SCP-333-FR
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オブジェクト番号: SCP-333-FR

脅威レベル: 未定

オブジェクトクラス: Keter 推定Neutralized

特別収容プロトコル: その性質により、SCP-333-FRの収容は現時点では不可能です。オブジェクトは一定の間隔で出現し、結果として出現日時は正確に予測されるものの、予想外の出現(過去に例はないが)に備えて出現地域を監視する必要があります。

この任務を達成すべく、1946年に出現区域に隣接する島に監視基地、ステーションS-245が建設されました。1970/05/██以降、機動部隊ラムダ-4("バードウォッチャーズ")の分隊がこの基地に駐屯し、SCP-333-FR-1から出現するSCP-333-FR-2の回収、および潜在的なクラス333-FR-Kシナリオの発生を阻止する任務についています。

SCP-333-FRにより引き起こされたイベントを目撃したすべての民間人はクラスA記憶処理を受けなければいけません。民間人によって撮影されたSCP-333-FRの映像はすべて組織的に削除されなければなりません。人類がオブジェクトの存在に関する知識を得た場合、アンニュイ・プロトコルの実行が必要となります。

SCP-333-FR-2は両足を鎖で繋がれ、幅1m20cm、高さ1mの禽舎に収容されなければなりません。現在、禽舎はSCP-333-FR-2収容のために特別に設計された防音収容エリアに設置され、試験の際に限り、セキュリティクリアランスレベル3またはそれ以上の研究者であるエリア人員によってのみアクセス可能です。

特別収容プロトコル更新: SCP-333-FRが2004年に再出現しなかったため、脅威レベルおよびオブジェクトクラスが再検討されました。再出現がみられるまで、オブジェクトは"推定Neutralized"クラスおよび脅威レベル"未定"に分類されます。

SCP-333-FRの再出現の可能性に備え、機動部隊ラムダ-4の分隊は常時ステーションS-245に配備されなければいけません。

すべての"ユニヴェルジル王国(Royaume d'Univers'Île)"と繋がりのある人物は拘束され、尋問のために抑留サイトに置かれます。

SCP-333-FRの再出現の際にのみ、このレポートはアップデートされねばならないだろう。 - アミラル博士

説明: SCP-333-FRは雨や突風を発生させないことを別とすれば、形成条件の程度や関係する積乱雲の性質とは無関係な、シングルセルの雷雨に類似した気象擾乱です。この現象は規則正しい間隔、すなわち17年毎の05/██、23時ごろに出現します。最初の出現は1919/05/██に遡ります。その局在性は出現間隔と同様に不変です。オブジェクトは一貫して大西洋南東、起伏の多い地形と建築に不向きな性質から民間人の居住者がいない████ ██████島の近辺に出現します。

SCP-333-FRは1時間のあいだ広がり、その期間中いくつかの異常現象を引き起こします。その中の最初のものは雷雲の形成に続いて起こり、それぞれが銀色の金属質の鎖1本で雲と繋がれて海底へ刺さるように降下する、金色のストックアンカーが8錨、積乱雲から出現する現象です。これらの錨はそれぞれが等間隔になるよう配置され、その位置はそれぞれを頂点とした8角形の領域を形成します。この空間を内側に含んだ積乱雲の部位はSCP-333-FR-1に指定されています。留意すべき点として、SCP-333-FR-1からはオレンジ色の光が発散されます。

錨の放出と、その結果としてのSCP-333-FR-1の出現から20分の間、すべてSCP-333-FR-1からから生じる様々な事物が続いて発生します。これらの事物はSCP-333-FRが出現した日によって異なります。

1970/05/██、SCP-333-FR-1から5羽の有翼生物が出現しました。その異常な性質により、それらはSCP-333-FR-2に指定されました。SCP-333-FR-2は始祖鳥に類似した羽毛のある恐竜であり、回収された標本は平均で体長56cm、くちばしは鋼鉄で構成されています。それらには、それぞれ各個体に特有のローマ数字が刻印されています。SCP-333-FR-2はそのくちばしで金属性のきしり音を発生させることにより、互いにコミュニケーションをとることができるように見受けられます。複数回の調査にもかかわらず、オブジェクトらの方言は未だ正しく理解されていません。オブジェクトは人類に対し無差別に敵意を感じており、対象を驚愕させて弱いショック状態にすることが可能である金属的な強い鳴き声を発するという形で大抵表されます。

SCP-333-FRの出現の間に観察されたすべての事物が下記の表に記録されています:

日付 SCP-333-FR-1による事物の性質
1919/05/██ 羽毛の雨。検査の結果、羽毛は現在地球上に生息しているいかなる種類の鳥のものとも該当しなかった。始祖鳥1の一種のものと推測される。
1936/05/██ 1919年と同様。
1953/05/██ 複数の金属製デブリ、および羽毛を伴った組織の断片。デブリ引き上げの数年後、組み立てられるとある種の飛行装置になることが分析により判明した。羽毛は以前のものと同じ恐竜の種のもの。
1970/05/██ 5体のSCP-333-FR-2。この際、過去の年に回収された羽毛はSCP-333-FR-2のものであることが判明。
1987/05/██ 124体のSCP-333-FR-2、および9体のヒト死体ならびに鋼鉄製の剣1本(補遺Bを参照)。SCP-333-FR-2によって引き起こされるクラス333-FR-Kイベント(下記参照)が機動部隊ラムダ-4により阻止される。
2004/05/██

SCP-333-FRは2004年に目撃されていないため、表のこの年に該当する部分は打ち消されていることは言うまでもないだろう。 - ミュスタング教授

1987/05/██、100体以上のSCP-333-FR-2が上空に現れ、SCP-333-FR-1の周囲を統一された動きで円を描いて飛び始めました。それらの動きと並行して、複数の雨雲がSCP-333-FRの周囲で形成されました。時間の経過に伴って雲は拡大し、雨は強まりました。機動部隊ラムダ-4("バードウォッチャーズ")が現場へ迅速に介入し、催眠ガスを噴霧することによりSCP-333-FR-2の一部を無力化しました。催眠ガスの影響を受けなかったSCP-333-FR-2はSCP-333-FR-1に向けて飛行し、姿を消しました。
この介入には雨雲の進行を止める効果がありました。重要な点として、財団の介入がなければこのイベントは人類に対して重大な脅威をもたらす可能性がありました。現在、全球的な雲の発生は世界規模の洪水をもたらすと推定されています。この出来事の特異さにより、事象はクラス333-FR-Kに指定されました。

SCP-333-FRの消散する約10分前にはアンカーがSCP-333-FR-1に向けて引き上げ、その後雲の中に消えます。

SCP-333-FR-1から出現した事物が並行世界由来のものであるかどうかを確かめるための作戦に続き、SCP-333-FR-PRIMEが発見されました(補遺Aを参照)。それは虚空および、虚空に浮かぶ都市と類似した構造物からなる並行世界(我々の次元より高いヒューム水準を示す)に通じていました。この都市には"ユニヴェルジル王国ロワユーム・ドゥニヴェルジル"を自称する文明社会が定着していると推測されています(補遺Bを参照)。

補遺333-FR-1:

1959/06/03、SCP-333-FR-1から生じる事物の起源を探るべく行われた複数回の調査に続いて、SCP-333-FR-1は並行世界に通じる通路ポイントだったという仮説がアミラル博士とミュスタング教授により発表されました。この終盤では当時の上役に向け、SCP-333-FR-1を通過し、並行世界の可能性のある場所を探索可能な乗り物の構築が提案されました。上役はこのイニシアティブを承認しました。

1965年、航空機に似た形状をもつ空輸機である異次元航行のための空輸装置(Véhicule Aérien de Passage Extra-dimensionnel)、VAPEの開発が完了しました。特筆すべき点として、VAPEは潜在的なヒュームレベルを測定することを目的として、カント計測器を1基搭載しています。同時期に、探検隊の組成が開始されました。

1987/05/██、最初のSCP-333-FR-2の出現に続き、VAPEがSCP-333-FRに侵入すべく離陸しました。以下はVAPEの操縦士であるエージェント・フューア(Fürr)と、作戦の調整役であり、機動部隊のエージェントらやオペレーターらと共に████ ██████島に配属されていたアミラル博士との間で行われた会話の録音です。

調整役: アミラル博士

操縦士: エージェント・フューア

前記: 以下の録音は1970/05/██、6体のSCP-333-FR-2の出現後から時間順に並べられたものです。録音中、VAPEはSCP-333-FR-1に指定された異空間に侵入するため、アンカーに囲まれた領域に入りました。

<録音開始>

エージェント・フューア: よし博士、8基の錨に囲まれた区域に入った。

アミラル博士: 素晴らしい、今から上昇していいぞ。

エージェント・フューア: 了解。

VAPEがSCP-333-FR-1に接近する

エージェント・フューア: 雲への侵入の指示を求める。

アミラル博士: ついに! 私はこの瞬間を今や遅しと待ち望んでいたのだ。ゴールは我々の目前だ! カント計とカメラを起動してこの忌々しい雲に突入しろ!

エージェント・フューア: 博士、少し前に言った通り私は空との境界面上に再浮上すると思っているが、博士の希望通り、したいことを指示してくれ。

アミラル博士: 待て、フューア。賭けるか? もし君がスキップを抜けて出た場所が我々の世界の一部でなければ、リカールを1杯奢ってくれ。

エージェント・フューア: なるほど。分かった先生。もうあんたの財布のご出動だ。

アミラル博士: まだ喜ぶのは早いぞ。だが冗談はおしまいだ。雲に侵入しろ。

エージェント・フューア: ああ、分かった。

VAPEがSCP-333-FR-1に突入する

エージェント・フューア: 雲上に再浮上した。

アミラル博士: よくやった!

VAPEはSCP-333-FR-1に指定された異空間に存在している

エージェント・フューア: 飲んだものを吐き出すような雑音 ベルドル! あんたが正しかった! 当機はもはや地 — エージェントがアミラル博士との会話を唐突に中断する

アミラル博士: くそ、フューア! カメラまで機能しなくなっている! 見えたものを詳しく言ってくれ!

エージェント・フューア: ああ、えー……私が見たのは……いや、そちらのために見えなかったものから始めよう。太陽がない! 周りには何もない!

アミラル博士: 書き留める。続けてくれ。

エージェント・フューア: オーケー。上方にはある種の巨大な島が1つ飛んでいて、そこに錨の鎖が繋がれている。ここから島の下を飛ぶ鳥たちも見える。太陽は、あれがそうだとしたらオレンジ色の光を放っている。

アミラル博士: 空飛ぶ島だと?! 接近してくれ。

エージェント・フューア: 博士……代わりにあちらの方から何かが接近してきているようだ。航空機が複数こちらに向かってくる。

アミラル博士: 航空機が複数?! なら危険は冒すな、地球に戻ってこい。

SCP-333-FRが消滅する

アミラル博士: フューア? 聞いているか? 私は何をしてしまったんだ…… 拳でテーブルを殴る音

<録音終了>

結語: VAPEはSCP-333-FR-PRIMEに侵入し、SCP-333-FRの消滅前にそこから脱出することができませんでした。エージェント・フューアにより描写された浮遊島には文明が存在すると推測されています。

1987年、探検隊員9人がSCP-333-FR-1から出現しました。遺体に対して行われた剖検により、死因は刃物による心臓を狙った刺傷であることが示されました。

補遺333-FR-2:

1987年に出現した事物はSCP-333-FR-2および探検隊の一部メンバーの死骸だけではありませんでした。実際には、羽毛ある鳥の翼の形状をした柄を備え、刃にメッセージの刻まれた鋼鉄製の剣1本も発見されています。

彫られていたメッセージの転写は次の通りです:

Betrayaile

我らが敵の暗き胸を貫き討ち
我らが刃は冷々たる夜の道を断つ
斯く我らがユートピアの曙を明かせり

遺却するは
人類の過去

眼差すは
輝かしき王国の未来

- ユニヴェルジル王国の土地、ゼニテル(Zéniterre)における渉地局

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