SCP-3294
評価: +3+x

アイテム番号: SCP-████

代替指定: 非標準指定"TYRFING"

オブジェクトクラス: Keter

特別収容プロトコル: "TYRFING"感染性を有する情報の物理的な複写が常に保存されます。当該複写は、他の"TYRFING"感染源が全て失われた場合にのみ、電子的な複製を作成する目的で用いられます。

"TYRFING"感染性の情報が含まれた電子ファイルは、他のファイルを含まない外部記憶装置に保存され、利用は"TYRFING"関連職務に割り当てられた職員に限定されます。元のファイルの読み込み及び閲覧は禁止されます。実験対象は、実験中にのみファイルのコピーに曝露させられます。

"+TYRFING"対象とのコミュニケーションは、"TYRFING"感染情報を自動的に判別するように開発された専用メッセージプログラムを通じてのみ行われます。制限の回避を試みた職員は厳正に処罰されます。

"-TYRFING"後の再配置時の混乱を最小限に抑える為、"TYRFING"関連職務に任命された職員に対して番号指定は開示されず、代替指定を用いて異常について言及する必要があります。

説明: 非標準指定"TYRFING"は情報アレルゲン性1を有する情報依存概念です。"TYRFING"の存在は特定の媒体に依存しません。情報の観測・保存が可能なあらゆる手段により、"TYRFING"の観測・保存が可能です。"TYRFING"情報を明確に有する個人及び情報は、異常性質に感染したと見做され、以降"+TYRFING"と呼称されます。2

知性を有する"+TYRFING"宿主は、"TYRFING"を他の既知の概念と比較することを強制されます。比較は時に突発的あるいは非合理なものですが、二つの概念を結びつけるまたは比較する要素が必ず含まれます。感染初期の段階では、"TYRFING"は強力な記憶補強的性質を示すことが実験により確認されています。"+TYRFING"対象は"TYRFING"及び比較された全ての概念に関する詳細な情報を想起することが可能であり、この効果は財団の有するあらゆる記憶処理手段による阻害を退けます。宿主は"TYRFING"を拡散することへの異常な欲求を覚え、非感染者と思われる人間に対して情報を伝達することを試みます。

知性を有する"+TYRFING"宿主が、他の人間を"TYRFING"感染させることに成功したと信じるに至った場合、異常性質は第二段階へ移行します。ここで、他者の感染に成功したか否かは無関係です。宿主が"TYRFING"の曝露に成功したと信じた時点で第二段階の性質が発現します。第二段階"TYRFING"並びに関連付けられた全ての概念は、宿主("-TYRFING"に指定)に対してのみ反ミーム的性質を示します。宿主はこれらの概念についての情報を想起することが不可能となります。"TYRFING"のミーム的性質は、財団が開発したあらゆる記憶補強処置による阻害を退けました。

失われた概念を直接的/非直接的に認識させる情報に"-TYRFING"対象が曝露した場合、永続的な認識改変により伝達が妨げられます。対象はあらゆる視覚・聴覚・触覚媒体に反応を示しません。3

"TYRFING"の効果は生物に、また動的な対象にさえ限定されません。ダミーAICプログラムは"-TYRFING"生物対象と同様の被感染特性と、類似した反ミーム障害を示します。

非生命の情報記憶媒体も"TYRFING"の反ミーム作用であると推測される影響を受けます。当該媒体を経由して人間が"TYRFING"に感染した場合、媒体に含まれる一切の関連情報("TYRFING"感染を受けていない情報も含む)が視覚情報ならば判読不能に、音声情報ならば理解不能な形へ直ちに変化します。デジタル情報は修復不可能な破損を受けますが、依然として記憶領域を占有します。"TYRFING"の影響を受けていない人間が"-TYRFING"視覚文書を読むことを試みた場合、文章の存在を認識することは可能ですが、意味を見出すことは出来ません。同様に、録音された発声の存在を認識することは可能でもその内容を理解することは出来ません。

初期収容は、サイト██における"TYRFING"の流行の後に成されました。サイトに配置されていた職員の過半数は、無秩序な物体や概念の認識能力の欠如を経験しました。失われた概念が職員毎に異なったことから、感染性認識災害の存在が認知され、サイトは職員によって閉鎖されました。初期収容担当の職員が第二異常効果の影響を受けるまでに、推測された異常性に関する非感染性の文書の作成並びに"TYRFING"感染性文書の隔離が達成されました。

実験記録████:
対象 “TYRFING”と結び付けられた概念 備考 “TYRFING”ネガティブ対象に対する影響
D-2898 無し 対照実験 – 対象は“TYRFING”を他の概念と結び付ける前に伝達を行った。 対象は"TYRFING"に関連する情報を認識できず、感染の自覚に及ばなかった。
D-1667 N/A 対象は靴に関する認識を失った。履物を通して直接足を視認する能力は観察されなかった。対象が表現した足の外見は無意識的な推定によるものと確認された。視界内で職員が靴を脱いだところ、 対象は若干の苦痛を表明した。
D-9055 空気 N/A 対象は苦痛を示し、過呼吸に陥った。対象は呼吸が可能であるものの吸気を出来ず、自身が窒息しているかのように振る舞った。対象は呼吸の意義を説明できなかったが、重要性は理解していた。慢性過呼吸に対する治療が行われ、成功している。
D-2493 D-2493 (自身のアイデンティティ). N/A 対象はあらゆる自己認識の感覚を失った。対象は自身の姿を認識出来ないものの、身体機能は正常な動作を示した。
D-4566 生命 N/A 対象は生物と非生物/死亡済みの個体の区別が出来なくなった。対象は死体を昏睡状態の生物として認識し、起こすことを試みた。
D-2439 図書館 “TYRFING”によってかつて図書館だったSCP-2602の影響を妨害することが可能か否かの実験。 対象はSCP-2602がかつて図書館であったことに言及する欲求を示さなかった。SCP-2602の内部写真を提示された際には、容易にそれを旧図書館であると認識した。旧図書館と称されたSCP-2602を異常性質により知覚出来ないことから、SCP-2602に関するインタビューは困難を示した。"TYRFING"とSCP-2602の交差運用に関するさらなる研究は承認待ち。
D-2565 アリソン・エッカート "TYRFING"の使用により他の情報系異常への免疫が生じるか否かの実験。 対象はアリソン・エッカートを認識出来なくなった。これにより対象は、[データ削除済]を含む、AE-クラス アリソン・エッカート:アリソン=エッカート空気中浸透シナリオの影響下にある全ての概念を認知出来なくなった。
アリソン・エッカート アリソン・エッカート (アリソン・エッカート) "TYRFING"によるアリソン・エッカート感染の治療の可能性を判断する実験。 アリソン・エッカート内における全アリソン・エッカート活動は停止し、蘇生は不成功に終わった。随伴した医療職員によりアリソン・エッカートの死亡が確認された。
TYR005.aic 無し "TYRFING"の非生物実体への作用に関する対照実験。 対象が"-TYRFING"に移行した際に、"TYRFING"に関する全ての情報が破損。"TYRFING"情報を含むファイルの移動の試みは全て失敗し、他のシステムでは正常に機能するにも関わらず破損ファイルと認識された。他のコンピュータシステムへの移行が行われた場合にTYR005.aicは正常に機能したものの、"TYRFING"情報を含む領域に対して干渉することは出来なかった。
TYR007.aic 人工知能 N/A 前回の実験同様、AICプログラムを擁するコンピュータはは"TYRFING"情報を含むファイルへのアクセス能力を失った。TYR007.aicも同様に"TYRFING"情報へのアクセスが不可能になった。同時に、TYR007.aicは他のAICとの相互作用を伴う機能も失った。間接的に他のAICと対話させた場合(編集可能なテキストドキュメントを経由)、プログラムは職員と会話していると判断した。聞き取りにより、TYR007.aicは対話相手をコンピュータ内に埋め込まれたヒトの意識として認識していたことが判明した。
TYR009.aic 停止・削除 N/A "-TYRFING"状態のTYR009.aicはあらゆるプログラム・機能・データを削除・停止させる能力を失った。この性質はAICを擁するコンピュータシステムには及ばなかった。実験担当職員が行った場合には、システム上の停止処理やデータの削除は可能であった。"TYRFING"情報を含む文書に関する異常は以前の(一連の)実験と同様であった。

補遺1: 事案記録████-01
2018/04/10に計画されたDクラスを用いた実験において、3名の研究員が"TYRFING"に感染しました。研究者及び実験者間での"TYRFING"感染の試みを自動的に検出する自動編集システムは実験の前日にアップデートされていました。このアップデートによりスタックオーバーフローが発生し、プログラムの停止を招きました。

"+TYRFING"状態において、████████ ██████次席研究員4は不明な電話番号に向けて不確定のテキストメッセージを送信しました。██████次席研究員が"TYRFING"の第二性質を示したことから、当該テキストメッセージは"TYRFING"感染情報を含んでいたと考えられています。反ミーム的異常性質により、これらの行為に関する██████次席研究員への尋問は不可能であり、同様に受け取り人の電話番号は回収されませんでした。当行為があらかじめ意図されたものであったか、異常による欲求に追従したものであったかは調査が進行中です。

補遺2:
事案████-01に関与した職員3名の進行中の監視により、"TYRFING"の遺伝的特性が新たに判明しました。2018/04/10以後に生まれた███ ███研究員の全子息は研究員と同様の認識改変を受けていることが確認されました。具体的に、対象は梨の存在を認識・学習することが出来ませんでした。一方、子を対象とした実験では、"TYRFING"被感染特性は残存しており、追加的な認識改変の可能性が示されました。

現在のところ、"TYRFING"との相関を示す異常性遺伝マーカーの存在は確認されていません。潜在"TYRFING"マーカーの同定は高優先度の研究タスクに指定されています。

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