SCP-405-JP
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カバーストーリーに用いられている画像

アイテム番号: SCP-405-JP

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: 月という地理条件、極めて規模が大きいことから、SCP-405-JPに対して有効な収容方法は未だ確立されていません。代策として、財団と各国政府間に”ルナの遺産”協定が締結され、現在も履行中です。その主な項目は以下の3項です。
 
1. 月の裏側の観測は当面停止。
 
2. 右画像が月の裏側であるというカバーストーリー「月の裏には海1が少ない」を流布。
 
3. 民間レベルで観測が行われそうになった場合は、法律上の問題を名目に阻止。

全項目は諜報局政治工作部の職員以外には非公開です。

説明: SCP-405-JPは月の裏側の内、秤動2によって地球からでも観測できる外縁部分を除く範囲(以下、発生範囲)で発生している大規模な認識災害です。発生範囲を観測した人間(以下、観測者)は、それぞれ異なる様相を認識します。
 
SCP-405-JP観測者による発生範囲の証言例: 全文は宇宙開発センターのサーバー/ファイルSCP-405-JP群を参照

1. 光り輝く巨大な建造物が立ち並ぶ未来都市。空飛ぶ円盤が飛び交い、その窓から月の住人達が手を振っている。

2. 溶岩の海、氷の峻嶺、人骨でできた宮殿。ベルゼブブやアスタロトが罪人達を拷問し、ルシファーが血の盃を煽りながら、こちらに向かって呪いの言葉を吐きかけている。

3. 兎が棒で容器に入った白い物体を突いている。古代日本の貴婦人の服装をした女性が、涙を浮かべてこちらを見上げている。

4. ナチスの残党が築いた月面基地で、宇宙戦艦ネオ・ヒンデンブルクが建造中。ヒトラーがこちらに拳を振り上げながら、ドイツ第三帝国の復権を叫んでいる。

5. 知性を備えた生ける紫色の海が地球に向かって[以下、不明瞭]

観測者は自分の認識が真実であると強固に思い込み、さらに衝動的に他者へ伝えようとします。証言の中には物理法則とそぐわない事象、実在するとしても宇宙空間から観測できるはずがない事象も含まれますが、それらを指摘しても観測者は受け入れません。この症状はCクラス以上の記憶処理によって治療が可能です。

財団がSCP-405-JPの存在を確認したのは、旧ソ連によるルナ計画において1959年に史上初めて行なわれた発生範囲の観測時でした。無人探査機ルナ3号が発生範囲の撮影を開始した瞬間、バイコヌール宇宙基地の職員達が突如パニックに陥りました。医師が聞き取りを行ったところ、上記のような証言が得られ、これが認識災害であると判明、SCP-405-JPの認定に至りました。基地の職員達には記憶処理が施され、公的にはルナ3号、およびその後継機によるルナ計画はおおむね成功裡に終わったものとして記録されています。なお、1961年から予定されていたアメリカのアポロ計画は[削除済]

ルナ3号が撮影したオリジナルの磁気テープ(SCP-405-JP-filmに指定)はサイト-81██の高危険度オブジェクト隔離区画に保管されています。第1次実験で磁気テープへのコピー、第2次実験でデジタルディスクへのコピー、第3次実験で紙へのプリントアウトが行われましたが、いずれも視聴した被験者は特性に被曝する結果に終わりました。そのため、発生範囲の実相は未だに不明です。有効な対策が用意できるまで、実験は停止されています。

補遺: █████博士(USA本部所属、当SCP事案初代研究主任)のコメント

不明点が多い当オブジェクトだが、これだけは言える。観測達の証言には、ひとつだけ共通点があると。空飛ぶ円盤に乗ったルナリアン、プリンセス・タケトリ、地獄の大魔王……外見はバラバラだが、何らかの存在がこちらを“観測し返している”している点だ。お前が深淵を覗き込む時、深淵もまたお前を見つめている……ニーチェだったかな。
 

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