SCP-362-JP
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SCP-362-JP内部の様子

アイテム番号: SCP-362-JP

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-362-JPに通じるマンホールの上には、直径5.5m、高さ48mの円筒形のカバー(工業用煙突に偽装)が建設されています。全体が断熱構造になっており、内壁には液体窒素の噴出機構を設置、3重の気密式隔壁が設置されています。隔壁の開放には、日本支部理事会の承認が必要です。

マンホールの蓋には各種センサーが設置されており、カバーに隣接するサイト-8125(工場に偽装)にて24時間体制で監視されます。SCP-362-JP-1が外に出るような動きを感知した場合、サイト管理者は直ちに液体窒素の噴出機構を作動させて下さい。隔壁が一つでも破られた場合は、警視庁公安部所属エージェントの主導によりカバーストーリー「テロリストによる爆破予告」を用いて周辺住人を避難させ、以降は機動部隊司令部に管轄を移します。

説明: SCP-362-JPは東京都██区███町のマンホールから繋がる準閉鎖型の異常空間です。内部を構成している要素は一般的な下水道と同様の物、および同様の構造で建造されており、材質も通常のコンクリートや工業用の金属部品などが使用されています。しかし、水道局の整備地図とは分岐などの諸データが一致せず、GPSは通信エラーを示します。マンホールの蓋付近からであれば、内部との短距離通信は可能です。

水路に当たる部分には、赤く粘性のある液体が流れています。研究班がサンプルを分析したところ、哺乳類の血液に成分が酷似していることが判明しました。詳細なデータは、生命工学研究所培養棟のサーバーに保管されているファイルSCP-362-JP群を参照して下さい。

SCP-362-JP内では敵対的な半生物的存在(以下SCP-362-JP-1)が確認されています。全長2~4m程度、映像や目撃者の証言を統合すると”赤いヘルメット、作業服、工具(例、スコップ、ツルハシ、ドリル)を装備した赤いスライム状の人型”と表現でき、SCP-362-JPを流れる赤い液体が変質したものと推測されています。SCP-362-JPへの侵入者を発見すると、直ちに襲い掛かります。力は相当に強く、機動部隊仕様のボディアーマーを一撃で破壊しています。また、液体で構成されているため、通常火器はほぼ無意味です。動きは機敏ではありませんが、SCP-362-JPの地形上回避は困難です。
 
第5次調査(後述)の際に出現し、現在も総数不明の個体がSCP-362-JP内を徘徊しています。調査記録の分析により、SCP-362-JPに損傷を与える行為が出現のトリガーになったと推測されています。現時点ではSCP-362-JP外に出ようとした例はありませんが、行動原理に不明な点が多いこともあり、サイト-8125の警戒レベルは最低でも常時3に設定されています。  

SCP-362-JP-1への対策が用意できるまで、SCP-362-JPの調査は停止されています。

調査記録SCP-362-JP抜粋: 全文はサイト-8125および中央資料室█-███区画に保管

第1次調査: 日付201█/10/█

目的: 予備調査。
手段: Dクラス職員3名を潜入させる。
結果: 入口から100m以内の地図を作成、水道局の整備地図とは不一致、GPSも不通。マンホール内部を異常空間と判断、本件をSCP事案と確認。赤い液体のサンプルを入手。

第2次調査: 日付201█/10/█

目的: より広範囲の調査、水中カメラによる水路の調査。
手段: Dクラス職員10名を潜入させる、内3名は水中カメラ担当。
結果: 入口から300m以内の地図を作成。水中カメラ、視界不良のため調査困難。担当者”水中に何かがいたような気がする”と報告、映像では確認できず。

第3次調査: 日付201█/10/██

目的: より広範囲の調査、地中レーダーによる空洞の調査。
手段: Dクラス職員15名を潜入させる、内5名はレーダー担当。
結果: 入口から700m以内の地図を作成。レーダー担当、規則性のある音を感知。担当者は”一定のリズムで太鼓を叩いているような~”と表現。

第4次調査: 日付201█/10/██

目的: 音の発信源への到達。
手段: Dクラス職員20名を潜入させる、音が強くなる方面を重点的に調査。
結果: 発信源は座標X4612/Y7581の直下約100mと推測、しかし発信源に至る通路は発見できず。数名の職員が”誰かに見られているような気がする”と報告、映像では確認できず。

第5次調査: 日付201█/10/██

目的: ボーリングマシンによる音の発信源の調査。
手段: Dクラス職員20名を潜入させる、ボーリングマシンによって座標X4612/Y7581から音の発信源まで穿孔し、その後ワイヤーカメラによって撮影を試みる。
結果: 作業開始直後に、付近の水路から湧き出すように次々とSCP-362-JP-1が出現、作業中のDクラス職員に襲い掛かり[削除済]

調査本部、機動部隊つ-3(”土蜘蛛”)に出動要請。つ-3、SCP-362-JPに突入するも[削除済]

つ-3指揮官、機動部隊司令部に増援要請。

この間、音が可聴範囲にまで増大、微弱な振動などの現象が発生。

液体窒素銃1のみが、SCP-362-JP-1に効果があることを確認。つ-3、SCP-362-JP-1を足止めしつつ撤退。隊員ら、数体のSCP-362-JP-1が穿孔部分に覆い被さり、体を結晶化させている場面を目撃。

SCP-362-JP-1、SCP-362-JP外に出る様子はないため、研究班、特別収容プロトコルを策定。技術班、カバー及びサイト-8125構築開始。

技術班よりマンホールの縦穴をセメントで塞ぐ、蓋を溶接する等の案も提出されるが、班主任会議によりSCP-362-JP-1を刺激するリスク、再調査の必要が生じる可能性を考慮され見送り。

以降の調査は日本支部理事会の許可が下りるまで停止。

 
補遺: ███博士(当SCP事案研究主任)、██準1等隊員(つ‐3指揮官)の会話を元に編集、両者は███大学の同期生でプライベートでも親しい間柄、日付201█/11/█、総合医療センター附属病院にて

███博士: やあ、治療は順調かね?
 
██準1等隊員: ああ、頑丈だけが取り柄なんでね。サイトの方は?

███博士: 問題ない。あれ以来、静かなもんだよ。全く、何なんだろうなぁ、あの下水道は……。
 
██準1等隊員: [沈黙]
 
███博士: ああ、いや、この話題はよそう。ええと……。

※しばらく雑談

看護師: 面会中、失礼しますね。輸血だけ宜しいでしょうか?

███博士: ええ、どうぞお構いなく。

※数分後、看護師が退室

███博士: 早く一般病棟に移れるといいな。そうすれば、女房も連れてくるのに……[██準1等隊員の様子を見て]おい、どうした?

██準1等隊員: [輸血チューブを凝視しながら]……そうか。
 
███博士: え?
 
██準1等隊員: 分かったような気がする……SCP-362-JPとは、何なのか。
 
███博士: ほ、本当か!?
 
██準1等隊員: いや、素人の想像だ。根拠がある訳じゃ……。
 
███博士: 研究者だって、まずは想像から始めるもんだ。是非聞かせてくれよ。
 
██準1等隊員: [苦笑]やれやれ、さっきまでの遠慮はどこ行った? まあいい……ずっと引っかかってたのは、あの化物どもの態度だ。
 
███博士: 態度?
 
██準1等隊員: 必要以上に大きく腕を振り回して……まるで、威嚇しているようだった。縄張りを荒らされた動物みたいにな。あれを見てると、こっちが悪いことをしているような気になったよ。まあ、奴らにしてみれば、俺達はあそこに存在しないはずの異物……ウイルスみたいなものだろう。
 
███博士: ウイルス……まさか。
 
██準1等隊員: [輸血チューブに視線を戻し]ああ、そうだ。SCP-362-JPとは、血が流れる下水道……ではなく、血管そのものなのかもしれない。そう考えれば、あの化物どもの行動も説明が付く。奴らは血管内の異物を排除する白血球であり、血管を修理する血小板でもあるんじゃないか……。
 
███博士: じゃあ、あの”太鼓を叩いてるような音”は……。
 
██準1等隊員: すまん、ここから先は、君達に任せるよ。怖くて、ここから先に進めないから……俺は、研究者になれなかったんだろうな。

※以上は正式なインタビューログではありませんが、███博士の希望により掲載されました。

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