らかに揚げ鍋として使用されていたと思われる。
  • 欽定訳聖書、1冊。大部分の言葉がマーカーペンで黒く塗り潰されている — 残っている単語は“11種類の秘密のハーブ&スパイス”レシピを構成している。当該オブジェクトは教会の説教壇の下にある鍵の掛かった金庫から発見された。
  • 大量の武器。狩猟ライフル・拳銃・手製の焼夷弾に加え、煮えた油を噴霧するように改造が施されたリーフブロワーも1台含まれる。
  • ヴァン・ゴッホの町民、146名。黄金色の油に浸したボロ布に身を包んでおり、様々な程度の火傷を負っていた。彼らはSCP-3250目撃例#458の一貫性のある詳細を述べることができたが、それ以降の事を何も覚えていなかった。
  • 木製の十字架に磔にされ、揚げた“11種類の秘密のハーブ&スパイス”の衣でコーティングされた人間の死体、1体。死体は、当時存命であり、ルイジアナ州アブヴィルで財団の監視下に置かれていたカーネル・ハーランド・D・サンダースと外見的に同一だった。死体の遺伝子サンプル調査はGallus gallus domesticus、即ち家畜種ニワトリとの完全な一致を示した。死体の起源と遺伝的構成の理由は不明のままである。
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