SCP-336-JP
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アイテム番号: SCP-336-JP

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: SCP-336-JPはサイト-81██最下階の30m×30m×15mの収容室の中央の床に固定されたアクリルケースの中に保存します。収容室内は常に赤外線カメラで監視してください。現在財団職員の収容室への立ち入りは一切認められません。これ以上のSCP-336-JPに関する実験は、SCP-336-JP-1への筆談によるインタビュー、もしくはSCP-336-JP-2へのインタビューのみ認められます。全てのSCP-336-JP-1は声帯摘出手術を施した上で財団所有の居住エリアに収容してください。

説明: SCP-336-JPは直径10.6cmの純銀製のリング状のオブジェクトです。純銀製にもかかわらず、SCP-336-JPには空気中の硫化ガスとの反応による変色が一切見られません。SCP-336-JPは活性化状態に入る事があります(以下この活性化状態を「瞬き」と呼びます)。瞬いている間、SCP-336-JPは淡い青色の光を発し、5℃程の温度上昇が見られます。最も長く瞬かなかった期間は12日間、1日に瞬いた回数は最高11回でした。最も短い瞬きは0.3秒でしたが、最も長い瞬きは6時間に及びました。瞬きの間隔、長さには規則性はないと思われます。

瞬いているSCP-336-JPは、それを中心とした半径12mの球内に体の一部または全部を侵入させた全ての人間にミーム的な影響を与えます(以下、影響を受けた人間をSCP-336-JP-1とします)。SCP-336-JP-1へのミーム汚染の治療の試みは全て失敗しています。現在█名のSCP-336-JP-1が財団によって収容されています。

SCP-336-JPは、サイト-81██で起きた事案の調査過程で発見されたものです(補遺1:事案336-JPを参照)。SCP-336-JPは、██県西部██山中腹の廃墟で発見されました。SCP-336-JPの起源は不明です。その後のSCP-336-JP-1への調査で以下の特徴が判明しました。

SCP-336-JP-1は悪意に対して嫌悪感を示す傾向にあります(ここでは、「不必要な害を周囲に与えようとする意思、または明確な信念なくルール違反だと認識していることをあえてしようとする意思」を「悪意」とします)。SCP-336-JP-1は悪意を伴った行為を目撃した時に不快感を示します。ですがこの不快感も常識の範囲内を逸脱しないものであり、もともと真面目な性格の人物が曝露した場合、大きな変化は見られませんでした。また、彼らは悪意か否かを見分けることができます。

SCP-336-JP-1は容姿、性別、年齢、経歴などによる差別をしません。極端な男性差別思想を持っていたDクラス職員をSCP-336-JPに曝露させたところ、彼女はその後一切差別と取れる発言をしなくなり、むしろ差別に対し些かの嫌悪感すら示すようになりました。またSCP-336-JP-1はヒトだけでなく、全てのヒューマノイドに対しヒトに対する時と同じように接します。

逆にSCP-336-JP-1は悪意のない行動に対して極めて寛容な態度を示します。たとえ他人の行為によってSCP-336-JP-1自身の命が危険にさらされるようなことがあっても、それに悪意がないならそれに対し抵抗、制止などの反応及び不快感を示しません。この特性が事案336-JPの原因になったと考えられます。

SCP-336-JP-1が発する言葉を直接聞いた人物はSCP-336-JP-1と同様の性質を示すようになります(以下、この人物をSCP-336-JP-2とします)。幸いにもSCP-336-JP-2にはミーム汚染を拡散させる能力は存在せず、SCP-336-JP-2へのミーム汚染の治療としてのクラスB記憶処理は有効でした。また、SCP-336-JP-1との筆談でのコミュニケーションでは感染しませんでした。

補遺1:事案336-JP 事案336-JPは、199█/█/█に発生した人型異常物体(当時SCP-███-JP 200█/█/██に死亡)の収容違反のことです。本来ならば小規模に留められたはずの収容違反でしたが、職員の対応が不可解なほどに消極的で、職員█人が死亡する事態になりました。調査の結果、プライベートで件の廃墟を訪れていた臼井研究員がSCP-336-JPに曝露しており、彼がミーム汚染の感染源となっていたことが明らかになりました。その後、臼井研究員と会話したすべての職員はクラスB記憶処理を受け、臼井研究員はSCP-336-JP-1の実例として収容されました。以下は事案発生当時人型異常物体の監視をしていた█研究員へのインタビューログです。インタビューは事案の3日後に行われました。

対象: █研究員

インタビュアー: エージェント██

<録音開始>

エージェント██: 今日ここに呼び出された理由はわかってるか?

█研究員: えっと…先日の収容違反の件ですよね。

エージェント██: そうだ。一応事実確認をするぞ。まず█:██に収容室で[編集済]とあるが、この報告は事実だな?

█研究員: はい。間違いありません。

エージェント██: じゃあ聞くが、お前はその時何をしていた?

█研究員: 何って…モニターで収容室の監視をしていました。

エージェント██: 何故その時点でスクランブルをかけなかったんだ?

█研究員: あれは単なる異常性の暴発でした。本人に職員をどうこうしようという意志は見られなかったので通常のプロトコルで対応しようと思いました。

エージェント██: もうすでにDクラスが2人死んでいるのにか?俺は過去の事故記録にも目を通したがこんなことは初めてだったはずだぞ?

█研究員: いえ、本人に我々をどうこう…

エージェント██: もういい、わかった。次の質問だ。…お前から見て奴に脱出の意志は見られたか?

█研究員: 異常性の暴発の直後には見られませんでしたが、収容室からの脱出が可能であると気付いた時からはありました。

エージェント██: █:██のことだな。…お前はここでもスクランブルをかけていないが、それは何故だ?

█研究員: 状況と、能力発動時のプロトコルの発動を██博士に報告するのを優先しました。
(██博士への報告直後に██博士から非常事態宣言が発令されています。)

エージェント██: (ため息)わかった。これでインタビューは終わりだ。最後に一つ聞くが、奴がここから出ちまうというそれだけで一般人に被害が及ぶという認識はあったか?

█研究員: それの何がいけないんですか?

<録音終了>

終了報告書: 1ヶ月前までの█研究員の勤務態度から見ても明らかに不自然だ。重篤なミーム汚染の可能性がある。専門調査チームの派遣を要請する。 - エージェント██

補遺2: 201█/9/21~9/23にSCP-336-JPが35時間の間弱く暗い赤色の光を発しているのが確認されました。その間SCP-336-JPには20℃程の温度低下が見られました。この効果は現在調査中ですが、これ以降一度もこのようなことが発生しておらず、また、この件以降数人のSCP-336-JP-1がつじつまの合わない言動を繰り返すため調査は難航しています。

201█/10/1 追記: 201█/9/30に行われたSCP-336-JP-1の居住エリアの定期巡回で、以下のようなメモが発見されました。

かえせってなんだよしらないそんなこと

非常に乱雑な文字であったため筆跡による特定ができず、また全てのSCP-336-JP-1がこのメモのことを知らないと証言しています。そのため誰がこのメモを書いたのかは不明です。

201█/10/24 追記: SCP-336-JP-1の居住エリアでの備品の破損が相次いでいます。内█件はSCP-336-JP-1の収容違反に繋がりかねないものでした。この件はSCP-336-JPが赤い光を発した件と並行して調査中です。現在、SCP-336-JP-1の居住エリアの監視強化が申請されています。

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