SCP-3480
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監督評議会命令
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オリンポス山の麓から望むSCP-3480の全景

アイテム番号: SCP-3480

オブジェクトクラス: Keter

脅威レベル:

特別収容プロトコル: 一般市民によるオリンポス山への接近は、重要文化遺産の保護というカバーストーリーの下、ギリシア政府によって禁止されます。ギリシア内務省職員に扮した財団職員は当該エリアへの非公認の立ち入りを妨害しなければなりません。

SCP-3480-2を収容するべく、SCP-3480のおよそ400メートル下方のオリンポス山中に、エリア-13が建設されました。1エリア-13はその設備の周囲に18基の巨大スクラントン現実錨(MSRAs)が円形に配備されます。全ての錨は常時起動状態を維持し、損傷あるいは機能不全に陥ったあらゆるユニットは可及的速やかに修理のうえ再配置されます。加えて、1つのシャンク/アナスタサコス恒常時間溝(XACTS)がプロトコル・クロノス実行のためにサイト内に常備されるとともに、バックアップ用に予備のXACTSがサイト倉庫に保管されます。

機動部隊オメガ-12(“アキレウスの踵”)は、現実改変能力を保持する存在の捕獲及び終了に特化した部隊であり、プロトコル・クロノス発令中はSCP-3480-2実体を収容するためにエリア-13に恒久的に駐屯しなければなりません。

ホワイト・イベント発生時に、プロトコル・クロノスが発令されます。プロトコル完遂後、クラスⅢ以下の現実改変存在に指定されるSCP-3480-2実体はエリア-13内部の標準ヒト型収容室に収監されなければなりません。クラスⅣ以上に指定された実体は、パーマー・プロトコルに基づき、昏睡状態に置かれた上でサイトに留置されなければなりません。2

説明: SCP-3480はギリシア共和国のオリンポス山山頂です。当エリアのヒューム値は財団の記録上の最低値であり、コウルドマン-ジェフスキーヒューム計によると、およそ1.2×10-██Hmと計測されました。3ヒューム値が絶対零度に達することは、理論上自然には発生し得ません。財団による小型次元空間内におけるSRAを用いた実験ですら、0.15Hm以下のヒューム水準を発生させることは不可能でした。ヒューム値をそれ以下に低下させることは理論上可能ですが、そのためには何百基ものSRAを要します。これほどの数は財団サイトの中でもただ1ヶ所のみしか保有していません。このヒューム値ならば、現実性が非異常性の人間によって改変されうるほどに脆弱になり、局所的現実性の視覚的歪曲を示すはずであるにもかかわらず、SCP-3480は通常その異常環境の兆候を表出しません。当アノマリーは発生してから████年経過していると推測され、財団の管理下に置かれるのに先立って様々な要注意団体によって収容あるいは運用されてきました。

SRAは、エリア-13内部のヒューム値を1Hmの基準ラインに維持することならば可能ですが、SCP-3480のヒューム値を基準ラインへと正すことは出来ません(運用能率の低下にもかかわらず)。したがって、SCP-3480は局所的現実性が流出していく穴隙として働くのだと仮説立てられています。この効果はSCP-3480に近接する生物や環境に負の影響を及ぼさないものと見られます。

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ホワイト・イベント中のSCP-3480-1(アノマリーの右側にカント計数機が視認可能)

SCP-3480-1は、SCP-3480内にアトランダムとみられる間隔で出現する徴候に与えられた呼称です。4 出現に先立つ5〜22分間、SCP-3480内のカント計数機が指し示すヒューム値は基準ラインへと回帰します。出現が発生すると、1体の無意識状態の人間が地表からおよそ3メートル上方に自然発生的に現れ、静止します。当実体はその後白光によって完全に包まれます。この後、SCP-3480内のヒューム値は再度限りなくゼロに漸近します。これらの出来事は総じてホワイト・イベントと呼称されます。

当該個体の出現と極小ヒューム値への再帰の後、SCP-3480-1は多様な長さの時間をかけて滞留します。5SCP-3480-1実体との相互干渉はその特性のために不可能です。SCP-3480-1の周囲0.5メートル以内に存在するありとあらゆる物質は、急激な現実性の喪失を被り、瞬時に分子分解されるに至ります。最終的に白光が衰え、内部の個体は地表へ落下して意識を取り戻します。これらの個体はこの時点でSCP-3480-2実体とみなされます。

SCP-3480-2の全実体は種々の強さを有する現実改変存在であり、実体に関わったホワイト・イベントの継続時間が長いほど、当該実体の能力は強力になります。SCP-3480-2実体は概してソシオパシー、ナルシシズム、暴力的傾向の兆候を示しています。SCP-███、SCP-███やSCP-████は、SCP-3480の収容以前に出現したSCP-3480-2実体であるとみられています。SCP-3480-2実体のうちおよそ68%は肉体的・精神的な障害を見せています。それらの障害には通常、追加された心室、完全な多指の手足、頭蓋内体積と頭蓋高の増大、および2.4-3.6GHz帯域のラジオ波を放射および受信する不明な目的のための腹腔内臓器の存在、知的障害が含まれます。

補遺3480-1: 現行プロトコルの制定以降はSCP-3480による結果としてのK-クラスシナリオは発生しておらず、死傷者はたった██名に留まっています。

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