SCP-392-JP
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アイテム番号: SCP-392-JP

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: 産婦人科に属する職員はSCP-392-JP対象となった妊婦を監視し、陰暦8月15日夜間の出産を避けるよう治療を施します。その試みが失敗し陣痛を迎えた場合、産婦人科医に偽装したサイト-81██所属の祈祷師を派遣し、妊婦に対し呪術的プロトコル“天の羽衣”を行いSCP-392-JPの封じ込めを試みます。プロトコル“天の羽衣”が失敗し、SCP-392-JPが収容違反した場合、記憶処理後の妊婦と配偶者に対してはカバーストーリー「容態の急変による死産」を適用します。また、陰暦8月15日の出生率の低下については偽装データを適用します。

説明: SCP-392-JPは陰暦8月を臨月とする妊婦に限定して発生する一連の現象です。蒐集院と財団の統合の際に管理引き継ぎが成されました。SCP-392-JPの発生場所は日本国内に限定されており、胎児の性別が女性であることが共通しています。

SCP-392-JPの対象となった妊婦には妊娠8ヶ月頃より月に対する言及を盛んにする、月を見て泣く、昼夜の行動が逆転するなどの行動が見られるようになります。この現象は蒐集院管轄時代「月に憑かれた」と表現され、収容の目安となっていました。妊婦はやがて陰暦8月15日の夜間に陣痛の始まりと共に重度の意識混濁を起こし、外部からの刺激に一切反応を示さなくなります。この時妊婦は副交感神経が優位な状態にあることが確認されています。

その後、妊婦の胎内の胎児は空中に向かい浮上します。この浮上の際、胎児は既に臍帯が切断されており、妊婦の腹部を通り抜け体外に排出されます。その後胎児は時速█0000kmで月へ向かって移動を始めます。窓や扉などの出口は自ずと開放され、障害物は胎児の移動を妨げることがない位置に移動し、移動が不可能なものは胎児が通り抜ける形で突破されます。また、胎児が非常に高速で移動しているにも関わらず、衝撃波などは発生しません。

呪術的プロトコル“天の羽衣”は蒐集院が収容の為執行していた儀式を元に確立されました。SCP-392-JPの影響下にある胎児はクラスII霊的実体としての構成を獲得していることが確認されており、物体をすり抜ける現象もこの変化によるものと推測されます。そのため本プロトコルにおいては、上級祈祷師による執行で臍帯を回路とし、胎児を妊婦の肉体と同期し、肉体の現実性を固着させ、霊的実体としての構成を獲得することを阻止します。プロトコル実行の間、他の祈祷師は霊的実体による干渉から分娩室を防御します。

このプロトコルの実行によって胎児の浮上を封じ込め、SCP-392-JPの影響を脱した通常の出産へ移行することが可能であることが確認されています。ですがこのプロトコルが失敗し、胎児が妊婦の体外に排出された場合、月へ向かっての移動を止める試みは未だ成功していません。

月面に到着した胎児は直ちに█倍以上の大きさに肥大します。肥大化した胎児の体組織はおよそ12時間をかけて結晶質石灰岩に変化し、岩石化した胎児はクレーターの内部を埋めるような形で完全に月面と同化します。月面の結晶質石灰岩を剥落させる計画が財団月探査チームによって実行され、サンプルを持ち帰ることに成功しました。しかし翌年のSCP-392-JPの発生件数が█倍に増加しました。よって月表面の結晶質石灰岩の除去ではなくSCP-392-JPの発生自体を完全に収容することを最優先とした研究が進められています。

蒐集院がSCP-392-JPの収容を開始して███年間の段階においては発生自体が少なく、また儀式の成功率が非常に高く収容違反件数をごく少数に抑えられていた為、蒐集院の管理能力で十分に収容が可能であったことが記録されています。しかし後年に至るにつれ徐々にSCP-392-JPの収容違反件数は増加しており、財団への管理引き継ぎが成された際には儀式の成功率は██%にまで低下し、「月に憑かれる」「月に子を攫われる」現象の隠蔽はほぼ不可能な状態になっていました。財団は広範囲記憶処理、歴史資料の改竄及び抹消を行い市民からSCP-392-JPを隠蔽した他、呪術的プロトコル“天の羽衣”を制定し結果一時SCP-392-JPの収容違反発生率は█%にまで低下しました。しかしその段階から現在に至るまでSCP-392-JPは徐々に発生件数自体を増加させており、一連の収容プロトコルに耐性を獲得しつつあると見られています。呪術的プロトコル“天の羽衣”の強化に向けた研究を急いでください。

補遺1: 以下の文書は、███年の記録上最初のSCP-392-JP発生の際、蒐集院が儀礼的手段により受信した月面からの交信です。

いざ【編集済】穢き処に如何でか久しくおはせむ
化粧ず我が装い 昼の明かさにも過ぎて光りたり
共に参らん 我が婿がねおはする処 いざやいざ

補遺2: 最初のSCP-392-JPの対象になった妊婦は、夫と共に竹細工を生業としていたことが確認されています。

補遺3: SCP-392-JPの収容違反を完全に阻止できない状態が続く場合、 █000年後に月は結晶質石灰岩に覆われた表面に瑕疵の無い球体になることが予測されています。

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