SCP-4113

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SCP-4113の船首像と高精度で一致するグローアの美術的描写。

アイテム番号: SCP-4113

オブジェクトクラス: Hera (敵対/高度有用)

特別収容プロトコル: 遭遇した場合、SCP-4113は敵対的であるとみなされます。オブジェクトの捕獲はその異常技術が艦船に応用できる潜在的可能性を踏まえ最重要視されています。オブジェクトの捕獲には3隻以上のヴァルナ級艦船を利用する必要があります。

説明: SCP-4113は古北欧様式のロングシップです。SCP-4113は光速の99.9999938%に到達することが可能です。SCP-4113は長さ174.3フィート(53m)、幅26フィート(8m)で、約220台の漕艇台が存在します。SCP-4113は常時自身の周辺に大気の補充ポケットを維持することが可能です。

SCP-4113は340人の乗組員が搭乗可能です。SCP-4113にはまたその構造に合わせて設置された目的不明の多数の装置が存在します。SCP-4113の乗組員は宇宙で長く活動していますが老化の兆候を示さず、長時間の放射線被曝による悪影響も観測されていません。

発見: 太陽系から脱出して126日後、機動財団軌道調査複合体07(Mobile Foundation Orbital Research Compound 07)1のメリン・アスピックが、UEF2から約16光分の位置に高エネルギーガンマ閃光を検出しました。パラス・アテネ・ナインに無線で通知され、波動の発生源を調査するためにFSFデリバリーが派遣されました。

SCP-4113はこちらからの接近に応じ、減速したのちデリバリーに向けて転進してきました。しかし、SCP-4113の有するコミュニケーション手段が原始的なものであったため、コンタクトは成されませんでした。2時間36分後、SCP-4113は反転し以前の航路に戻りました。テレメトリーデータは太陽への航路を示しました。

SCP-4113は加速して離れていき、ガンマ線を放射しました。その放射強度は漸増していましたが、これは宇宙空間の水素に対して光速度にかなり近似した速度で衝突した結果であると考えられています。

補遺4113.1:

SCP-4113からその製造経緯を推定できるデータがごくわずかながら収集できており、オブジェクトの船首像は『古エッダ』で描写されたグローアを象った彫像であることが判明しています。パラス・アテネ区営図書館の文書によればこの船首像と『スヴィプダグルの言葉』の挿絵の間には強い類似性が認められます。

スヴィプダグルの言葉はヨトゥンヘイム3へ旅をせねばならない人物を描写した一対の詩です。この神話の時代は1011年にウプサラの小王の末息子であったとして知られる、スヴィフダグという人物にまつわる雑多な歴史的記録に強く関連しています。

複数の歴史的記録よりスヴィフダグが1012年当時最大となるロングシップの建造を開始したことが示唆されています。1013年以降この人物あるいはロングシップに関する記録は存在しません。

補遺4113.2:

SCP-4113との最初の遭遇から197日後、同様の高エネルギーガンマ閃光がUEFの後方で検出されました。さらに2日後、遠距離視覚センサーによりSCP-4113が検出され、パラス・アテネ・セブン4出身の古ノルドの文化・言語専門家であるマルコス・ペイジ博士がFSFデリバリーに同乗し派遣されました。

接近すると、SCP-4113は再度減速し、接近してくる船舶へ方向を変えました。ペイジ博士はパワードスーツを着用しており、彼のSCP-4113への移送を用意にするためにデリバリーは直近まで接近しました。SCP-4113の大気空間に進入すると、彼はSCP-4113の甲板に吹き流されました。その後、SCP-4113の乗組員に彼は複数回刺されました。続いて、彼は衣服と装備を剥奪されました。その後、彼の身体は船舶の後方へ投げ出され、大気空間から吹き出されました。そして、SCP-4113はデリバリーに接近しました。

デリバリーは逆噴射して方向転換し、SCP-4113に追走されながらUEFへ退却しました。数度の近距離通過の後、FSFデリバリーは搭載されているコイルガンでSCP-4113に射撃しました。この攻撃でSCP-4113自体には損傷はありませんでしたが、約30人の乗組員が死亡しました。最初の一斉射撃の後、SCP-4113の乗組員は多数の斧と槍をデリバリーに投擲しました。

デリバリーは甚大な被害を受け、船殻の複数箇所が突き破られました。デリバリーの乗組員は残っていたパワードスーツを装備し、SCP-4113の甲板に直接照準持続射撃を行いました。直接射撃はSCP-4113の甲板を壊滅させるのには効果的でしたが、船舶自体の破損耐性により約40人のSCP-4113乗組員がデリバリーの武器から防御されました。

この時点でデリバリーは損傷のため、これ以上の自力での航行は不可能となりました。SCP-4113は平行進行を維持しました。デリバリーの生命維持システムが故障したことを受け、チャンス・セリッジ船長は乗組員にSCP-4113に搭乗するよう指示しました。彼はSCP-4113の大気を使用することで救助の可能性を増加させられれば、と考えていました。SCP-4113の甲板に降着すると、乗組員は生存していたSCP-4113の乗組員に攻撃されました。

デリバリーの乗組員は携帯式プラズマランスをSCP-4113の乗組員との混戦で使用しました。アーチー・フレット(船舶整備士)、アリーナ・ボゴモロフ(航海長)、ローレンス・ウッドール(衛生兵)は争闘中に死亡しました。セリッジ船長及び1名の敵性戦闘員がこの混戦を生存し、FSFヘルメスが到着した際も戦闘を継続していました。その後セリッジ船長はSCP-4113から逃走しヘルメスによって救出されました。

ヘルメスはデリバリーをパラス・アテネのスペースドックまで牽引しました。SCP-4113は追走しませんでした。

両方の乗組員の遺体を回収するために戻った際、SCP-4113は既に姿を消していました。ガンマ閃光が約15光分の距離から検出されました。

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