SCP-3806
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████████郡墓地のSCP-3806の実例。出入口の上方に刻まれた電話番号はセキュリィティー上の理由から黒く塗りつぶされています。

アイテム番号: SCP-3806

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: SCP-3806の実例は南京錠と自動監視システムによって保護されます。もし許可を得ていない人物がSCP-3806への侵入を実行ないしは計画した場合は、その人物を確保して聴取を行った上で、クラスA記憶処理を実施してください。

実験の対象者は心理学的な検査を受けなければなりません。近年ないしは現在において鬱病性障害の病歴及び自殺願望を保有する人物は被験者として不適格です。財団職員は終末期の患者と高齢者、及び死亡率の高い現場で勤務している者から優先的に実験に志願することが可能です。

説明: SCP-3806は出入口の上方に13桁の電話番号が刻まれた、電話ボックスとほぼ同じ大きさの霊廟です。これらの霊廟は全て出現しても不自然でない墓地や墓所で発見されており、世界中において███例の実例が知られています。

各実例の内部にはいかなる電話線や電源にも接続されていない、1950年頃のもののダイヤル式公衆電話が存在しています。個人が何らかの通貨価値を有する法定硬貨を硬貨投入口に投入し、出入口の上方に記されている電話番号をダイアルすると、SCP-3806-Aと電話が繫がります。通話中に信号の受信ないしは送信が検出されることはありません。

聴覚分析はSCP-3806-Aが長期間のタバコの使用に起因すると思われるレインケ浮腫1に罹患している、65歳から85歳の間の女性である可能性が最も高いと言うことを示しています。SCP-3806-Aは通話者に対しては一貫して通話者の母語・現地語を使用します。同時に試験を行ったところ通話者が待たされると言う結果2になったことから、SCP-3806-Aは通常の時空に固定された単一の存在であると考えられています。

SCP-3806-Aは自身が顧客に代わって特定の来世の手配を行うことが可能な"グランドスの館"と呼ばれる組織の代表者であると主張します。これらの主張の信憑性は現時点では確認されていませんが、末期症状の財団職員を参加させた実験により、死亡時刻を要望に応じて操作することが可能であると判明しています。

SCP-3806-Aへの最初のインタビュー記録:

インタビュアー: エージェント・マーク・ローランド

対象: SCP-3806-A

<ログ開始>

SCP-3806-A: もしもし、グランドスの…(SCP-3806-Aが数秒間咳き込む)…グランドスの館へお電話いただきありがとうございます。本日はどのようなご用件で?

エージェント・ローランド: すみません、マンドスの館3とおっしゃられましたか、トールキンのレジェンダリウム4のような?

SCP-3806-A: (間)あんたは弁護士かい?

エージェント・ローランド: いいえ。

SCP-3806-A: ならいいんだ。言っとくが、あたしだってもし弁護士が必要になったらどうすればいいのかってことは分かってるんだからね(咳に続き煙草に火をつける音が聞こえる)。トールキンのものは2044年まで著作権によって保護されてる。だからそれまではあたしたちはグランドスの館なのさ。

エージェント・ローランド: 成程。私はあなた方の名前とこの電話ボックスの位置から、あなた方の組織が来世と何らかの関係があると考えていますassume

SCP-3806-A: 決めつけassumingは"あなたと私が恥をさらすことだ!5"って言われているのは知ってるだろうに。

(SCP-3806-Aは数秒間笑い、その後咳き込む)

SCP-3806-A: でもあんたは間違っちゃいないよ、坊や。定命の者にとって最も悪いことが死ぬことだってのは明らかだからね。良い知らせはあんたたちが不滅の魂を持ってるってことで、悪い知らせはその魂がどんな目に遭うか誰にも分からないってことだ。あんたは神を崇拝して彼らがa)本物であること、そしてb)取引の終了を延期すること、を願うことが出来る。だがね、あんたはひょっとしたら最終的には腐っていく死体に閉じ込められてしまうかもしれないし、あるいは霊界を彷徨った末に緋の王か…えぇと、ほら、サーキックのあれ、ヤバダバドゥー6とかそんな感じのヤツに捕まるかもしれない。あたしが何について話しているかは分かるだろう? 

エージェント・ローランド: 分かっていますよ、ご婦人。あなたはこう言った運命からのある種の保護を提供すると仰られているのですか?

SCP-3806-A: そう言うことさ7。あたしたちは定命の者たちの魂を彼らが望む来世へと導いてやるための意志と能力の両方を持った、たくさんの宇宙的存在と契約してる。あたしたちは自分たちの知っている来世とそこへの行き方を教えてやるのさ。あたしたちの認定サイコポンプ8たちはあらゆるあんたにうってつけの来世へとエスコートするし、望まれればあんたが死に別れた愛する者と再会するように手配することだってできる。

エージェント・ローランド: このサービスの対価は何ですか?

SCP-3806-A: 1オボルス9だって要らないよ。あんたが気付いているかは分からないけれど、たかだか数世紀前よりも人間は遥かにたくさん居て、それはつまりこっちの霊界にはたくさんの魂があるってことなのさ。あんたたちの数の増加と世俗化が結びついて、途方もない数の彷徨える魂が生まれたってわけだ。もちろんそれは悲しいことだけれど、同時に資産の価値を引き下げてもいたんだ、分かるかい?とにかく古い神々連中が催しものを開催することを決めて幾らかの資金を調達した結果として、あたしたちはこうしているのさ。あんたたちは辺獄を永遠に彷徨わなくていいし、古い神々は税金の控除を受けられる。

エージェント・ローランド: 筋は通っていますね。あなたがたが提供しているこのサービスは自然死に対しても適用されるのですか?

SCP-3806-A: そうすることも出来るよ。あんたが選んだ時間にあんたをお迎えにいくだって可能さ。死神は多忙だけれど、今すぐにだってあんたの命を奪うことが出来る。

エージェント・ローランド: (少しの間)遠慮しておきます。

(SCP-3806-Aは再び突然笑い出し、それに続いてひとしきり咳き込む)

エージェント・ローランド: それで、あなた方はどのような来世を提供されているのですか?

SCP-3806-A: あらゆる種類のものを、さ。伝統的なふわふわした雲の天国も、肉体的な喜びをまだ楽しみたいならサマーランド10も、悟りを求めているなら涅槃も、どこかの奇妙な砂漠の土地も、生まれ変わりも…

エージェント・ローランド: オーケー、私はそれらについてより詳しくお聞きしようと思うのですが…その、天界での戦争において究極の悪と戦う定命の者の魂を募っている'宇宙的存在"と言うのも存在するのでしょうか?

SCP-3806-A: ああ、そりゃヴァルハラだろう。自分を勇敢で高潔な戦士だと証明すれば、万物の父11はあんたを自分の軍勢へと迎え入れてくれる。そしてそうすればあんたは緋の王でもヤバダバドゥーでも、何かしらと世界の終わりに戦うことが出来る。これがあんたの望むものかい?

エージェント・ローランド: (間)そう思います。

SCP-3806-A: (タイプ音)オーケー、ミスター・ローランド。書き留めたよ。あんたはまだ資格を持ってないってことを知っとくべきだが、まぁ強大な敵への勝利によって悲劇的な死と破壊を阻止すれば十分だろう。それが出来なかった場合の第2希望は…

エージェント・ローランド: いいえ、私は成し遂げます。私はまさにそうすることが職務である職業に就いています。

SCP-3806-A: そうこなくちゃ。夢を夢で終わらせるんじゃないよ。戦いにおける栄光ある死に際して、ヴァルキュリアはあんたをヴァルハラへと導いてくれるだろうさ!

エージェント・ローランド: (穏やかに) 感謝します。

SCP-3806-A: あんたの力になれて嬉しいよ、坊や。それじゃあ良い1日を。じゃあね。

(通話が終了する。エージェント・ローランドが受話器を置くまで'ダイヤル・トーン'としてラテン語の祈りの言葉が続いた。)

<ログ終了>

補遺: エージェント・ローランドは個人的な利益のために許可なく試験を利用したために、公式に懲戒処分を受けました。

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