SCP-344-JP
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アイテム番号: SCP-344-JP

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-344-JPはサイト-81██1階の専用収容室にて保管されています。現在は、8m*8m*8mの大きさのBタイプ緩衝用スポンジを2つに切り、中央にオブジェクトが隙間なく収まるような横向きの穴を設け、スポンジの片方を床において穴にオブジェクトを安置し、上から蓋となるスポンジを重ね、ビス留めした四面の壁、床、開閉式の天面の六面からスポンジがずれない様にしっかりと固定する方法を取っています。これは少しでもオブジェクトが移動すると全世界規模の収容違反が起こる危険性があるためです。
オブジェクト実体を用いた実験はみだりに行われるべきではなく、実施の際はレベル4職員2名の許可と1名の同伴が必要です。オブジェクトは決して人の手では把持せず、全ての工程は収容室備え付けの、精密作業用ロボットアームで行ってください。
収容違反に際してはプロトコル-ゴッドファーザー・マスト・ダイが発令され、対面、TV、PC、ラジオ、携帯端末他、さまざまなメディアを用いて市民への特別記憶処理が行われ、研究・収容担当者以外の全職員と、可能ならば財団収容の知性オブジェクトにもBまたはCクラスの記憶処理が為されます。

SCP-344-JPの特異性発揮により想起される語句は"344-JP特別関連語句"として担当職員以外には秘匿されます。特に、職員が私的に特別関連語句を何らかの物体に名付けた場合、その職員は厳しく注意され、場合によっては相応の処罰が下されます。またもし万が一この言葉が財団外の何らかの媒体に現れた場合、秘密裏に調査したのち、速やかに媒体と関連記録を削除若しくは改竄してください。

説明: SCP-344-JPは桐の木を切り出して作られた、太さ3.2cm、真円柱部分が長さ7cm(以下持ち手部)、正三角錐部分が長さ23cm(以下先端部)、合わせて全長30cmの一本の細い棒です。非破壊の検査の結果では、物理的には野生の桐から切り出した木片と比して違いが見られませんでした。

このオブジェクトの特異性は、オブジェクトが0.1秒以内に5°以上回転することをトリガーとして発現します。オブジェクトが左記のように「振られる」と、地球上の全ての人間と同程度の知性を持つ存在1の意識下に、"ペットとして飼われている全てのカエルの名前は「[344-JP特別関連語句]」であるべきだ"というある種の確信が生まれます。但しこれは強制的に両生綱カエル目(Anura)の生き物にその言葉を名付けさせる効果や、カエルを購入・飼育させようとする効果を被影響者に齎すというようなものではなく、ただ、それが相応しい、と思わせるだけのものです。この想起の記憶と無意識下への刷り込みの影響などは記憶処理によって消去することが可能ですが、再度オブジェクトが振られた際には再び同じように想起されます。この想起現象を妨害する手段の模索は現在まで失敗しています。
被対象者によっては関連語句の表記も想起します。これはその被影響者が日常使用する言語に合わせた表記で想起されますが、どの言語においても区切られる部分は概ね同じであるようです。十分な知性と知識を持つ日本語話者においては仮名や漢字が特に細かく区別された語句が想起されますが、これは単にこのオブジェクトの由来が日本にあることに起因するものと考えられています。

344-JP特別関連語句に指定されている言葉の意味と由来は、web検索、文書捜索、アナグラム・符牒・暗号である可能性の検討、オブジェクト作成者らの周囲への聞き込みなどが行われたものの、現在まで全く不明なままです。またほぼ全ての種のカエルや、人間を含む複数の動植物、カエルを模した物品などにこれを命名する実験も行われたものの(実験記録344-JP-█~38を参照)、対象に何らかの有意な変化が見られたことはありませんでした。現在までのその他の実験においても特別関連語句自体に特異性は見られておらず、そのため現状アイテム番号も指定されてはいませんが、主要な研究者によって、より研究が進むまではこの言葉の認識災害・ミーム災害の可能性を否定できないとし、担当職員以外には秘匿されるべきと判断されています。

このオブジェクトは20██/██/██に行われた、財団指定の低脅威度要注意団体だった███大学██████会の調査によって回収された幾つかのオブジェクトの内の一つです。調査時にはこの団体は対外的には解体されており、以降の足取りや構成員についての有用な情報は得られていません。また調査時にはこのオブジェクトに関する資料は発見されず、オブジェクト作成の動機、経緯、手段などについては依然不明なままです。
回収後は発条緩衝装置を用いた慎重な輸送によってサイト-81██へ収容されました。その後、無害ではあるものの収容違反時の影響があまりにも大きく、また制作意図が全く不明であるが故に隠された効果が存在する可能性があるとされ、オブジェクトクラス: Euclidに指定されました。

何が悲しくて我々は、生まれたばかりの無垢な人間の赤ちゃんに与える大事な名前としてこんな無様なものを与え、ふざけた"ゴッドファーザー"にならねばならないのですか? 我々はこいつの作り手の思う壺にはまって、ただ意味のない言葉を作るだけの棒っきれに不当に振り回されているんじゃありませんか? 財団によって幾つか行われているであろう非人道な行為の内で、今回の実験344-JP-38がどれだけ"マシ"であるにせよ、私はこのオブジェクトの実験計画の見直しを要求します。 — ██研究員

要求を受理します。私の依頼が通れば、近日中に倫理委員会によって計画の見直しが行われるでしょう。しかし覚えておいてください――財団はあなたが思う以上に、よりバカバカしく、且つより非人道な状況を人類に強いるオブジェクトを、幾つも抱えています。そしてそれゆえに財団自身も、しばしば非人道な存在になります。あなたが思う以上に。その中でSCP-344-JPの研究はかなり、マシで、笑えない方です。 — 呉研究主任

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