SCP-367-JP
評価: +70+x

アイテム番号: SCP-367-JP

オブジェクトクラス: EuclidNeutralized

特別収容プロトコル: SCP-367-JPは現在サイト-81██の低脅威度物品保存ロッカーに収容されています。SCP-367-JPが活性化イベント期間に入った際には再び標準人型収容セルに移され、実験が再開されます。

説明: 現在SCP-367-JPは寸法54×54×182cmの、見た目上は通常の花崗岩で構成された卵形の物体です。これまでの検査ではSCP-367-JPが通常の花崗岩であると判明しています。

SCP-367-JPには不定期に活性化イベントが発生します。活性化イベントが発生した場合、SCP-367-JPは平均23秒間、5dB程のホワイトノイズに類似した雑音を起こした後、内部から発生する衝突音と共に崩れ始め、その内部からSCP-367-JP-Aが出現します。この際、SCP-367-JPが破壊されていた場合にもSCP-367-JPの破片がもっとも密集した地帯にSCP-367-JPが再出現し、イベントは実行されます。

SCP-367-JP-Aは原型不明の模倣能力を有している生物です。活性化イベントの開始時点では通常の生物と同様で幼生であり、SCP-367-JPから出た後、4~5分の間に成熟します。財団の収容初期の活性化イベントではイエイヌ(Canis lupus familiaris)の姿をしていました。

実験から、模倣できる対象は体長█cm以上の動物界の生物に限定されていることが判明しており、植物や菌類などの他門の生物への模倣は確認できていません。知性は今まで模倣した生物のうち比較的高いもので固定されるようです。現在まで変化できる最大の大きさは確認されていませんが、人間に模倣し、言語能力を獲得したSCP-367-JP-Aの「一度見た、あの首長竜にはなれなかった」という発言から最大約40m以下と推測されています。異常性を持つ生物オブジェクトへの接触はSCP-367-JP-Aの動作、知性を劇的に上昇させ、異常性の獲得にまで至る可能性から収容違反へとつながるとされ、禁止されています。

SCP-367-JP-Aが死亡もしくは活性化期間が終了した場合、その場でSCP-367-JP-Aは最大62秒の間にその時模倣していた生物のサイズに合わせたSCP-367-JPに置換され、非活性化期間に入ります。非活性化期間は多少の揺れや動きはあるものの、日を重ねるに従って増加しています。このことについてSCP-367-JP-Aに尋ねるとそれは平常のことで、期間は循環すると回答しました。

SCP-367-JPは19██年に[編集済]においてアマチュア考古学者であった█████氏が[編集済]の断層で発掘したもので、帰宅中に連れていた同氏の飼い犬が2匹になっていたことから異常性が判明し、噂を頼りに近隣の財団職員が接触、記憶処理の後に回収しました。当初SCP-367-JPは10分未満の間に活性化、非活性化を繰り返しましたが、██日の間にこの間隔は1~5日にまで落ち着きました。この間にSCP-367-JP-Aは人の模倣を始めました。198█年現在、通常時にSCP-367-JP-Aは██博士に近似したアジア系の30代男性であり、財団に対して一般的なメディア資料の請求を条件に協力的な態度を示しています。

対象: SCP-367-JP-A

インタビュアー: ██博士

付記: このインタビューは、SCP-367-JPの起源調査のために行われました。

<録音開始>

██博士: こんにちは、SCP-367-JP-a。

SCP-367-JP-A: こんにちは██博士。

██博士: 今日は特別に聞きたいことがあります。

SCP-367-JP-A: ええ、わかります。私がどこから来たか、ということですね?あなた方にとって私という存在はあまりにも不可解なことは理解できます。と言っても、私自身それは同じです。

██博士: 同じ?

SCP-367-JP-A: はい、最初の記憶は赤い海、溶岩と言うんでしたっけ、あれの中に浸かっていたことです。その時の自分の姿はわかりませんが、見えていたのですから、目はあったんでしょうね。まるで何かの大きな手で包まれているみたいで、とても暖かかったのを覚えています。それから記憶は、長い時を眠って1海の色が優しい青色になるまで飛びます。

██博士: あなたは、地球の原初の時代から存在し、どのようにして誕生したかはわからないということですか。

SCP-367-JP-A: はい、わかりません。私に分かるのはそれからの生物が溢れるようになったこの星だけです。

██博士: わかりました、それからのことをお話し下さい。

SCP-367-JP-A: わたしはその海の中で動く物たちに気づきました。それに気がついたときには真似て動けるようになりました。ほぼ全ての動く物になれると気がつくと何か異様な欲求にかられて、それからはただ、何かを真似ながら、泳いだり、跳ねたり、飛んだり、走ったり、食べたりして…その後に来る不定期な眠りと覚醒を繰り返していました。そうしてあのイヌというものを真似ていたらあなたたちが来て、ここに入れられたという次第です。

██博士: なるほど、ご協力ありがとうございました。

<録音終了>

追記: 199█年█月█日、SCP-367-JP-Aは突如悲鳴をあげ、非活性化しました。その後、SCP-367-JPは1█年期間を空け200█年█月█日に再度活性化しました。SCP-367-JP-Aは最後の行動とそれまでの増加頻度と比べ極端な非活性化期間の増大から、その原因を探るためにインタビューが行われました。

特に指定がない限り、このサイトのすべてのコンテンツはクリエイティブ・コモンズ 表示 - 継承3.0ライセンス の元で利用可能です。