SCP-370-JP
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アイテム番号: SCP-370-JP

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-370-JPは特定防護収容設備を備えた10m×11m×6mの収容室に収容してください。収容室への出入口は必ず四方へと最低4つ設置し、ボガート手順-SoCV遂行のための手順の簡略化を図ってください。

収容室内にはSCP-370-JPの使用に耐える構造の複数の家具、特に2つの椅子に食卓、ベッド、簡易キッチンと冷蔵庫を常に設置し、稼働状態を保ってください。家具の追加はSCP-370-JP-1の身体状況に合わせて適宜行ってください。

ボガート手順-SoCVの遂行は現在機動部隊-へ11"保育士"が担当しています。ボガート手順-SoCVの詳細については担当の機動部隊へ連絡してください。ボガート手順-SoCVによって確保されたSCP-370-JP-1はクラスC記憶処理の後、対象に対する扶養者と判断される人物へと返還されます。その際、扶養者を含んだ一般関係者全員にクラスB記憶処理を施してください。

また、SCP-370-JP-1の養育期間中には、扶養者を含んだ一般関係者全員にクラスC記憶処理を施し、返還まで監視を行ってください。

説明: SCP-370-JPは身長2.41m、体重128kgの二足歩行の生命体です。全身が茶色の長毛に覆われていますが、本来の皮膚は光沢のある空色であり、それらは両手部位と頭部と足裏部位で露出しています。両手の指は4本ですが構造上人類と近似であり、精密な作業が可能です。頭部は爬虫類の形態に似ていますが、鮫と同様の歯列構造と、3つの眼部を有しています。また、発話能力は持たないものの、感情の発露に用いるための発達した発声器官を持っていると思われます。

内臓機能の調査は、既知の検査用探知波を遮断する皮膚の性質と、防御反応的な攻撃によって進行が遅滞しています。SCP-370-JPによる破壊活動の痕跡から、全身体能力は平均的な成人男性のおよそ17.3倍程度であると思われます。

SCP-370-JPは定期的に喉頭内に生後5ヶ月〜2年にあたる人間の幼児(SCP-370-JP-1と分類)を出現させ、口腔より吐き出します。SCP-370-JP-1は実在の幼児の特徴を有し、出現時に同個体的な特徴を有する幼児が元の場所から消失している事から、SCP-370-JPによって生成ではなく転移されているものであると結論付けられています。

SCP-370-JP-1は転移以前の記憶を消失した状態で転移されており、そのためSCP-370-JPに対して否定的な反応を取りません。

SCP-370-JPはその後365日間SCP-370-JP-1を養育します。養育中の主な活動としては食事の提供、SCP-370-JP-1の遊戯の相手、高音の唸り声を用いた子守唄の歌唱、健常な養育に必要と思われるスキンシップの実行等が挙げられます。これらの世話に何らかの不都合が生じた場合、SCP-370-JPは明らかに狼狽した様子で、問題の解決に努めます。問題が長時間解決しなかった場合、それはSCP-370-JPによる、周辺への無差別な破壊活動を招く可能性があります。

SCP-370-JP-1に危害を加える行為、もしくはSCP-370-JP-1をSCP-370-JPから引き離そうとする試みは、SCP-370-JPによる極端に敵対的な破壊活動を誘引します。しかしSCP-370-JP-1に対する直接的危害には及ばないため、その性質がボガート手順-SoCV遂行に活用されています。

SCP-370-JP-1が死亡するか喪失された場合、SCP-370-JPは37時間絶え間無く叫びながら積極的に破壊活動を行った後、再度SCP-370-JP-1の出現を行います。そのため、ボガート手順-SoCVの実行は食事期直前まで行われません。

SCP-370-JP-1の養育開始から365日後、SCP-370-JPは涙腺より水分を排出し、断続的に小さな声を上げながらSCP-370-JP-1を捕食します。捕食は3日間休む事無く少量ずつ行われ、その間SCP-370-JPの声量と水分の排出が激しくなります。

捕食が完了した後、SCP-370-JPは周辺の存在に対して無差別的に破壊活動を行います。これは3時間後鎮静し、その後78時間SCP-370-JPは蹲って一切の活動を停止させます。

78時間経過の後に、SCP-370-JPは別個体であるSCP-370-JP-1を出現させ、再度養育期へと入ります。

補遺: SCP-370-JPの観察と、破壊活動によって破壊されたオブジェクトに対する各種試験により、行動パターンと身体能力の予測が行われました。それに伴い、SCP-370-JPと戦闘状態に入った際のリスク管理パターンと戦術が構築され、食事期の寸前でSCP-370-JP-1を回収する手順確立のためのボガート計画が発足しました。

現在のボガート手順-SoCVに於いては、専用の装備、人員、戦術、手順が確立され、それに適した収容設備の整備が完了しています。それにより、一切の回復不能な損失無しでSCP-370-JP-1を回収する確率は現在98.73%にまで高まっており、極微小な確率で生じる損失についても容易に補填が可能となっています。

回収したSCP-370-JP-1はこれまでの検査から異常な性質を持たない事が判明しているため、簡易検査の後転移前の養育環境へと返されます。

また、この手順の確立と長期継続により、SCP-370-JPは本来食事を必要としない事が判明しています。

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