SCP-4114
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アイテム番号: SCP-4114

オブジェクトクラス: Keter

特別収容プロトコル: 毎回財団に拘留され次第、SCP-4114に対奇跡論・現実性固定対策を組み込んだ特製のレベル6全身拘束具を装着させ、最高度警戒下の標準的なヒト型生物収容室に収容し、インタビューや実験の必要が無い場合は常に沈静状態に保ちます。収容違反するまで研究を続けるために、SCP-4114にはGPS追跡装置を取り付け、間断の無い映像監視下に置きます。

SCP-4114は自らが生命の危機に晒されていると判断した時点で即座に収容違反するため、SCP-4114の回収や収容に割り当てられる警備員は、武力行使を現実的な範囲で最小限に絞るように指示されます。

説明: SCP-4114は若いベトナム系女性の外見をしており、自称“オカルト脱出奇術師”です。極端な柔軟性に加えて、SCP-4114は身体を解剖学的にありえない構造へと歪曲させ、一切の苦痛や負傷を伴わずに拘束から逃れる能力を実証しています。

観察された身体の異常性には以下が含まれます。

  • 硬組織と軟組織の両方を100%以上延伸させる
  • 身体を厚さ3mm未満まで平坦化する
  • 骨を意のままに脱着する
  • 全ての関節を360度回転させる
  • 完全な把握力を有する足
  • 十分なファンデルワールス力を手足に生成して垂直面をよじ登る能力
  • 本来その筋肉量では実現できない/骨折せずに耐えられないはずの超人的な膂力を瞬間的に発揮する

更に、SCP-4114は物理的な錠前と電子錠の両方を無効化することに異常に精通し、それに際して一定の確率操作を伴います。錠前、警報、監視カメラはいずれも、SCP-4114の存在する状況では不適切なタイミングで誤作動を起こします。

比較的身動きせずに沈黙を維持している時、SCP-4114は軽度の反ミーム効果を帯び、自ら進んで注目を引かない限りは気付かれない傾向があります。これは人間の観察者と監視アルゴリズムの両方に当て嵌まります。SCP-4114はスリの技能と担当職員の心理操作にも熟練していますが、これらが本質的に異常であるとはまだ証明されていません。

SCP-4114に取り付けられた/埋め込まれたあらゆる追跡装置は、SCP-4114が収容サイトの近傍を離れた後に故障します。SCP-4114は過去██回、収容プロトコルが観察された異常能力を理論上全て封殺できるはずの状況も含めて、成功裏に収容違反しました。このため研究者たちは、SCP-4114が短距離テレポーテーションや固体物質透過といった未知の異常性を有すると推測していますが、まだ証明されていません。

SCP-4114の研究は、より効果的な収容・追跡手段の開発を重視するものとします。

現在まで、SCP-4114は常に機動部隊カッパ-14 “あっ! サイドショー・ボブ!”によって、GoI-233活動の調査中に回収されています。SCP-4114は毎回自発的に財団の拘留下に投降しており、しばしば機動部隊の到着を予期しながら待機しています。

補遺: 以下は、機動部隊隊長のボディカメラ映像を基に転写した、最も新しいSCP-4114へのインタビューです。

質問者: カッパ-14隊長

回答者: SCP-4114

<記録開始>

[MTF カッパ-14がチャタヌーガ催事会場に到着する。SCP-4114は拘束衣を着せられ、点火済みの火鉢の上に逆さ吊りにされている]

SCP-4114: そろそろ来る頃だと思ったよ。こんなに可愛いKeterを待たせるなんて気が利いてないね。

カッパ-14隊長: SCP-4114。会えていつもの如く光栄だ。

SCP-4114: おいおい、チャド、公式インタビューじゃあるまいし。気軽にティエンと呼べばいいさ。

カッパ-14隊長: 君に対する私はチャドウィック隊長であり、これは公式インタビューだ。上層部からは発見次第厳しく尋問するよう指示されている、君がいつまたフーディーニばりの脱出劇を始めるか分からないからな。

SCP-4114: 下に降ろしてもくれないのかい?

カッパ-14隊長: ああ、どうせ平気だろう。第一の質問だ。君は財団の内部情報を不気味サーカスに提供しているのか?

SCP-4114: 何を言ってるかさっぱり分からない。

カッパ-14隊長: では、どうして君は自分から我々に捕獲され、彼らの下へ逃げ帰るのを繰り返している?

SCP-4114: 仕事がある。君らのKeter印の檻を破るチャレンジは大好きだけれど、それで私の学生ローンが完済されるわけじゃない。

カッパ-14隊長: こちらには君を信用する理由が無いし、収容の無益さを考えると、君をサイトに連れ帰るのは容認し難いリスクのように思える。

SCP-4114: もし情報が欲しかったら、このスキルを活かして自力で忍び込んで、欲しい物をくすねて、誰にも気づかれずに出るだけさ。実際、10代の頃は住居侵入で生計を立てていたんだ。盗みのまっ最中に現れたマニーが、私のスキルを磨き上げて世界一の脱出奇術師にしてやるって申し出るまではね。彼、そういう変な奴なんだ。ロープを切って降ろしてくれよ、そうすればまた私を拘束できるだろう。

カッパ-14隊長: 断る。もし情報を持ち帰らないなら、何故サーカスは君を迎え入れ続けるんだ? 君が我々と通じている二重スパイになった可能性に、彼らもきっと気付いているはずだぞ。

SCP-4114: (笑い) サーカスは私がどれだけ凄腕の脱出奇術師かをちゃんと分かっているんだよ。私が必ず脱走できるのを彼らは疑わない。君らが私にリソースを無駄遣いすればするほど、他のフリークを狩り立てて閉じ込めるチャンスが減るから、問題視もしていない。第一、私が二重スパイだったらマニーが — その…

カッパ-14隊長: マニーにはどういう訳かバレてるはずだって?

SCP-4114: ほら、さっきも言ったけれど、変な奴だからね。っと、あの無地の白いバンの中にあるのが私の全身拘束具かな? ほら、早くあれの中に入れてくれよ! お願いお願いお願いお願いお願いお願いお願ぁ~い?

カッパ-14隊長: 財団のリソースはお前の拘束フェチを満足させるためにあるんじゃないんだよ!

SCP-4114: 恥ずかしがらせようったって無駄だよ! 特に君には言われたくないね、チャド。私が“財団のリソースで満足”している間に、君と私でどれだけプロトコル違反を重ねた?

カッパ-14隊長: ゼロだ。私はスキップを手荒に扱ってここまで出世したんじゃない。

SCP-4114: 違うね、尻尾を掴まれなかったから出世できたのさ。ほらほら、さっさと私をあの拘束具に放り込んで一緒に楽しもうよ。セーフワードは“錬金術師に相談”consult an alchemistの二言ね。

カッパ-14隊長: 三単語になってるぞ。いいか、もし収容されたいのなら、暫くは我々にとって有益な事をしてもらいたい。ある程度我々と一緒に過ごして幾つかの実験に付き合うか、サーカスに関わる利用可能な情報を明かしてもらう。さもないとここに置いていく。

SCP-4114: 私がどう考えてるか分かるかい? 財団は私を幽閉し続けられないのが恥ずかしいだけじゃないかな、だよ。ほら、前に私自身のファイルを盗み見たことがあるだろ。私が脱走した回数を黒で塗り潰してたね? どうしてあれがセンシティブな情報扱いなんだい? 君らのハートにとってはセンシティブな情報なのかな?

カッパ-14隊長: インタビューを終了する。

[カッパ-14隊長は背を向けて立ち去ろうとする]

SCP-4114: チャドってばさぁ! Keterクラスアノマリーを野ざらしのまま収容せずに帰るなんてできないだろ。分かったよ、あまり長居するとは約束できないけれどね。サーカスでは仕事と、友達と、君らみたいに欲求不満の女の子を放置したりしないカレシが待っている。でも私を連れ帰るのなら、彼らについて幾つか話をするよ。内情をバラしはしないけれど、学問的には興味深いんじゃないかな。サーカスのピエロには数種類あって、ミルクを飲む必要があるのは2種類だけだって知っていたかい? 心惹かれるだろ?

カッパ-14隊長: (溜め息) よし、こいつを降ろして拘束具にブチ込め。だがな、ティエン、警告しておくぞ。もしまたふざけた真似をしたら、我々が君を回収するのはこれが最後だ。

[SCP-4114は拘束衣から労せず抜け出し、火鉢を跨ぐように地面に降りた後、後方宙返りしてから再び着地する]

SCP-4114: 今回は目隠しが欲しいな! いや、ただの目隠しじゃなくて、君らが持っている最高に厳重な遮蔽ゴーグルを! 私への挑戦だと思って!

カッパ-14隊長: ついでに猿轡も噛ませとけよ!

[SCP-4114は明らかに恍惚として身震いする]

<記録終了>

注記: GoI-233関連の重要度が低く、反証可能性のない情報(GoI-233構成員の性的嗜好・活動を不釣り合いに重視したもの)をインタビュー担当者らに提供した後、SCP-4114は拘束状態のまま鎮静され、最高保安体制の収容室に配置された。約90分後、重度の鎮静状態にも拘らず、SCP-4114は睡眠時遊行症の発作を起こしながら逃走した。

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