アイテム番号: SCP-3814
オブジェクトクラス: Neutralized Euclid
特別収容プロトコル:
2005/11/06現在、SCP-3814はNeutralizedへ再分類済みです。以前の分類: Safe Euclidへ再分類されました。インシデントレポート3814/2を参照してください。
SCP-3814は現在サイト-91のDクラス棟に収容されています。SCP-3814-1としての役割はDクラス職員間で無期限に引き継がせ続けてください。SCP-3814-1はSCP-3814-1でなくなるまでいかなる試験への参加も禁止されます。
万が一何らかの原因で高級職員がSCP-3814-1となった場合、当該職員は可及的速やかにDクラス職員へ役割を引き継がせることが要求されます。
説明: SCP-3814は異常な「鬼ごっこ」です。「鬼」である人物(SCP-3814-1に指定)は自身の周囲のいかなる人物に対しても、「鬼ごっこ」をしたいという強迫観念を抱きます。この効果の強さは時間に応じて増大します。影響下にある被験者の殆どは、「鬼」になってから約24時間で、これ以上衝動に抗うことは不可能であると主張し始め、また、「鬼ごっこ」には不向きな環境、或いは危険な状況であってさえも「鬼ごっこ」の実行を試みる場合があります(インシデントレポート3814/1参照)。
また、SCP-3814-1は以前SCP-3814-1であった人物に対しては強迫観念的傾向は見せません。SCP-3814-1の効果が他の人物へ移動した場合、もともとSCP-3814-1であった方への影響は全て消失します。その他はいかなる影響も観測されていません。(インシデントレポート3814/2参照)
一度SCP-3814-1となった人物には、異常な方法でSCP-3814のルールが永続的に記憶へ埋め込まれます。
以下が被験者のうちの一人によって書き起こされたルールの写しです:
- 捕まえるためには対象の人物に触れ、「つっかまーえた!」1と言わなければならない。
- 自分を捕まえた人物を捕まえてはいけない。
- 鬼は引き継がれねばならない。
SCP-3814の起源を突き止める調査の試みはすべて失敗しました。SCP-3814は2004年████博士によってサイト-91へ持ち込まれました(博士はその時点で異常性への自覚はありませんでした)。その後、博士は家族によってSCP-3814を移されていたことが判明しました(その家族は同僚から移されていました)。このようにSCP-3814の形跡を追うことで起源を特定することはできませんでしたが、SCP-3814が18██年から存在していたことは証明されました。
補遺: インシデントレポート3814/1
2005/11/06、SCP-3814-1(当時はリサ・アーリントン博士でした)がSCP-████に関する実験の最中に死亡しました。2
アーリントン博士の死体のうち残っていた部分は財団の標準手続きに従って処分されました。SCP-3814はNeutralizedへ再分類されました。
補遺: インシデントレポート3814/2
2005/11/07、アーリントン博士の死から約24時間後、アーリントン博士はサイト-91の職員寮につながる廊下で、意識不明の状態で倒れているところを発見されました。アーウィック博士はサイト内の診療室へアーリントン博士を移動させるのを手伝わせるためサイトの警備員を呼びました。診断の結果アーリントン博士に生理的な異常は見受けられませんでした。以下はアーリントン博士が意識を取り戻した直後にアーウィック博士によって行われたインタビューです。
対象: アーリントン博士
インタビュアー: アーウィック博士
<記録開始>
アーウィック博士: あなたに何が起こったのですか、リサ?
アーリントン博士: わかりません。
アーウィック博士: あなたの- いや、SCP-████との事件の後のことについて、何か覚えていますか?
アーリントン博士: いいえ。ここの診療室で目覚めたことしか覚えていません。
アーウィック博士: リサ、お願いです。頑張ってください。必ず何か覚えているはずです。
アーリントン博士: ごめんなさい、クリス- 何も思い出せないんです。
アーウィック博士: 分かりました、結構です… 大丈夫です。失礼しました、大変なことですよね。
アーリントン博士: なにが「大変」なんですか? 私の周りにいる方たちみんな様子がおかしいですが、何が起きているんですか?
アーウィック博士は沈黙する。
アーリントン博士: クリス、教えてください。
アーウィック博士: 我々はあなたが死んだものと思っていました。
アーリントン博士: いや、私は確かに生き残りました。
アーウィック博士: いいえ。それは違います。
アーリントン博士: どういう意味ですか?
アーウィック博士: あなたは死にました、リサ。何故今朝あなたが現れたのか見当もつかない…
約20秒間、両者とも言葉を発さず。
アーウィック博士: 分かっています。信じられないのは私も同じです、リサ。全ては奇跡です。
アーリントン博士: クリス…
アーウィック博士: あなたがいなければ私はどうしていたことか…
アーリントン博士: クリス!
アーウィック博士: はい?
アーリントン博士: [アーリントン博士は痛みを感じているように思われる。] 何か思い出した気がします。
アーウィック博士: あっ、そうでしたね。どのようなものですか?
アーリントン博士: なにか- なにか、言葉の列、文章、かもしれない。意味は分からないけれど。
アーウィック博士: 言葉? その言葉について何か話せることはないですか?
アーリントン博士: ルールのようなものです、私が思うに。ううっ、痛みます。
アーウィック博士: インタビューは止めることも-
アーリントン博士: 鬼は引き継がれねばならない。
アーウィック博士: サイト-91での鬼ごっこのことですか? SCP-3814?
アーリントン博士: 鬼は引き継がれねばならない。
アーウィック博士: リサ、それはもう聞きました。
アーリントン博士は11秒間沈黙し、その後もう一度同じ発言をした。
アーウィック博士: リサ?
アーリントン博士は応答しない。
アーウィック博士: リサ? [アーウィック博士は部屋から立ち去ろうとしている。]
アーリントン博士: 待ってください。クリス。
アーウィック博士はアーリントン博士へ向き直る。
アーリントン博士: 手を握ってください。
アーウィック博士: [アーウィック博士はアーリントン博士に接触する。] 私はここにいますよ、リサ。
アーリントン博士: …つっか…まーえた…
アーウィック博士: [アーウィック博士は混乱している。] なんですか?
アーリントン博士が突然死亡する。視覚的には原因は不明である。
アーウィック博士: リサ? リサ! いけません! おねがいです! いけません- [罵倒]
<記録終了>
総括: アーウィック博士は部屋から連れ出され、のちに尋問された。SCP-3814はSCP-3814-1が他の人物への引継ぎを行う前に死亡した場合一時的に蘇生させるものと思われる。さらなる調査は却下された。SCP-3814はEuclidへ再分類された。収容プロトコルはアーウィック博士の提案に従い改定された。