SCP-3478
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アイテム番号: SCP-3478

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-3478はサイト-74の収容チャンバーで圧迫鎮静装置を用いて収容されます。チャンバー内の装置を用い、4時間毎に4回量の鎮静化合物H12をSCP-3478に投与しなければなりません。SCP-3478の逆面に固定された鎮静剤注射器のいずれかが損傷するか機能不全を起こした場合、SCP-3478を通じて遠隔操作ドローンを送り、できる限り速やかに修理、交換を行ってください。収容チャンバーの圧迫装置は2週間毎に検査し、必要であればメンテナンスを行ってください。

SCP-3478-AとSCP-3478-Bが出現する事態に備え、サイト-74保安職員は殺虫剤B15を装備し警戒態勢を維持してください。SCP-3478の収容違反発生時は、再収容に当たる全ての部隊はSCP-3478を収容施設まで安全に輸送するため、鎮静化合物H12またはその代替物と携帯型圧迫装置を装備しなくてはなりません。

説明: SCP-3478は全長およそ2mで平均的な人間の体格を有する特殊な人型異常空間です。SCP-3478は正面と背後以外からは視覚的に感知できません。正面または背後から観測した時、観測者はSCP-3478を人型をした地球でない領域として観測します。この空間の地面は人間の筋組織と同じ組成を持ち、空は強烈な黄緑の色合いです。SCP-3478の反対側の景色には目的のある構造体は見られず、全くの自然であるように思われます。SCP-3478の反対側に観察された動物相の詳細については探査記録3478-01を参照してください。横側から見た場合、SCP-3478は細いもやとして観察されます。

SCP-3478は自身の外縁部を人間と同等の力で移動させることが可能です。その輪郭を現在の人間型から変化させた例は確認されていません。外縁部は標準的な手段で掴むことが可能ですが、SCP-3478が自身の力によって移動している場合、外縁部は実験が行われた全ての物質については『切断』することが可能です。この切断作用は、SCP-3478を通過する物質と通過しない物質がSCP-3478外縁部で分離されることによって発生しています。

回収記録と事件記録に記されるように、SCP-3478は知覚能力を示します。収容違反の危険性のため、その解明は未だ試みられていません。異常な切断特性のため現在までSCP-3478は鎮静させて固定する事で収容されています。これは特別収容プロトコルに説明されるように、アノマリーの向こう側の景色に鎮静剤注射器を固定して鎮静剤を供給する事で実現されています。

SCP-3478-AとSCP-3478-BはSCP-3478の反対側に見られるそれぞれ幼生期と成虫期の、コクリオミイヤ属1の幼虫と関連する生物を指します。SCP-3478-A実例はウジと似ており、およそ2mの全長があります。SCP-3478-B実例は全長2mのハエと似ており、コクリオミイヤ属の成虫に似ています。詳細は探査記録3478-01を参照してください。

回収記録: 15/10/08、財団の情報筋がペンシルバニア州ハリスバーグで発生した事件を記録したことでSCP-3478は財団の注意を惹きました。地方法執行機関は金物屋に侵入した強盗を発見し、犯人が壁を突き抜けた事を報告しました。金物屋を出た後でハリスバーグ警察がSCP-3478に遭遇した際、SCP-3478は盗まれた殺虫剤の缶と思しき物を持っていました。警官はSCP-3478の捕獲を試みましたがSCP-3478は逃走し、警官の右腕が肘下から切断されました。切断された腕は回収されていません。財団スパイは翌日現場に到着し、殺虫剤の缶を自身の中に通しているのを見られて2回目の窃盗現場を離れようとするSCP-3478と対面しました。最終的に部隊は携帯型圧迫装置を用いてオブジェクトを確保し、サイト-74へと輸送することができました。警官と店主は記憶処理が施され、カバーストーリーが適用されました。事件の残留した証拠を隠蔽するため修繕工事への資金提供が行われました。

探査記録3478-01: 15/11/21、SCP-3478の反対側を探査するため飛行ドローンが挿入されました。

00:00 ドローンは探査に十分な範囲の制御信号を確立するためにSCP-3478の反対側に信号用リレーを設置する。

00:02 オペレーターは2分間でシステムチェックと初期分析を行った。ドローンはSCP-3478の反対側において物理法則の変化を検知できない。殺虫剤やアノマリーの周辺で発生した盗難によるゴミの痕跡は無い。異次元におけるSCP-3478の位置から約1m離れた場所には筋組織に埋め込まれる形で、機能した状態の循環器系と神経系が存在しており、その頭側はSCP-3478に向いている。脳は平均的な成人の約30%大きいように見える。これは身長2mの人間のそれに相当する比率である。ドローンは付近の組織サンプルを収集する。

00:07 ドローンはアノマリーから離れる。景色は肉厚の組織で形成されたなだらかな丘と黄緑色の空である。地面に僅かな振動が検知される。

00:12 ドローンは茶褐色の草と見られる物体に近づく。より精密な検査によってこれは太さ0.5mm〜1.5mmの髪の房であることが判明する。ドローンは研究用にサンプルを採集する。

00:38 ドローンは上方向に突き出したおよそ30mの突起物に接近する。突起物は空洞と腫瘍だらけである。ドローンがこれら腫瘍を観察しているとその1つが破裂し、SCP-3478-A実例1体が地面に落ちる。これらの腫瘍と穴は皮膚蠅蛆症のプロセスによるものと推察される。ブーンという大きな音が近付いているのが検知され、オペレーターはドローンを更なる検査のために近寄らせようとする。音源は高速で接近する3体のSCP-3478-B実例と断定される。オペレーターはドローンを撤退させるが、SCP-3478-B実例は追跡を行う。

00:44 ドローンは後ろにSCP-3478-B実例を伴いSCP-3478へ向かって広い平野を通過する。平野に空いた細孔(直径〜1m)から肉質の茎状物体数本が出現する。茎状物体はその先にそれぞれ金属質の物体を持っている。これは後にSCP-3478によって盗まれた殺虫剤の缶と判明した。茎状物体は殺虫剤を用いてドローンを追うSCP-3478-B実例を撃退する。

01:15 ドローンはSCP-3478から帰還し、除染を受ける。

事案報告3478-1: 16/13/02、SCP-3478は推奨レベルまで鎮静化されていたにも関わらず自力で動き始めました。その切断特性によって収容装置とチャンバーに中程度の損傷を与え、収容違反が発生しました。SCP-3478を越えようとする複数のSCP-3478-A実例が確認されました。SCP-3478の素早い動きと切断特性により、全ての生物が完全に通過する前に致命傷を負いました。SCP-3478は1時間後に犠牲者数2名で再収容されました。回収されたSCP-3478-A実例の残骸の分析は進行中です。

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