SCP-3333-J
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塞ぎ込んでいるSCP-3333-Jの様子。

アイテム番号: SCP-3333-J

オブジェクトクラス: Safe(ただし、寝起きは機嫌が悪いようです)

特別収容プロトコル: SCP-3333-Jは、当面の間はサイト19の2階休憩室に置かせていただきます。これは彼に多くの人と触れ合う機会を与え、社交性を身につけさせるための措置ですので、どうかご理解とご協力のほど、よろしくお願いいたします。素焼きの植木鉢に入っているのが彼です(ご覧になれば分かる通り、彼の友人たちはプラスチックの鉢を使っていますが、あえて素焼きの鉢を与えました。周りと違うことを恐れてはいけないと教えるためです)。当番の方は、週に3回の水やりをお願いします(水道水を飲ませると機嫌が悪くなるので、ミネラルウォーターを使ってください)。注意事項として、SCP-3333-Jの夜間外出は禁止されています。本人はいくら寒くても平気だと考えているかもしれませんが、勝手にさせてはいけません。

付記: SCP-3333-Jはマイ・ケミカル・ロマンスの歌を聴かせてやるとよく育つようです。あまり音量をうるさくしない限りは、自由に聴くことを許可してやってください。

説明: SCP-3333-Jは、思春期を迎えている観葉植物です。彼の属する種の学名はChlorophytum comosum、一般的な呼称はスパイダー・プラントですが、本人はよりマイナーなエアプレイン・プラントという名前で呼ばれることを好むようです(そう呼んでやると成長が早まります)。そのほか、ソード・ファーン、ローグズ・ジリーフラワー、ダマスク・ヴァイオレット、ブラック・ナイトシェードといった呼称1も気に入っているものと思われます。なお、これら以外の名前で呼びかけられたSCP-3333-Jが、葉を落とす、カビを生やす、異臭を発するといった形で不満を示したとしても、職員のみなさんが気にする必要はありません。スパイダー・プラントは、何も恥ずかしく思う必要のない立派な名前です。SCP-3333-Jは、名前を変えるだけでは違う自分にはなれないということに気づかなければなりません。

SCP-3333-Jが外庭に出ていることが許される時間は決められています。庭にあるマツヨイグサが、その神秘的な魅力でSCP-3333-Jの心をどれほど深く捉えているとしても2、外出時間の延長は認められません。

SCP-3333-Jは日光を浴びたときに萎れてしまうことがありますが、その際には優しく、しかしはっきりと、太陽の光が必要不可欠なものであることを言い聞かせてやらなければなりません。たとえ、青春の懊悩のさなかにある彼にとってはそうは思えなかったとしてもです。安易に光屈性を示すようなことを認めてはいけません。それに、彼には室内の空気を清浄に保つという大切な役割があるのです。日の光を十分に浴びて健康な体を作らずに、どうやってその役割を果たせるというのでしょうか?

補遺: SCP-3333-Jは極めて無口な性格です。この傾向は、彼が初めての花をつけたときから続いています(以下のインタビューログを参照してください)。

██████博士: おはよう、スパイダー・プラント!今日も元気そうだな。葉の具合もよさそうだし、花も大きくなっているじゃないか!かわいい子株ができるのももうすぐだな。まったく、お前の成長の速さがうらやましくなるよ。

SCP-3333-J: ……。

██████博士: 何だ、どうしたんだ。何も言いたくないっていうのか?

SCP-3333-J: ……。

██████博士: ううむ、お前がそういうつもりなら……ん?おい、葉の裏にがついているじゃないか!

SCP-3333-J: ……。(空調の風に葉をそよがせ、カサカサと音を立てる)

██████博士: あれほど気をつけろと言ったじゃないか!根粒菌の中毒になったり、悪い連中と付き合ったりするようなバカな真似はするんじゃないと!根が腐ってしまったらどうするんだ!お前をそんな風に育てた覚えはないぞ!

SCP-3333-J: ……。

██████博士: 急にあちこちに花をつけ始めたときにおかしいと思うべきだったな。もっと体を大切にしないと駄目じゃないか。わかったか?

SCP-3333-J: ……。

██████博士: お前がそんな態度を取るなら、もう特製の培養土は買ってやらないぞ。

SCP-3333-J: ……。

付記: 後日、SCP-3333-Jを休憩室の窓から一番遠い角に移したところ、彼は一時的に姿を消し、しばらくしてコーヒーテーブルの下で塞ぎ込んでいるところを発見されました。何らかの方法で横向きに倒れ、床を転がって移動したものと思われます。職員のみなさんは、しばらくSCP-3333-Jをそのままにしておいてください。彼には自分のしたことを反省する時間が必要です。

メモ: なあリブズ、お前はちょっとあの植物くんに厳しすぎるんじゃないか? あれの担当は誰か他のやつに頼んだほうがいいんじゃないかと思うんだが。 —M

メモ: あの子は今大事な時期なんだ。失敗から学ぶという経験をさせる必要がある。私に任せてくれ。 —R

メモ: と言うか、それただの観葉植物だろ。 —M

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