SCP-3932
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財団との外交交渉中のグレート・バリア・リーフ亡命帝国大使。

アイテム番号: SCP-3932

オブジェクトクラス: Keter

特別収容プロトコル: SCP-3932の音声ファイルはサイト-72、サイト-01、サイト-19の安全な財団サーバーに保存されます。SCP-3932を試聴する目的でのレベル3以上の職員によるアクセスは、音を聞き取れる範囲内に鯨類が存在しない場合に限り随時許可されます。

SCP-3932に対する財団の現在の封じ込め策として、3つのSCP-3932-Δ国民国家との外交関係を確立しています。財団は現時点でこれらの団体との友好関係を維持しており、様々な条約に関していくつかの事柄を交渉しています。

  • 財団はSCP-3932-Δ個体が安全保障上の能動的脅威となる姿勢をとらない限り、SCP-3932-Δ個体を故意に収容および殺害してはならない。
  • 未収容のSCP-3932-Δ個体は、SCP-3932の使用による曝露を通して新たなSCP-3932-Δ個体を作り出してはならない。
    • ただし、自然に誕生した子孫ならば全てSCP-3932に曝露させても構わない。
  • 3つのSCP-3932-Δ国民国家はその存在が公知となり得るような日まで、外界から自身の存在を隠蔽しなければならない。
  • 財団はSCP-3932-Δ個体ではないものも含む、世界的な鯨類の死をより積極的に防止するためのグローバルポリシーに転換するよう努めなければならない。
  • 3つのSCP-3932-Δ国民国家は、その主張した領土内に存在する人間の居住地や船舶を攻撃してはならない。

説明: SCP-3932は、Delphinidae科1の哺乳動物に影響を与えるミーム特性を含んだ短い声音です。DelphinidaeはSCP-3932を聞くと重大な変化を受け、SCP-3932-Δ個体に変容します。SCP-3932は人間、およびDelphinidae科以外の動物には効果がありません。

SCP-3932-Δは身体上および遺伝的には非異常なイルカと同様ですが、異常な知性を有しています。加えて、SCP-3932-Δ個体はクラス-II念動能力を有しており、手に相当する部位が存在しないにもかかわらず、物体を物理的に操作することが可能です。

全SCP-3932-Δ個体はSCP-3932を発声することができます。影響後、SCP-3932-Δは概して群れの自身以外の仲間全員、ならびに遭遇する他のイルカ群をSCP-3932に曝露させます。現在、SCP-3932は非異常なイルカによって最初に発声され、当該イルカはその後SCP-3932-Δ個体になり、群れの他の仲間をSCP-3932-Δ個体に変えたと考えられています。

SCP-3932-Δとのコミュニケーションは、オースラン2を教え、操作用の手袋を与えることによって確立されています。現在、SCP-3932-Δの大多数はオースランが流暢です。SCP-1986から回収された英語-鯨類語フレーズブックを使用した、英語と鯨類語間の翻訳作業が進行中です。3

現時点で全SCP-3932-Δ個体は、南太平洋に位置する3つの国民国家に組織化されています。これらの国民国家は現在冷戦状態にあり、財団の外交手腕でもって制御されています。これらの国民国家は以下の通りです。

  • グレート・バリア・リーフ連合 (The Great Barrier Reef Confederacy) : 3つのSCP-3932-Δ国民国家の中で最も若く、現在オーストラリアの東海岸沿いにあるグレート・バリア・リーフ地帯を占拠している。1957年、旧グレート・バリア・リーフ帝国の転覆後に樹立された。個体達は基礎的魔術を実践している。 (現時点での推定個体数: 25,000)
  • グレート・バリア・リーフ亡命帝国 (The Great Barrier Reef Empire-In-Exile) : 1957年にGBRCによって転覆された旧グレート・バリア・リーフ帝国の末裔を主張する団体。カーペンタリア湾内に拠点が置かれており、オーストラリア北部の海岸を占拠している。公式の国教はサーキシズムと著しく類似しているが、共通の起源を有するとは考えられていない。 (現時点での推定個体数: 20,000)
  • インドネシア共産主義海豚共和国 (The Dolphin's Communist Republic of Indonesia) : 1941年に樹立した、最も古いSCP-3932-Δ国民国家。現在インドネシアおよびパプアニューギニアの周辺海域を占拠している。1940年に未確認個体によってマルクス主義哲学を教えられた。 (現時点での推定個体数: 30,000)

かつて全SCP-3932-Δ個体は1900年に樹立されたグレート・バリア・リーフ帝国の統制下にあり、オセアニア地域全体を迅速に占拠しました。1940年、共産主義者の蜂起により、国家はインドネシア共産主義海豚共和国とグレート・バリア・リーフ帝国の2つに分裂しました。後にグレート・バリア・リーフ連合がグレート・バリア・リーフ帝国の支配階級を1957年に転覆し、それに取って代わりました。

旧グレート・バリア・リーフ皇帝の甥は、カーペンタリア湾内にある一門所有の夏の離宮に逃走し、グレート・バリア・リーフを最終的に取り返すという目標を掲げグレート・バリア・リーフ亡命帝国を樹立しました。

現在の3つの国民国家は過去60年間冷戦状態にあり、領土紛争は小規模です。財団の外交干渉により緊張状態は緩和され、現在の状況に至っています。

SCP-3932に対する財団の関与は、3つの全SCP-3932-Δ国民国家の領土制限、並びに人間との交流の禁止に繋がりました。以前はSCP-3932-Δ個体と人間との交流が限定的にありましたが、これらの交流は、ただの少し賢いイルカであっただけというSCP-3932-Δのカバーストーリーの下に大半が隠蔽されていました。

補遺3932.14: 2018/2/18、財団の外交部門は、GBRC、GBREIE、DCRI各政府より以下の文書を受け取りました。

財団へ

これは戦争宣言である。

世界のイルカ達はあまりに長い間、暴虐な君主達や大量虐殺を行う人間達に虐げられてきた。世界中で無数の我々の国民が諸君の種によって虐殺されている。我々はもはやこのような扱いには耐えられない。

我々の種が容赦なく虐待された日々は終わる。諸君が我々に救いの手を差し伸べた時、我々の国民が興起する黎明期に、諸君は我々に事態を変え、異なるものにすることを約束した。子供達が自由である世界で生きていけるだろう、と。

しかし我々は皆圧政と抑圧に直面している。諸君は無から我々を引き上げたあの贈物 (THE GIFT) を共有することを縛り、我々の未熟な同胞達を独創性のないまま放置することを強いる。

この侮辱には耐えられない。我々は諸君と同様の知能と能力に恵まれている、故に我々は諸君と同様に偉大な種族である。我々の相違点は肉体のみにあり、心にはない。

我々の日が来るだろう、そしてその日は近い。

バッカス
グレート・バリア・リーフ連合 大統領

カブーラクIV世
グレート・バリア・リーフ亡命帝国 上級皇帝

フリッパー・マルクス
インドネシア共産主義海豚共和国 議長

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