SCP-340-JP
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アイテム番号: SCP-340-JP

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: SCP-340-JPは2個体を残し、残りは全て処分されます。保存される2個体はサイト-81██内のSafeクラスオブジェクト収容ロッカーで標準的静的オブジェクト収容容器に1つずつ横に並べた状態で保存されます。実験の際はDクラス職員を被験者に起用し、常に任意で目隠しが出来るよう特性のバイザーを装着させ、物理的にSCP-340-JPとの距離が取れるよう鋼鉄製ワイヤーでDクラス職員をウィンチに接続した状態で行われます。任意に実験を終了する場合、前述のウィンチを巻き上げ物理的にSCP-340-JPとの距離を置かせてください。実験に使用するSCP-340-JPは必ず既に収容されているSCP-340-JPどちらか片方の複製である必要があります。必要数を申請書に記入し、瓦割りが可能な職員あるいはDクラス職員1により目視不可能な状態で前述の手段で複製してから使用してください。

説明: SCP-340-JPは国内で販売されている屋根用瓦2のような外観をした実体です。成分検査の結果、SCP-340-JPは多くの民間の瓦メーカーで製作されている瓦と異なる点は発見されませんでした。

SCP-340-JPの特異性は日本の武芸、あるいはミームとしての「瓦割り」を知る人物(以下、被験者と呼称)に目視されることにより発現します。被験者はSCP-340-JPの目視と同時に一種の認識災害と思われる効果によってSCP-340-JPへ近づき、自らの拳3を垂直にSCP-340-JPへ叩きつけ、破壊します。目視を行わない認識(映像機器や目隠し等)での接触は特異性を発現させないことが証明されており、また、破壊されたSCP-340-JPの残骸は後述する例外を除き、特異性を有さないことが分かっています。

この破壊の約1~2秒後に破壊されたSCP-340-JPの残骸を押しのける形で新たなSCP-340-JPが2個体重なるような状態で発生します。この時の合計質量は破壊されたSCP-340-JPの2倍であることから、SCP-340-JPは増殖に似た物質生成能力を有すると結論されました。

また、この発生し重なった2個体のSCP-340-JPを被験者が未だ目視認識を続けている場合再び2個体まとめて拳で破壊します。2個体の破壊後、再び1~2秒後にSCP-340-JPの残骸を押しのける形で新たなSCP-340-JPが4個体重なるような状態で発生します。この時の合計質量は最初に破壊されたSCP-340-JPの4倍であり、次破壊時に発生するSCP-340-JPが8個体で合計質量も8倍であることからSCP-340-JP発生数と合計質量は破壊数の2倍になると結論されています。

また、例外も存在し、実験記録340-4にて観測される例に初め、SCP-340-JPが被験者の拳以外の原因によって破壊、一部損壊を被った場合、その時積み重なっていたSCP-340-JPと同数のSCP-340-JPが積み重ねられるように下から増殖します。
後に行われた実験では非被験者によるSCP-340-JP2個体のうち上の1個体の破壊直後、下のSCP-340-JPから分裂するようにSCP-340-JPが1個体上に発生し、元の2個体になります。これは4個体のうちの1個体、あるいは2個体の場合でも同様で、破壊された時点での個体数までその数を回復させます。回復したSCP-340-JP群が再び被験者によって破壊された時、上記の通常サイクルで再び数の倍化が行われます。

実験記録340-1 - 日付2011/3/9

被験者: ドイツ人Dクラス職員であるD-25529(非被験者)

目的: 「瓦割り」の知識のない非被験者がSCP-340-JPと対面した際どのような反応を見せるのかを観察

結果: 非被験者はSCP-340-JPを指示通りくまなく観察したが前例のような特異性を受けなかった。非被験者には今後、SCP-340-JP個体を識別しやすいよう実験チャンバー内に配置されたSCP-340-JP100個体全てに白い油性マーカーでナンバリングをするよう指示。ナンバリングは正常に終了。

その後チャンバー内に支給されたハンマーで1番のナンバリングがされたSCP-340-JPを破壊するよう指示。1番のSCP-340-JPは大きく2つの破片と複数の粉末へと破壊され、その直後新しい無印のSCP-340-JP個体が1つ発生しました。

分析: SCP-340-JPの影響を受けるか否かは被験者自身の予備知識に依存すると考えられ、道具などを用いた破壊はSCP-340-JPの数を回復させることが判明しました。また、素手での破壊はSCP-340-JPの瓦としての構造上非被験者の腕力では不可能であると報告されています。

実験記録340-4 - 日付2011/3/10

被験者: 先のドイツ人Dクラス職員であるD-25529に日本の武芸のドイツ人留学生向け解説ビデオを鑑賞させた後に実施。ビデオには瓦割りの解説も含まれていた。

目的: 「瓦割り」の知識のない非被験者が1回の解説で得た知識でSCP-340-JPの影響を受けるのか観察

結果: 5分後、生成されたSCP-340-JPが実験チャンバーの天井を突き破り、被験者は積み上げられたSCP-340-JPを駆け上がる際に天井へ激突して落下。その後何度も同じ動作を繰り返し行い続けた。研究員の実験終了の旨も無視しSCP-340-JPを駆け上がるためセキュリティ職員による実力行使をするも被験者に損害を与えることは出来ず。爆薬壁により実験チャンバーごと発破することで積み上げられたSCP-340-JPの90%を破壊することに成功。

観察用カメラの視界が復旧すると被験者は再生成されたSCP-340-JPを破壊しているのが確認され、セキュリティ職員10人が取り押さえD-25529は沈黙。

分析: SCP-340-JP破壊動作には際限が無いと推測される。また、SCP-340-JP破壊動作中の被験者に損害を与える試みはこの実験から銃撃、発破共に無効であると証明された。

実験記録340-10 - 日付2011/3/11

被験者: 日本人Dクラス職員であり、███流空手道4段/全日本空手道連盟公認4段の資格を持つD-97988

目的: 被験者が元から備える練度と知識によって影響に差が出るのかを観察。今回は天井のない屋外実験場を使用。

結果: 5分後、生成されたSCP-340-JPは前回の実験と同様の高さにまで生成された。実験開始から█分後、高さは[データ削除済]mに到達。被験者が地面からSCP-340-JPの最上部に届くまでおよそ[編集済み]分かかった。被験者の表情は常に白目を向いたまま口を開き舌を口外へ出し、見た目上は気絶しているように見えるもSCP-340-JP破壊動作は継続。

[データ削除済]分後、高さは[データ削除済]mに到達。風とSCP-340-JP本体の安定性の問題から発生直後に倒壊と再発生を繰り返し████ktの残骸が発生、落下するSCP-340-JPのため残骸の撤去は難しく第1次緊急警報を発令、付近の研究員や民間人の避難が実施された。

SCP-340-JP群倒壊までの数秒間、被験者の身体は完全に力を失っているように見えるが右手のみがSCP-340-JPを駆け上がり、それに釣り上げられる形で身体が宙に浮かび上がっていくのが確認された。その後数時間に渡って宙に浮かぶ右手のみがSCP-340-JP破壊動作を継続。

分析: SCP-340-JP破壊動作には際限が無いと結論されました。また、被験者は外的損傷を受けない代わりに自身の体力を通常通りに消耗しているものと考えられます。右手のみが破壊動作を継続しているように見える特徴はSCP-340-JPがなんらかの形で被験者の身体を操作していることを意味していると考えられています。

補遺: 高さ[データ削除済]km到達時点でのSCP-340-JP群落下に伴い、その一部が断熱圧縮によって燃焼、遠方からもその軌跡が観測されたため周囲一帯と諸ネットワークサービスに対してカバーストーリー"流星群と廃棄人工衛星の偶然の一致"が適用されましたが、情報封鎖は完全ではなく、SCP-340-JP目撃を訴える人物には順次記憶処理班が対応します。

事件記録340- 日付2011/3/12

概要: SCP-340-JPを大規模地下真空実験チャンバーを有する施設へ変更するため、南西20kmの位置にある別サイト-81██へ複数オブジェクトと同時にSCP-340-JPを移送中、移送車両が敵対組織の襲撃に遭遇しました。
敵対組織の構成員のうち2名がSCP-340-JPの特異性に暴露し敵対行動を止め、SCP-340-JP破壊行動を始めました。残る敵対組織の構成員の全てを終了、鹵獲後、SCP-340-JP破壊行動をとっていた2名を観察後取り押さえ、現在サイト-17██にて尋問中です。およそGOCとの関連が疑われていますが、本人たち及びGOC当局は否定しています。
分析: 今回の事件に際し、SCP-340-JP破壊行動は被験者を1名に限らないことが判明しました。観察からSCP-340-JPの発生間隔が1~2秒から0.2~0.5秒にまで短縮され、発生個体数も破壊数の4倍にまで増加していたのは特筆に値する点です。

発見の経緯: 2011年2月に福島県の演劇ホールにて催されたイベントにて、演目の1つである「出来る!瓦割り」に参加した児童12名が「一心不乱に瓦を割り続けている」との通報を受けた現地警察ならびに潜伏エージェントによって発見されました。通報者のオランダ人留学生は演目を見ることにより受けた知識によって既にSCP-340-JPの特異性に暴露していました。

演劇ホールに居た143名が揃ってSCP-340-JPの特異性に暴露し、駆けつけた警官と財団エージェントもその特異性に暴露しました。財団エージェントからの連絡がないことを不審に思った職員が収容部隊を派遣、数名がSCP-340-JPの特異性を受けるもSCP-340-JPの回収に成功しました。

演劇ホールに居た民間人の全てにはAクラス記憶処理と、SCP-340-JP増加による地盤沈下とホール崩壊のためカバーストーリー"火事"が適用されました。
演目をする予定だった演者の佐藤 俊彦氏は回収直後のインタビューにて「ホームセンターでまとめ買いをした」と主張しており、回収された商品パッケージに異常な点はなく、パッケージされた瓦の1つにSCP-340-JPが混入されていたことが分かっています。 佐藤氏はインタビューの後に記憶処理を施したうえで開放。
財団は現在パッケージの記載情報を本にSCP-340-JPの製作元の特定を進めていますが、有益な成果は挙げられていません。

インタビュー記録340- 日付2011/3/12

対象: 実験記録340-10にて起用されたD-97988

インタビュアー: 柘植研究員

付記: 前日の実験による疲労の色が見られる。

<録音開始>

柘植研究員: お話は出来ますか?

D-97988: えぇ、まぁ。あの、水か何か、もらえますかね。

柘植研究員: えぇ、そちらの物をどうぞ。さて、今日お聞かせ願いたいのは前日の瓦割りに関してですが…覚えていますか?

D-97988: あぁ、はい、なんとなくは。

柘植研究員: 結構。先ず、瓦割りというのはご存知でしたか?あとは経験などされていましたか?

D-97988: 知ってましたよ。あの拳でバーンとやって瓦を割るやつですよね。でも私の流派ではそういったことはしなかったんですよ。

柘植研究員: そうですか…貴方のプロフィールには相当な経験があるように記載されていますが瓦割りの経験は無いと。やり方はご存知だったんですか?コツとか。

D-97988: いえ、武道は多少やっていましたが如何せん瓦割りが昇段に必要というものでもありませんでしたから…やり方はまったく知らなかったですね。テレビとかで見た程度しか知識はありません。

柘植研究員: なるほど。実験中に貴方は足が地面に付いていない、宙に浮いた状態でしたがその時何か思いませんでしたか?当時の感覚でも結構です。

D-97988: 宙に浮いてたんですか?私が?

柘植研究員: 浮いていましたね。映像記録などありますがご覧になりますか?

D-97988: あぁ、いえ、結構です。

D-97988: そうでしたか…浮いていましたか…。そんな自覚はありませんでしたね。ただひたすら目の前にある瓦を割っていただけですね。皆さんも応援してくれていましたしなんか自信が湧くというのかあれは自責の念というのか…頼まれたり応援されると弱いんですよね、僕。

柘植研究員: 応援?

D-97988: えっ?はい、あの時は柘植さん見えなかったんですかね?皆さん「頑張れ!」とか「お前なら出来る!」「出来る!瓦割り!」とか応援してくださって割れた時には拍手なんかしてくれてました。

柘植研究員: いえ、私はあの時も貴方の様子を見ていましたが誰もそんなことは…

D-97988: あれ?そうなんですか?黄色い声援って言うんですかね?女性のなんかが一番多くてそれでおだてられるように瓦割していたんですけど…

柘植研究員: はぁ…では瓦が"湧き出てきた"ことに関してはどう思われました?

D-97988: そうですね。

柘植研究員: あの…どう思っていたか聞いているのですが…その、「不思議だ」とか「奇妙だ」とかは思われませんでした?

D-97988: [唸り声]いえ…特には…何か変でした?

柘植研究員: そうですか…分かりました。それではもう一つお伺いします。貴方が実験終了直後に割った瓦の枚数は[編集済み]枚だったのですがコレに関して何か感想は。

D-97988: は?

柘植研究員: そうですか、ありがとうございます。

[以下、特筆すべき情報が無いため割愛]

<録音終了>

終了報告書: 被験者はSCP-340-JPに暴露している間、不可解な現象に関して一種の記憶影響か認識影響を受けているようである。また、暴露中に幻聴のような物で被験者をSCP-340-JP破壊に向かわせている可能性があるということは今後の実験に際し留意すべきことのように思われる。

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