SCP-342-JP
評価: +39+x

アイテム番号: SCP-342-JP

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: SCP-342-JPの近隣住民をカバーストーリー"恒久的工事中"に適応させ、可能な限りSCP-342-JPへの興味を回避させてください。入居の契約の全ては許可されず、SCP-342-JPの玄関の錠前は高セキュリティのデジタルロックによって財団が管理します。実験の必要のある職員はSCP-342-JP研究主任へ必要書類を提出し、主任からキーカードを受け取ってください。48時間以上のキーカードの持ち出しはO5の許可のもとで行ってください。
SCP-342-JP内部で出現した現金はナンバーを控え焼却し、当該の紙幣を発行する国の発券銀行へその旨を通達してください。実験の都合により一般市場での使用が必要な場合はO5の許可のもとで行い、使用した紙幣のナンバーを同様に発券銀行へ通達してください。

説明: SCP-342-JPは東京都██区にある████マンションの203号室です。

SCP-342-JP内部で就寝した1人以上の被験者は、起床時の枕元に封筒を発見します。 これは被験者の文化圏ごとに異なり、現在まで17種類の封筒1が確認されています。 封筒の内部には起床時間によって変動する紙幣が複数封入されています。 これも、被験者の文化圏ごとに異なり、現在までドル・ポンド・フラン・オーストラリアドル・ウォン・ルピー・円・ユーロ・バーツ・元などが確認され、おおよそ全ての国家紙幣があるものと推測されていますが、紙幣文化の無い被験者に対しては何の特異性も発現させません。

また、これらの紙幣は被験者の生活する時間に合わせて減少し続け、日本時間で0時を回り、翌日になった際には元の封筒に再び紙幣が発生するようです。 この時点でSCP-342-JP内部に被験者が滞在し、かつ就寝しておらず、最初に出現した封筒がSCP-342-JP外部に破棄されているか、あるいは処分されていた場合、封筒はSCP-342-JP内部のランダムな位置に再出現します。 0時を回った時点での最高金額は24万円で、1時間が経過すると封筒の内外問わず1万円分の紙幣・硬貨が消失します。 この消失は被験者の手元に無い紙幣にも発生し、一般市場にて代価として受け取った紙幣が消失するという現象が複数確認されています。
過去には被験者が紙幣を使用するタイミングと消失のタイミングが重なり、トラブルに発展するケースが確認されていますが、確認された全てのケースにおいて、被験者が消失していない紙幣を支払い直すか、精算時の店側の不手際として処理されていたため、SCP-342-JP発見が遅れたと推測されています。

また、0時を回った時点で被験者がSCP-342-JP内部に滞在していない場合、被験者の財布や衣服のポケット、それらが無い場合は被験者の目につく所に紙幣が出現2するようです。

発生した紙幣・硬貨は銀行預金することが出来ず3、1時間経過による消失の際、預金残高が優先して消失するようです。 このプロセスを観測する試みは全て失敗に終わっており、いかなるデジタルデータ・アナログデータも全て1万円分の預金が"無かったこと"として取り扱われるようになるようです。

発生した紙幣の発行ナンバーなどからの追跡は全て「紛失した紙幣」との理由で最終持ち主の手元を離れたものであることを示しています。


補遺: SCP-342-JPは2000年1月、当時入居していた月吉 ██の"幾ら預金しても残高が増えない"との不可解な銀行への苦情が数百回に登ったことで財団の注意を惹き、銀行職員に扮した財団エージェントによって発見され、収容に至りました。 

当時、月吉 ██は"枕元にお金があるのは変だったけど取り敢えず預金しようとした"と供述しており、預金がうまくいかないことに苦情を申し立てていたようです。 これらが原因のストレスによる精神失調の徴候が見られましたが損失残高の補填を約束した"財団への入院"に同意し一時的に収容されました。 月吉 ██はSCP-342-JPに関して"金に困っており、昔から事故物件として有名で賃料も都内では格段に安いため入居した"と語っており、事実、SCP-342-JPは1996年以降事故物件として破格の値段での賃料設定がなされていたことが分かりました。 月吉 ██はその他にSCP-342-JPから発生する現金を使用していた痕跡もなく、異常な数の苦情の原因とも思われる精神失調も回復したことにより記憶処理の後、カバーストーリー"事故による昏睡"が適用され開放されました。

特に指定がない限り、このサイトのすべてのコンテンツはクリエイティブ・コモンズ 表示 - 継承3.0ライセンス の元で利用可能です。