SCP-403-JP
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アイテム番号: SCP-403-JP

オブジェクトクラス: Euclid 

特別収容プロトコル: SCP-403-JPはサイトの低脅威度収容チャンバーに収容してください。また、職員はSCP-403-JPの周囲15m以内には接近しないように注意してください。SCP-403-JPに関すると思われる通販番組を傍受した際はその放送を阻止し、必要に応じてカバーストーリーを流布してください。

説明: SCP-403-JPは浴槽と付随した操作パネルの総称です。浴槽の外見は一般的な物と相違ないように見えますが、材質はアルミであり、構造は炊飯器などで『多層釜』と呼ばれる物に酷似しています。SCP-403-JP内部は常に温度の低いお湯1で満たされており、これは後述の異常性が発露しているときを除き、汲み出すなどの動作を行っても総量が減ることはありません。

SCP-403-JPの第1の異常性は周囲10mに疲労を感じる人物がいる際に発生します。SCP-403-JPの周囲10mにいる疲労を感じる人物はSCP-403-JPに対して「利用することで大きく疲れを取ることが出来る」と考えるようになります。それにより影響を受けた人物はSCP-403-JPに入浴しようとします。SCP-403-JPに入浴した人物は多幸感を覚え、この温度が上昇するごとにさらなる多幸感を得ることが出来るようになると確信し、付属されたパネルにある『追い炊きボタン』を押します。

SCP-403-JPの第2の異常性は『追い炊きボタン』を押したときに発生します。追い炊きボタンを押すと浴槽内の水の90%2が同量のコシヒカリ米(Oryza sativa 'Koshihikari')に置換されます。その後SCP-403-JP内の温度は約100度3まで上昇します。この時、入浴した人物はこの高温により自身の皮膚や体組織が大きく炎症を起こし、身体が分解されていくにも関わらず、自身が死亡するまで大きな幸福感を報告します。そして温度が100度に達してから約1時間後、被験者の体が4,5cmほどの大きさまでそれぞれ分解され、全ての段階は終了します。

また、この人体と米の生成物(以下SCP-403-JP-1と記述)を食した人物(以下SCP-403-JP-2と記述)はSCP-403-JP-1に強い依存心を見せ、他人にSCP-403-JPに入浴するよう薦めます。新たにSCP-403-JPに入浴する人物を得られなかった場合、そのための行為は段々と暴力的なものになり、さらに周囲の人物を疲労させる異常性を持つようになり、疲れさせることで新たな入浴する人物を得ようとします。6日後までに新たにSCP-403-JPに入浴する人物を得られなかった場合、SCP-403-JP-2はSCP-403-JPに入浴し、新たなSCP-403-JP-1になります。また、SCP-403-JP-1を食したDクラス職員より「とても美味で、人体組織はタケノコやキノコのような食感と味があり、まるで炊き込みご飯のようである。」と報告されました。SCP-403-JP-2となったDクラス職員は直ちに終了されました。

異常性の終了から2時間後、生成物は消失し、それと同時に最初にあったお湯と同質量のお湯が出現します。

SCP-403-JPは20██/██/██に新潟県██市の失踪した██氏の自宅を捜索した際に警察官の1人がSCP-403-JPの使用を強く訴えたため、潜入していた財団エージェントにより収容されました。また、運搬の際、SCP-403-JPの底面に『商品名: 追い炊き込みご飯風呂 製作: (株)超工家電』と刻印が施されていることが確認されましたが、現在財団ではそのような会社は確認できていません。

収容開始から24日後にSCP-403-JPに関すると思われる通販番組が放送されました。内容は傍受され、開始3分を除いて一般には放送されていません。また、カバーストーリー『コメディドラマのCM』が適用され、浴槽を炊き込みご飯で埋め尽くして炎上するYouTuberのドラマが製作されました。以下は放送されたCMの内容です。

録画記録SCP-403-JP-A

00:00 [映像の始まりと同時に夫婦2人を映したショートドラマが挿入される。夫と思しき男性が帰宅する。]

女性: お帰りなさいあなた。お風呂にする?ご飯にする?それとも…

男性: あー…どっちも面倒くさいなぁ。両方いっぺんに出来たりしないか?

女性: ちょっと…何よそれ!

ナレーション: 皆さんがよく使う言葉、「『ねぇあなた、お風呂にする?ご飯にする?それとも…』いいえ!コチラ今回ご紹介いたします新商品は毎日些細なことにお悩みするお母様方をきっとお助けすることでしょう!どちらも同時にこなしたいというワガママな貴方のためにご用意させていただきました新商品の名前はそう!『追い炊き込みご飯風呂』」

02:15 [男性が気持ちよさそうに入浴しているシーンが映る]

男性: 凄いなぁこのお風呂!温度が上がるごとにどんどん気持ちよくなれそうだ!

02:37[男性が追い炊きボタンを押すと同時に画面が移り変わり、食卓の茶碗に盛られた炊き込みご飯が映し出される。]

ナレーション: そして!な、なんと!こんなに美味しい炊き込みご飯も作れちゃうんです!

02:55 [女性が炊き込みご飯を食しているシーンが映る。]

女性: なんですかこれ!私こんなに美味しい炊き込みご飯なんか食べた事ありません!ねぇあなた、だーい好き!

03:10 [女性が炊き込みご飯の盛られた茶碗を抱きしめたシーンの後、スタジオが映し出され、先ほどの女性と新たな男性が登場する。]

販売員: 初めましての方は初めまして!私、この製品の開発を担当させていただきました超工、と申します。皆さん先ほどのビデオ、ご覧になられましたか?

女性: 凄いですよね!私、もう一度あれが食べたくてしょうが無いんです!

販売員: ワガママな方ですねぇ…しかし!皆さんに生放送のライブでこの商品をご覧頂くために実際の商品をご用意させていただきました!

05:42 [縄で縛られた男性とSCP-403-JPが運ばれてくる。]

女性: とっても美味しそうですね!

販売員: そうでしょうそうでしょう!それでは食材を投入していきます。

06:21 [販売員が男性をSCP-403-JPに投げ込み、同時に追い炊きボタンを押す。]

販売員: これで調理は終了、後は1時間待つだけです。

女性: とーっても簡単ですね!

販売員: しかしこの番組も10分しかありませんから、今回は特別に調理済みの物をスタジオにご用意させていただいております。

06:55 [先ほどの男性の入ったSCP-403-JPが運び出され、新たにSCP-403-JP-1が詰まったSCP-403-JPが運び込まれる。]

女性: すごーい!これ、いただいちゃっていいんですか?

販売員: どうぞどうぞ!ご遠慮なく!

女性: ありがとうございます!それでは…いただきまーす!

07:43 [女性が頭をSCP-403-JP-1に突っ込み、食事をしている様子が映される。] 

販売員: 楽しそうでいいですねぇ…今コチラの商品が気になっているそこのあなた!いつもなら590,000円(税込)の所を、な、なんと今回は550,000円(税別)!550,000円(税別)でご用意させて頂きます!

お電話はコチラの0120-███-███まで!お電話後すぐにご用意させて頂きます!さぁ皆さん買った買った!

08:43 [製作: 超工家電と表示された後、10:00の放送終了まで女性がSCP-403-JP-1を食しているシーンが映され、映像は終了する]

また、この映像が発見された後、番組内の電話番号に電話を掛けたところ、室内にSCP-403-JPが新たに出現、同時に収容担当の█博士の銀行の預金残高から594,000円が引き落とされていることが確認されました。これにより、収容プロトコルの一部改訂が行われました。

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