SCP-3505
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3505.png

SCP-3505。画像は異常性が発生しないように加工されている。

アイテム番号: SCP-3505

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: SCP-3505はサイト-17の低価値異常アイテム保管ユニットにある、保管ロッカー#6838内の不透明な箱に保存します。SCP-3505を見せられた人物は、それが実験中であった場合は実験の終了時に、実験外であった場合は直ちにクラスC記憶処理が施されます。SCP-3505の実験は前哨基地7949-2で許可されており、他の場所での実験はSCP-3505のHMCL監督官から認可を得た場合のみ可能です。

PoI-3505-0は2047年9月28日まで他に異常な活動が無いか監視されます。

説明: SCP-3505は、ミネソタ州████████の████'s中華料理店が提供する持ち帰り用容器の一部であった、板紙の切れ端です。オブジェクトに付着した残留物は████'s中華料理店で用いられる甘酢あんと一致します。予め印刷された "Please Come Again (またお越しください)" という文言に加え、オブジェクトには青いインクで以下の文章が手書きされています。

Out & about
(出かけてくる)
back at 7
(7時には戻る)
text me if you need anything
(何か要るものあったらメールしてくれ)

SCP-3505の異常性は、書かれた文章を理解し、当該オブジェクトの全体の形状を想起できる人物が、何らかの要望や依頼を記載したメッセージを任意の相手に送信した際に発現します。送信から14秒後、受信側の機器はそのメッセージを了承した返答を自動的に送信します1。それと同時に、SCP-3505-A実例が地表から約15 km上空に出現し、数分後に地表まで落下します。SCP-3505-Aは通常、最初のメッセージを送信した人物の20 m圏内に落下し、その過程で人間を負傷させることはありません。

SCP-3505-Aは████'s中華料理店が提供する持ち帰り用容器と一致しますが、大きさは様々であり、最初のメッセージで示した要望や依頼と関連する物品を内包しています。いずれもSCP-3505に見られるのと同一の残留物が付着しています。SCP-3505-Aは落下や大気状態による損傷を受けませんが、内容物は概ねそれらの力の影響を受けやすくなっています。基本的にSCP-3505-Aの中には、内容物に傷が付かないよう必要に応じて遮熱材や衝撃吸収材が同梱されていますが、衝突時以降は必ずしも無傷に保たれるとは限りません。

SCP-3505-Aの内容物は、同一人物が全く同じメッセージを送信した場合でさえも実例ごとに異なり、必ずしも最初のメッセージに記載された物品と強く関連するとは限りません。SCP-3505は検査を経た物品や素材を確実に入手できる手段ではありません。

発見経緯: SCP-3505は2017-09-28、ミネソタ州████████の空から異常な物体 (SCP-3505-A実例) が終端速度でいくつも落下してきたという通報があったのちに発見されました。現地における直近の通話記録の標準分析から、SCP-3505-Aと、███・ハンソン (衝突現場近くの家屋の居住者) による数件のメッセージとの間に関連性が見出されました。SCP-3505はその後の調査中に回収されました。DNA鑑定や関係者の証言、および筆跡鑑定から、SCP-3505の製作者は██████・ハンソン2 (PoI-3505-0) であると判明しました。当人は現地の映画館で映画を見に出かけた際に、厨房にSCP-3505を残していました。PoI-3505-0はSCP-3505の性質に気付いておらず、その説明も、複製もできませんでした。

簡略化実験ログ: 以下の実験は前哨基地7949-2で実施されました。SCP-3505を見せられた被験者は、監督研究員によって監視された電話に、携帯電話を用いてメッセージを送信するよう指示されました。

最初のメッセージ: 「今日は元気?」
返信: 無し。
SCP-3505-Aの内容物: 実例は生成されなかった。

最初のメッセージ: 「今日は元気か知りたい。」
返信: 「りょ」
SCP-3505-Aの内容物: 青いインクで "かなり良い感じ" と書かれた、若干焼け焦げた青い画用紙1枚。筆跡はPoI-3505-0のものと一致する。実験当時、当人は就寝中であった。

最初のメッセージ: 「牛乳が切れた。」
返信: 「帰りに買ってくる。」
SCP-3505-Aの内容物: 脱脂粉乳4リットル入りの、封をされたポリ袋。凝固していることから、この牛乳は落下中の短時間で沸騰したものの、財団が容器を開封するまでに冷えて液化したと推察される。

最初のメッセージ: 「かなり冷えた牛乳を送ってくれないか?」
返信: 「んー。やるだけやってみる。」
SCP-3505-Aの内容物: 脱脂粉乳4リットル入りの、封をされた鋼鉄製容器。内容物の一部は凍結していた。特記事項として、このSCP-3505-A実例には、1つ前の実例には無かった遮熱剤が広範囲にわたって取り付けられていた。

最初のメッセージ: 「コカインが要る。」
返信: 「そう簡単なことじゃないぞ。」
SCP-3505-Aの内容物: 木製のテーブルに乗った、白い粉の大きな堆積物の写真。このテーブルはPoI-3505-0の自宅にあるものと一致する。堆積物の前には、布製の目隠しと、『The Pioneer Press』の最新号の写真が置かれていた。

最初のメッセージ: 「あれじゃ効きそうにない。本物のコカインを頼む。」
返信: 「りょ」
SCP-3505-Aの内容物: ベンラファキシンの混ざったコカイン0.3 g入りの小さなポリ袋。

最初のメッセージ: 「コカインが切れた。」
返信: 「マジかよ!!!」
SCP-3505-Aの内容物: 破損したUSBフラッシュドライブ3つ。そのうち2つには何も保存されていなかったが、3つ目にはエリック・クリプトンの歌曲『Cocaine』と同一の録音音声が保存されていた。

最初のメッセージ: 「1kgのウラン238が要る。」
返信: 「いや要らないだろ。」
SCP-3505-Aの内容物: 合計で1.2 kgの、人間の肉片238個。サンプルのいくつかは糞便で汚染されていると判明した。DNA検査では決定的な結果は得られなかった。

最初のメッセージ: 「100万ドルを送ってほしい。」
返信: 「今あんま金ないけど、次善の策ならある」
SCP-3505-Aの内容物: マジック・ザ・ギャザリングのカードである、"アルファ版" と見られる「Black Lotus」(市場価値 約15,000ドル) 60枚。いずれも使用に適さないまでに焼けているか、焦げているか、破れている。SCP-3505-A内にあった灰は、最大でさらに3枚分に相当する。

最初のメッセージ: 「もう100万ドルが要る、今度は現金で。」
返信: 「現金ないっつったろ、まあこういう次善の策ならあるが。」
SCP-3505-Aの内容物: 黒焦げの人間の死体。DNA鑑定では██████████・タイラー (ミネソタ州████████出身の、ロサンゼルス在住の起業家) と一致した。衝突時に死亡。特記事項として、██████████・タイラーは現在も存命であり、その流動資産の価値は約1,000,000アメリカドルと見られている。

最初のメッセージ: 「100万ドルくれ。」
返信: 「りょ」
SCP-3505-Aの内容物: スーツケース数個。内部には総額で999,998ドル相当の多種多様かつ有効な米国通貨が、甘酢あんに漬かった状態で入っていた。

最初のメッセージ: 「車を洗っといて。」
返信: 「自分で洗え。」
SCP-3505-Aの内容物: 約500リットルの石鹸水が入っていたと思われる鋼鉄製容器。恐らくは内部の石鹸水が沸騰したことによる圧力から、SCP-3505-Aは衝突の数秒後に爆発した。

最初のメッセージ: 「彼氏探しを手伝って。」
返信: 「一人いい奴を知ってる。」
SCP-3505-Aの内容物: 青いインクで電話番号が記載された、白いプリンター用紙の切れ端。この番号は█████・グラバー (PoI-3505-0の知人男性) のものと判明している。実験当時グラバーに交際相手はいなかったが、当人と被験者の性的指向は相容れなかった。

最初のメッセージ: 「彼氏探しを手伝って。」
返信: 「もう一人いい奴を知ってる。」
SCP-3505-Aの内容物: 黒焦げの人間の死体。DNA検査では██████████・タイラーと一致した。衝突時に死亡。

最初のメッセージ: 「彼氏探しを手伝って。」
返信: 「待ってろ。」
SCP-3505-Aの内容物: 有効だが未割り当ての電話番号が黒いインクで記載された、プリンター用紙の切れ端。

最初のメッセージ: 「あなたが何者なのか教えて。」
返信: 「……」
SCP-3505-Aの内容物: 青いインクで "F" と手書きされた、白いプリンター用紙の切れ端。筆跡はPoI-3505-0のものと一致。

最初のメッセージ: 「あなたが何者なのか教えて。」
返信: 「……」
SCP-3505-Aの内容物: 青いインクで "U" と手書きされた、白いプリンター用紙の切れ端。筆跡はPoI-3505-0のものと一致。

最初のメッセージ: 「あなたが何者なのか教えて。」
返信: 「……」
SCP-3505-Aの内容物: 青いインクで "C" と手書きされた、白いプリンター用紙の切れ端。筆跡はPoI-3505-0のものと一致。

最初のメッセージ: 「あなたがしていることのやり方を教えて。」
返信: 「マジな話、俺の仕事はやめといたほうがいい。」
SCP-3505-Aの内容物: 裏に青いインクで運転指示が手書きされた、アメリカ大陸の地図。指示には前哨基地7949ー2からミネソタ州████████のSuperAmericaガソリンスタンドまでの道のりが詳述されている。PoI-3505-0は2013年7月から2013年8月まで、近場のSuperAmericaガソリンスタンドで働いていた。

最初のメッセージ: 「物理法則に反するものが要る。」
返信: 「ちょい待ち」
SCP-3505-Aの内容物: 不詳な青い粉の入ったポリ袋。開封直後に粉は空へと落下した。反重力性を有していたと思われる。

最初のメッセージ: 「物理法則に反する上に静止するものが要る。」
返信: 「りょ」
SCP-3505-Aの内容物: SCP-3505と一致する物体。ただし、SCP-3505の異常性は有しておらず、地球との相対位置が衝突地点に固定されるという性質を有していた。

最初のメッセージ: 「電話越しにキスして。」
返信: 「異様だがまあいいぞ」
SCP-3505-Aの内容物: 被験者のと同一の、機能しない携帯電話。唯一の相違点として、生気のある人間の唇が携帯の画面に接合されていた。コンピュータと神経との接合部の熱損傷がひどく、詳しい研究は不可能であった。DNA鑑定では決定的な結果は得られなかった。

最初のメッセージ: 「驚かせて。」
返信: 「なんでもいいなら」
SCP-3505-Aの内容物: 半分に折れた青いクレヨン1本。衝突直前、SCP-3505-Aは急に方向を変えて被験者の2 m圏内まで接近し、それから進路を反転して当初の予測衝突地点に落下した。

最初のメッセージ: 「助けて。」
返信: 「分かった」
SCP-3505-Aの内容物: 使用可能な電磁パルス兵器。衝突時に起動し、ステイン研究員のペースメーカーを含む約80 m圏内の電子機器を全て作動不能にした。手隙の職員のほとんどがステイン研究員の支援に気を取られているうちに、被験者は (未遂に終わったものの) 敷地内からの逃走を試みた。

最初のメッセージ: 「家に帰ってきてほしい。」
返信: 「7時には戻る。」
SCP-3505-Aの内容物: N/A。以降4時間は何の活動もなかったが、現地時間で5:48 PM頃にPoI-3505-0が前哨基地7949-2に向けて約10 m/s2で加速し始め、最大速度は約50 m/sに達した。最初の15秒間で壁と衝突した際に死亡したと有力視されている。観測によれば、対象の身体は進路上の障害物を減速することなく突破しただけでなく、必要に応じて上下に移動し、人間との衝突を避けていた。対象の身体は216 km移動し、現地時間で7:00:00 PMに前哨基地7949-2付近の丘に衝突、静止した。死体は異様な性質を示さなかった。

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